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大白川より白山登拝~秘所仙崛1

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2020年10月26日 飛騨・大白川より白山登拝
昨年まで四年続きで 十月末から十一月初の初冠雪
しかし今年は10月17日に 平年並の雪化粧
はたして雪はどんなものかと 大白川沿いに車進めた

やがて夜が明け山が見えてくる 思いの外(ほか)に白い山肌
これはなかなか手ゴワいぞと 身と心を引き締めた
六時に登山口を出発 紅葉の中を登ってゆけば
山道たちまち雪に覆われ 雪を彩るモミジの葉
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やがてお姿現わした 白い御前峰と剣ヶ峰
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大倉山の避難小屋で アイゼン履いて登っていった
滑落防止の為というより 脚に余計な負担かけぬ為
これから秘所仙崛を巡るのだ 倹(つま)しければこそ広くゆき渡れるのだ
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入峯してから三時間弱 山道外れて御厨池(みくりやのいけ)へ
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神融すなわち泰澄和尚が 毒龍悪鬼を封じ込め
浄蔵法師や日泰(日台)上人 末代上人が水酌(く)んだ池だ
野路汝謙の「白山紀行」にも 「御厨屋とてすさまじき池あり」とある
凍った池の彼方には 北アルプスの山並が横たわっていた
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池の上から見下ろせば 白水湖・鷲ヶ岳・御嶽山
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藪中にひっそりと佇む池で 観音経をお唱えし
白山妙理大権現 王子眷属を供養した
藤原道長の子・能信の 作と伝わる「白山大鏡」には
深沙太山之池で正法明如来が 泰澄和尚の前に現われ
白山本地・十一面観音のお姿と 九頭八龍の姿を示したという
常盤木に隠されたその池とは此処だろう 南無過去正法明如来現前観世音菩薩

池の上から御前峰を拝む ハイマツの海を埋める白雪
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ハイマツ踏んでゆこうとしたが まだ雪浅く厳しい藪漕ぎ
池に戻って下を徘徊 岩場の下の底知れぬ穴
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「白山大鏡」の三十七の秘所仙崛 第二十三・深沙龍宮底洞には
白山娘と九頭八龍が居るという 九頭龍はこの奥底にいるのだろう
穴から地上に頭を出せば 太陽が新たに私を照らした
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室堂へ向かって歩を進めれば 積雪深い処で四十センチ
アイゼン付けたままかんじき履いて 御前峰へと登っていった
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十時半すぎ御前峰登頂 白山妙理大権現に参拝
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北に剣ヶ峰そして大汝峰 急峻な尾根を下っていった
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彼岸へとかんじきで渡ってゆけば 転法輪の窟へと辿り着いた
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「白山紀行」によればこの霊窟は 「大師山上行法の三十七か所の秘所のひとつ」

「白山紀行」は越前で 十七世紀後半に書かれたが
加賀で十六世紀始めに 書かれた「白山禅頂私記」にも
「白山禅頂タニミネフモトノ間ニ 卅七ヶノ秘所神仙洞コレアリ」とある
石徹白に伝わる「白山名所案内」には この岩屋が「廿七ヶ所之秘所の一つ、
蓬莱宮是なり」とある 廿七は卅七の写し間違いだろう
「白山大鏡」には「第十七、蓬莱仙宮洞 梅真仙等大神仙居」とある

窟の天井から地面まで 垂れ下がった巨大な氷柱
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「梅真仙」とは紀元前後 前漢末の梅福のことだ
成帝の外戚・王氏が台頭し 梅福は度々上書したが
やがて前漢滅ぼす王莽(おうもう)が 政権握ると梅福隠れ
紹興の梅山や舟山群島の梅岑で 仙人になったという
梅岑はその八百五十年後 観音霊場となり普陀山と名づけられた

「白山大鏡」には白山が 「蓬莱神仙白山峰」と記されている
蓬莱仙宮洞すなわち転法輪の窟に 梅真仙が居るというのは
白山も普陀山と同じく 観音菩薩の霊場だからだろう
梅真仙の約七百年後 十一面観音さまは白山に示現されたのだ
王莽の「新」は一代で滅んだが 梅真仙は二千年経った今でも
時折往来されるのだろう この白山蓬莱仙宮洞に
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝