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鷲ヶ岳より白山遥拝~初秋

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 9月に入ってから続く、不安定な天候。山中でゲリラ雷雨に遭ってはたまらないので、山にも行けずにいました。9月13日も午前中は雨、午後も晴れたり降ったり。山の庵は二十℃くらい。未明には北西の空高く、カシオペア座が見下ろしていました。
 9月14日早朝、庵から鷲ヶ岳へと登ってゆきました。スキー場に出ると、大日ヶ岳と白山がくっきりとお姿を現わしていました。
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前日の雨に濡れた下草踏みつつ、上へ。アキノキリンソウ?キオン?
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いえいえ。この葉の形はハンゴンソウ(反魂草)。「反魂」とは、死者の魂を呼び戻すことです。草に滴る無数の露が、朝の光に宝石のようにきらめいていました。
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一時間ほどでスキー場の頂に出、白山を遥拝。
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向かって左に三ノ峰と別山、中央に御前峰と剣ヶ峰、右に奥三方岳と三方崩山。此処から先は山道、滴と光に引き立つクモの巣の、美しさ。
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クモのネットは見事な作品ですが、天のネットにはかないません。

「天のネットは広大無辺、網目粗いが誰も逃さぬ。」
(「老子」第七十三章、拙訳) 

一ぷく平の藤原頼保公堂にお参りすると、体長五センチほどのオオクワガタが出迎えてくれました。
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 朝日を受けて次第に雲が上昇、大日ヶ岳が雲に纏われ、白山が隠れる前にと山頂へ急ぎます。
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急峻な山道を登って庵から二時間弱で鷲ヶ岳登頂、北西に白山(巻頭写真も)。
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北東には穂高連峰と槍ヶ岳。
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南西~南に白鳥の町と白尾山、彼方に高賀の山並。
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白山に向かって般若心経と白山権現ご真言・ご宝号をお唱えし、白山有縁の生きとし生けるものの幸せをお祈りしました。
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 白山と対面して端坐。此処からは白山三所権現のうち別山と御前峰は見えますが、大汝峰は御前峰の奥に隠れています。御前峰の隣には白山の溶岩ドーム・剣ヶ峰。御前峰と剣ヶ峰のお姿に、ふと、鷲ヶ岳北麓の立石(霊鷲岩)を想いました。
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(立石、2020/8/25)
古の山伏たちは立石や白山のお姿に、お釈迦さまが法華経や無量寿経を説かれた霊鷲山(耆闍崛山)を拝んだことでしょう。
 白山の本地仏は御前峰が十一面観音菩薩、別山が聖観音菩薩、大汝峰が阿弥陀如来。「無量寿経」には、観世音菩薩がこの世で菩薩行を修し、命終の後には無量寿仏(阿弥陀仏)の浄土に往生されることが説かれ、「大阿弥陀経」には阿弥陀仏が涅槃に入られた後、蓋楼亘菩薩(観音菩薩)が仏に成ると説かれています。また、「法華経」には観世音菩薩が相手に応じて様々な身を現わし、現世の人々の苦しみを救うことが説かれています(観世音菩薩普門品)。さらに中国の四明尊者(知禮)(960~1028)の「千手眼大悲心呪行法」やわが国の道元禅師の「正法眼蔵観音」(仁治3年(1242)示衆)には、観世音菩薩が過去世には正法明如来であったと記されています。観音さまとは、過去・現在・未来の三世にわたって私たちを救おうとしておられる、三生躰の仏菩薩なのでした。
 白山の垂迹神は、御前峰が伊弉諾尊(イザナギノミコト)・伊弉冊尊(イザナミノミコト)、別山が天忍穂耳尊(アメノオシホミミノミコト)、大汝峰が大己貴命(オホナムチノミコト)。伊弉諾尊と伊弉冊尊は、日本の国土と神々の父と母。天忍穂耳尊は天照大御神の子で、出雲の大己貴命(大国主神)の国譲りを受けて、息子の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を「天孫降臨」させた神。そして大己貴命(大国主神)は天照大御神の弟・素戔嗚尊(スサノヲノミコト)の子孫であり婿であり、天孫に国譲りをして幽世(かくりよ)の神となられたお方。白山三所権現の本地仏が過去も現在も未来もすべて覆っているように、白山三所権現の垂迹神は幽世と顕世(うつしよ)、見えない世界も見える世界もすべて覆っているのでした。

「天網恢々、疏而不失。」
(「老子」第七十三章)

 西に、白山中宮長瀧寺の古の山伏の行場があった三ノ宿・西山・毘沙門岳、桧峠を望んでいると、目の前を舞う二羽のアゲハチョウ。
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さらに大日ヶ岳から白山へと連なる、長大な鳩居峯。別山も雲に隠れてきたので、下山。谷の源流部に谷神を拝み、毘沙門岳見つつ西へ。ノコンギク?
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ヨメナです。山の樹々はまだ青々、一足先に色づき始めたガマズミ。
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一時間半で庵に下ると、青い尾のトカゲ君が出迎えてくれました。
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南無白山妙理大権現
  
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白山順禮写真館

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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝