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白山鳩居峯中五宿順拝~晩秋

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かつて白山美濃馬場 中宮長瀧寺から尾根伝いに
山伏たちの行場があった その名を鳩居峯という
「白山由来長瀧社寺記録」に 「鳩居峯八堂之本尊」として
長瀧寺から神鳩までの 九つの宿と本地仏が記され
「長瀧寺真鑑正編」には 寛永12年(1635)に書かれた
「白山鳩居峯中壁書之事」という 十八ヶ条の壁書が写されている
この壁書を記したのは 大峯葛城鳩居峯第七度行人権大僧都行典法印
その内容は彦山の阿吸房即傳が 大永5年(1525)に加賀の那谷寺に伝え
全国に広まった修験の儀軌中の 新客等が守るべき「峯中壁書事」と全く同じだ
鳩居峯の宿は長瀧寺や 石徹白の古図にも描かれている

藪に埋もれたこれらの宿の 五宿目までの順拝を
野人は2016年より始め 二年間は毎月二回
その後一年毎月一回 藪漕ぎ雪踏み続けてきた
今年(2020年)はコロナ禍で しばらく中断余儀なくされたが
再開の後は随時に 二ヶ月に一度は登りに来ている
2020年11月13日 白山鳩居峯中五宿順拝
前日 山の庵より 拝んだ夕暮の白山
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当日 庵のすぐ上で カモシカ親子が山眺めてた
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車で長瀧寺へと下り 紅葉の境内へ足を進める
無雪期は足袋で登っているが 冬に備えて長靴を履いた

拝殿で白山三所権現拝み 豪潮律師の宝篋印塔礼拝
三世の一切のみ仏に 宝篋印陀羅尼をお唱えした
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大講堂で心経読誦 入峯堂跡より入峯した
薄藪登って四十分ほどで 一ノ宿に着き勤行
沢のお水をお供えし 本地・不動明王を供養した
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尾根を登ってゆけば樹間に 桧峠の奥に雲纏う白山
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越美国境尾根に出て 入峯二時間弱 二ノ宿辺りで
大日ヶ岳を遥拝しつつ 二ノ宿本地・釈尊供養
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一山越えると尾根はカーブし 急斜面の下に平地がある
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この辺りからは白山も望め 二ノ宿の行場跡かもしれぬ

登って下ってまた登り 三ノ宿へと行道
渇れることのない三ノ宿の沢 谷神は死せず是を玄牝と謂う
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藪から作業道に出て 三ノ宿に登頂すれば
北の毘沙門岳の後ろに 見事な白山三所権現
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別山の聖観音菩薩と 山頂御前峰の十一面観音菩薩
その中央奥に真っ白に輝く 大汝峰の阿弥陀如来
九百年前 西因上人は 三所権現を阿弥陀三尊と拝んだ
西因上人願文と念仏称え 三ノ宿本地・弥陀尊供養
この世では白山の恵みに生かされ あの世では弥陀尊に皆救われる
南無白山妙理大権現 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
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三ノ宿から北へと下り 藪中のカモシカの白骨供養
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五月末には標本のようだったが 半年たてば骨さえ朽ちる
白かった骨も苔むしている 野人のこの身もいつかこうなるのだ
白骨観を修し念仏称えた 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
鞍部から西山に登ってゆき 振り向けば三ノ宿 鷲ヶ岳そして御嶽
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前には毘沙門・大日と続く鳩居峯 その左に白山 右に立山
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白山に阿弥陀三尊拝み 立山和光大権現本地・阿弥陀仏拝む
高さ二~三メートル太さ二センチもある 笹のジャングル掻き分けて
入峯から四時間半 西山登頂 ミズナラの葉はすっかり落ちた
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足の踏み場もない藪地獄下る これぞ五宿順拝の醍醐味だ

樹間に拝む白山は 山越来迎阿弥陀三尊
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弥陀の白毫一たび照らさば 煩悩の黒業悉く除かれん
必死に藪を漕いでるうちに 気づくと木杖行方不明
白山開山千三百年の 記念の桐の木杖だ
藪登り直して探すは徒労 また来たときに出てくるだろう
見つからなければ千三百年後 根付いて大木となるだろう
藪を下って二年前(2018)の 台風で倒れた樹沿いに左折
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入峯してから五時間半で 多和ノ宿に参拝した
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宿跡には案内板もあるが 作業道からの入口は藪化
勤行修して多和ノ宿本地 毘沙門天王供養した

毘沙門岳へと谷を登る いつも水のない毘沙門谷
慣れた杖なしで藪下ったせいか 疲れ出てきて一休み
喰わず座らずを心がけてるが 時にはこのようなこともある
ふと見れば谷に落ちていた 軽くて丈夫な笹の茎
長さ一メートル強 太さ二センチ 西山・毘沙門でいつも漕いでる藪だ
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これぞ白山権現のご加護 毘沙門天の贈り物
笹の杖手に谷を登れば ノウサギさんも励ましてくれた
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やがて笹杖で笹藪を漕ぎ 入峯六時間半 毘沙門岳登頂
南に西山・三ノ宿 背後に平家・滝波・高賀山
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五宿順拝の藪は此処まで 無事を感謝して北へと下った

鷲ヶ岳と大日ヶ岳の間に 乗鞍から立山までの山並
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石徹白の集落奥の白山は 山頂に雲を纏っていた
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登山道を下ってゆけば 高く輝くスギの黄葉
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旧桧峠に参詣し 入峯八時間半 国坂宿参拝
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本地・十一面観音さまに 観音経をお唱えした
日も早くなってきたので 古の禅定道を足早に下る
茶屋峠まで降りてゆけば その下は見事な紅葉黄葉
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床並社跡に参拝し 大トチノキを見上げ拝んだ
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いつもは二十刈まで山道歩くが 正ヶ洞棚田の方へと下り
名号碑に念仏称えて 前谷の車道に着地した
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夕暮の前谷川と紅葉 千人塚で念仏称える
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前谷白山神社に参詣 長良川に降りた頃はもう暗い
ヘッドランプ点け国道行道 悲願寺前で念仏称える
阿弥陀仏の名を念じつつ 長瀧寺へと歩き続ける
入峯してから十時間半 無事に長瀧寺へと戻った
無雪期は二~三メートルの藪 冬は二~三メートルの雪に覆われた
この鳩居峯の順拝は 野人にとって白山との対話
白山有縁の生きとし生けるものの この世における幸せと
あの世における救い祈りつつ 野人はこれからも徘徊続ける
いつか白山三所権現が お迎えに来てくださる時まで

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白山順禮写真館

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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝