白山越前禅定道~釈迦岳登拝・下
- 2023/10/18
- 22:11
(承前)
十三時すぎ東に見上げた白い大汝峰と御前峰 御宝庫(おたからぐら)がよく見える
南には湯の谷川とこれから縦走してゆく釈迦岳 彼方には別山と三ノ峰望む
足元に紫色の菊一輪 ノコンギクのようだがよく分からぬ
鞍部より釈迦岳と別山見上げ 水場で汗流し喉を潤す
東に白山頂部を見上げつつ 釈迦岳の山道を登っていった
山頂西の池の彼方に望む 赤兎山・大長山・経ヶ岳そして法恩寺山
笹藪の中を急登し 十四時に白山釈迦岳登頂
オオシラビソの実越しに遥拝す 御前峰・大汝峰・七倉山・四塚山
大汝峰は十三~六万年前に火の御子峰辺りにあった 古白山火山の残りであり
御前峰は紀元前三千四百~二千九百年頃 縄文時代中期に東に大崩壊した新白山火山の残り(日本活火山総覧(第4版))
火山活動と浸食・風化によって 形作られたのだこの美しい山が
御前峰・大汝峰・別山の三所権現と共に この麗しき山を創ったものを拝んだ
御前峰が飛騨側に大崩壊した後 紀元前二百年頃に剣ヶ峰溶岩ドームができた
麓に千蛇ヶ池火口のある御宝庫も あるいは溶岩ドームなのではないか?
白山は万治二年(1659)以来噴火していないが 昭和十年(1935)に千蛇ヶ池下流の千才谷で地鳴りと噴気があった
縄文時代前期の人々は今より大きな成層火山を見上げ 弥生時代中期まで剣ヶ峰は存在しなかった
五千年後の人々も今とは異なる 姿の白山を拝むことだろう
釈迦岳から山道を下ってゆき 指尾山(さしおやま)~小原峠(おはらとうげ)~法恩寺山と続く越前禅定道望む
南の越前禅定道の尾根の奥にチブリ尾根 さらに奥に別山~三ノ峰へと続く美濃禅定道
紅葉黄葉の中を下っていって 十五時半すぎに出た指尾山北麓の林道
六年前の崖崩れの現場を通り 十六時に白峰神社に参拝した
越前禅定道に合流して下る市ノ瀬へ 途中に山田屋旅館跡の標柱ができていた
温泉旅館だったが昭和九年(1934)七月 大雨と雪融け水による土石流で埋まったそうだ
手取川の吊り橋から西日を拝み 十六時半に市ノ瀬登山口に戻った
白峰で堅豆腐を買ってから 帰った奥美濃の山の庵に
白山麓の名物・堅豆腐は 箸では切れぬほど堅くずっしり
食べごたえのあるおいしい豆腐 翌日山の庵の階段をトントンと
誰かが登ってくるこの足音は 久々の君の訪れだカモシカの!
見ればまだ角が生えたばかりの カモシカの仔がいた其処に
カモシカの仔は警戒心が薄い オーイと呼びかけても逃げも見向きもしない
餌を探すというよりは 母ちゃんどこだ?と探しているよう
まだ頼りない足取りで キョロキョロ道を下ってゆく
庭のアキノキリンソウ盛りをすぎたが ノコンギク咲きテンナンショウの実が成っている
最近庭の草刈らずともカモシカがほどよく刈ってるよう 毒のあるこの実はさすがに鳥も獣も喰わぬ
庵の裏から遥拝する白山 御前峰と剣ヶ峰
あなたの麓で生かされているわれらを 生きとし生けるものを見守りたまえ
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