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滝波山より白山遥拝

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 白山から南を望むと、越前・美濃国境に三つの山が並んで見えます。西から平家岳、美濃平家岳、そして滝波山。いずれも、積雪期は見事な白山のお姿が拝める山です(無雪期は美濃平家岳と滝波山は藪で展望ありませんが)。2021年3月8日、六年ぶりの滝波山登拝。この山には2009年8月と2012年3月末に滝波谷から、2015年3月末には板取川と川浦谷(かおれだに)の出合にある新宮神社から登拝しました。今回も新宮神社から尾根を縦走しました。
 朝7時、新宮神社に参拝。
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神社裏手の急峻な斜面を登ってゆきました。
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30分で648m三角点着。
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北へと続く尾根には、全く雪が見当たりません。8時、ようやく現われた残雪。
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六年前は3月末でもこの辺りは一面雪に覆われ、山上ではかんじき履きました。今年は去年・一昨年に比べれば雪は降ったものの、止まらぬ温暖化で雪融けも早いよう。シジュウカラの声を聞きつつ、朝霧と藪と残雪の尾根をさらに北上してゆきました。
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 やがて、尾根の東側は残雪が増えてきました。尾根上は藪。8時45分、1159m三角点着。
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西に平行する、美濃平家岳への尾根。入峰二時間、ようやく雪山らしくなってきました。
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それでも尾根には藪が出ており、雪もかんじき履くほどではありません。時々ズボッと膝まではまる程度。標高千二百mを超えると雪庇も現われ、9時半、雪庇の彼方にうっすらと御嶽山が拝めました。
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10時、滝波山頂を遥拝。
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北東には鷲ヶ岳。山頂目指して雪庇の上を歩いてゆきました。
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 10時半前、滝波山登頂。
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東に御嶽山。南西にはドウの天井や明神山。
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南には登ってきた尾根の彼方に蕪山。
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高賀山は雲を被っています。山頂から越美国境尾根を北へと進み、1386mピークへ。
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雪の斜面より白山を拝みました。雲海に浮かぶ、麗しい白山。今まで滝波山から白山を拝んだ時は、快晴で雲海はありませんでした。積雪期の白山は周辺の山々を摂取し、両翼を無限に広げて真っ白に輝くので、白山の手前の山々をうまく識別できません。ところが、今日は雲海の上に標高千三百m以上の山だけが頭を出しており、度々巡拝している鳩居峯の毘沙門岳とその左手前の西山、さらに右手前の三ノ宿がハッキリと望めたのでした。
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(巻頭写真も)
 滝波山からほぼ真北に拝む白山は、別山の右後方に大汝峰、さらに右に御前峰。別山のご本地仏は聖観音菩薩、大汝峰は阿弥陀如来、御前峰は十一面観音菩薩。南から拝む白山は、阿弥陀さまを中尊とする阿弥陀三尊。聖観音さまも十一面観音さまも、宝冠に阿弥陀さまの化仏を戴いています。聖観音さまと十一面観音さまは、別の存在なのでしょうか?私はそうは思いません。観音さまは極楽浄土で如幻三昧を得、ありとあらゆる仏土に様々なお姿を示現されるお方(「観世音菩薩授記経」)。「如幻三昧経」では、文殊菩薩がこの三昧を現わし、虚空を遊行する月が人間界に下りることなく、往来しようともせず、想念無くして遍く照らさざるはないことに譬えています。一つの太陽が無数の波に映って煌めくように、観音さまは無量無数のお姿を示現されるのです。
 観音さま、大勢至さま、弥勒さま、文殊さまといった等覚の大菩薩たちの如幻三昧は、お釈迦さまや阿弥陀さまといった妙覚のみ仏たちにとっては当たり前のこと。お釈迦さまは
「常に霊鷲山、及び餘の諸の住處に在り。」(「法華経」)
阿弥陀さまは
「円光の中に於て、百万億那由他、恒河沙の化仏有り。一一の化仏、亦た衆多無数の化菩薩有りて、以て侍者と為す。無量寿仏、八万四千の相(身体的特徴)有り。一一の相、各八万四千の随形好有り。一一の好、復た八万四千の光明有り。一一の光明、遍く十方の世界を照らして、念仏の衆生、摂取して捨てたまわず。」(「観無量寿経」)
「観世音菩薩授記経」によれば、阿弥陀さまはお釈迦さまが方便として涅槃に入られたように、遠い将来、涅槃に入られます。阿弥陀さま滅度の後、阿弥陀さまを見ることのできない衆生もいれば、念仏三昧を得て常に見ることのできる菩薩もいるとのこと。そして、阿弥陀さまの正法の世が終わる時、観音さまは菩提樹下で成道され、普光功徳山王如来となられる、とあります。阿弥陀さまに観音さまがお仕えしたように、普光功徳山王如来には得大勢菩薩(大勢至菩薩)がお仕えし、さらにさらに遠い未来、普光功徳山王如来が涅槃された後、正法の世が終わる時に得大勢菩薩が成道される、というのです。この娑婆世界では釈尊の涅槃後、五十六億七千万年後に弥勒仏が現われるように、極楽浄土では阿弥陀さま・観音さま・大勢至さまが永遠に私たちをお守りくださるのです。
 白山に向かって観音経と念仏をお唱えし、間もなく十年となる東日本大震災で亡くなられた方々の菩提を弔いました。一旦山頂に戻り、北西の1364m峰へ。
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途中、西の美濃平家岳の右奥に平家岳遥拝。
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11時半登頂。
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目の前の越美国境尾根を西から東へと雲が流れゆき、白山は見え隠れ。別山と後方の大汝峰は重なって見えますが、雪の色の違いで識別できます。真っ白な別山と、幻の如き大汝峰と御前峰。
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正午に1364m峰を発ち、1400m以上の山頂部へと戻る途次。ふり返ると、雲の上で白山が再び両翼をいっぱいに広げていました。
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白山に向かって投地礼し、下山。南無阿弥陀仏。南無過去正法明如来現前観世音菩薩、当来普光功徳山王如来。
 山頂部から尾根を南下し、北東に拝んだ鷲ヶ岳。
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雪上に落ちていたクマタカ(?)の羽根。
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雪上の自分の足跡辿って下ってゆきますが、標高千二百mから下は雪も少なめ。1159m三角点より下は薄藪、尾根を間違えぬよう注意が必要です。やがて、岩の多いヤセ尾根から板取川温泉辺りが見下ろせました。
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順調に下り、いよいよ最後の急降下、着陸体制に入ります。倒木をまたぐ際に樹に手をかけると、イテテテテ・・・。
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鬼の金棒みたいなカラスザンショウ。傾斜45度の滑り台みたいな凹みを急降下。
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15時10分頃、下に現われた新宮神社。
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拝殿の向かって右に降り、無事登拝できたことを感謝しました。
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尾根から急峻な斜面を下り拝殿向かって右に出るのは、白山美濃禅定道の美女下平から中居神社へ下る古道とそっくりです。帰路、板取川温泉から見上げた、降りてきた尾根。
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此処からは877mピークまでしか見えないので、雪も全く見えません。止まらぬ温暖化、今年は桜の開花もかなり早いよう。滝波山頂も、三月末には藪が出ているかも知れません。
 
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝