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白山の堅豆腐

「白山ハ山嶽ノ神秀ナル者也。美濃飛騨越前越中加賀五箇国ノ境ニ介在(はさま)ル。」
(藤原敦光「白山上人縁記」、原漢文)

 白山麓に共通して存在するものといえば、真っ先に思い浮かぶのは雪。ここ数年は山上に雪はあるものの、山麓は雪の少ない年が続いていました。しかし今年(2021)は山麓にもたっぷり積もっています。
 恐竜などの化石も、白山麓に分布する手取層群(ジュラ紀中期~白亜紀前期)から大量産出しています。昨日(2月7日)は、福井県大野市で国内最古級の哺乳類の化石が見つかったとの発表がありました。1億2700万年前ほど前の真三錐歯類(しんさんすいしるい)の化石。私たちのご先祖さまである真獣類も、その頃には現われていました。
 白山三所権現王子眷属への神仏習合の信仰も、白山麓に共通して存在していました。明治の神仏分離以来、山麓で約百五十年にわたる避難生活を続けておられる白山のご本地仏さまたち。しかし、いつか山上にご帰還あそばされる日が来ることでありましょう。
 白山麓に共通して存在するもう一つのもの。それは、堅豆腐。フニャフニャした豆腐でなく、どっしりとした重厚な豆腐です。その歯ごたえは、まるで厚切りハムのよう。その味わいは、大豆でできたチーズのよう。

「大丈夫たるものは重厚だ、軽薄でなく。質実だ、華美でなく。」
(「老子」第三十八章、パンデミック訳)

野人は白山登拝の行き帰り、時間があれば土産に堅豆腐を買って帰ります。半年前(2020年7月)の白山加賀禅定道登拝時に買った「白山堅豆腐カレー」がまだ残っていたので、ご飯にかけて味わいました。
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白っぽいクリーミーなカレーに、肉厚の堅豆腐。肉類は一切入っていませんが、食べごたえのある白山の恵みです。

「明らかな道は一見暗く、
進むべき道は一見遠のき、
平らかな道は一見デコボコ。
すぐれた徳は谷のよう、
この上なき白は汚れたよう、
広大な徳は足りぬよう、
建設的な徳は怠けたよう、
質朴なのは背くかのよう。
大いなる四角には角がなく、
大いなる器は遅くでき上がり、
大いなる音は聞きとれず、
天の姿には形なく、
道は広くて名前もない。」
(「老子」第四十章、パンデミック訳)

白いけれども白すぎず、堅いけれども柔らかい堅豆腐のような心で、このコロナ・トンネルを荷崩れせず、このパンデミック鍋を煮崩れせずに乗り切ってゆきたいものです。

白山の雪が育む堅豆腐
曲がりゃしないし角も立てない

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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝