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鳩居峯中三宿・仏岩巡拝~お盆

 8月16日早朝、山小屋下って白山美濃馬場・白山中宮長瀧寺へ。アジサイ咲く金剛童子堂の奥に、大講堂と豪潮律師宝篋印塔。
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拝殿、宝篋印塔、大講堂と順拝して入峯。四十分ほどで一ノ宿参拝、本地・不動明王にお水をお供えして勤行。
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沢の水は豊か。すでに汗ダクです。念仏と息と歩調を合わせ、越前・美濃国境尾根へ。真夏の空ですが、白山は雲隠れ。入峯から二時間、越美国境尾根に出、縦走。二ノ宿付近より大日ヶ岳を遥拝しつつ、本地・お釈迦さまを供養。青い空を北から流れくる白雲、風の通り道は涼しく心地よいものの、朝から強い日射し、空気が厚ぼったく感じられます。三ノ宿への登りの谷に入ると、アサギマダラ舞っていました。
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下の方は水が渇れていますが、登ってゆくといつもの如く流れる清水。猛暑の藪山のオアシス、アサギマダラが憩っているのもむべなるかな。やがて辿り着いた源流、滾々と流れ続ける冷たいお水で手と顔を洗い、喉を潤し頭からかぶりました。
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けっして渇れることのない、三ノ宿のこの谷。

「谷の神は死ぬことがない、
これを幽玄なる母性という。
幽玄なる母性の門、
これを天地の根源という。
なんと連綿たることだろう!
ずっとあり続けながら、そのはたらきは尽きることがない。」
(「老子」第六章、拙訳)

 谷神を拝み、藪を登って作業道に出、入峯から四時間弱で三ノ宿三角点登頂。真夏の日差しと赤トンボ。北の毘沙門岳の背後の白山は、相変わらず雲の中。
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南には歩いてきた二ノ宿の山並。
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東には鷲ヶ岳。
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三ノ宿の本地仏は阿弥陀さま、北面して白山三所権現に念仏をお称えし、亡き妻と子、ご先祖さま、戦没者にお盆供養。5月30日に此処から先の下りで出会った白骨化したカモシカさんも、供養しました。
 古の長瀧寺の山伏の行場「鳩居峯」は、長瀧寺から尾根伝いに三ノ宿~西山~毘沙門岳~大日ヶ岳~天狗山~芦倉山~丸山を経て、銚子ヶ峰手前の神鳩宿まで九~十の宿があったと伝わります。いつものように大日ヶ岳麓の国坂宿まで五宿順拝し、古の白山美濃禅定道を下るつもりでしたが、同じ千三百m級の三ノ宿・西山・毘沙門岳とはいえ、水の豊かな三ノ宿と違って西山・毘沙門岳の上部は谷に水なく、二~三mの足の踏み場もない笹藪地獄。今日は暑い上に白山も見えず、三ノ宿でお盆供養はできたので、三ノ宿から干田野へ下り、長良川対岸の仏岩へ久々に登拝することにしました。
 未舗装の作業道を鷲ヶ岳見つつ降下。毘沙門岳を見上げ、西山との鞍部の多和ノ宿に掌を合わせました。
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山腹から湧く冷たい水。
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アサマイチモンジ。
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ソバナ。
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ヤマアジサイ。
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三ノ宿から一時間半ほどで蓮原川へ。
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川沿いの作業道を覆う、崩れた土砂。
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まっ黒なカモシカが川を渡渉し、山へとゆったり入ってゆきました。5月30日夜、毘沙門岳東尾根から藪を徘徊して降りた砂防堰。堰を渡って作業道に出ようとしたものの、真ん中の凹みが急すぎて断念、さらに下流へ山腹徘徊したのでした。その後ようやく渡渉できた地点。
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ヘッドランプの光を頼りに、こんな処に運よく中洲があったと喜び渡ったものでしたが、すぐ下にもう一つ砂防堰があるため土砂がたまっていたのでした。
 道端に咲くミズヒキ。
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向山見つつ干田野へ。
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干田野に下り、如意輪観音さまに参拝。
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観音さまから下への山道は草茫々、道が分からぬほど。長良川を渡ってガラン様に参拝。
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長瀧寺の北の鎮守です。祠の横木の上でカエルがお守りをしてました。
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ガラン様から平家平へ登ってゆき、振り返った三ノ宿・西山・毘沙門岳。
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峠を越えると強い日差しはしのげ、谷沿いに千城ヶ滝まで降下。
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滝の水はさほど冷たくないものの、生き返った心地。不動明王に参拝し、来た道を少し登って鉄塔巡視路を急登。滝から約一時間、山腹の急峻でつるつるな大岩壁・仏岩に詣でました。上部に真っ白な龕窟がありますが、仏さんでなければとても至ることはできません。
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龕窟見上げてお念仏。その場に暫し坐しました。崖に生えた樹の葉に、セミの脱け殻。
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 仏岩から下って御坊主ヶ洞へ。途中の鉄塔より仏岩と大日ヶ岳を遥拝。
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御坊主ヶ洞の見附ノ大岩へと下り、敬愚比丘にお水をお供えして念仏をお称えしました。
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暑いさ中には、お水こそ一番の供養。念仏百八遍の間、負けじとツクツクボウシとミンミンゼミが彼らの念仏唱えていました。ナムアミダブツばかりが念仏ではありません。セミにはセミの、沢には沢の、風には風の、太陽には太陽の、岩には岩の、草木には草木の、土には土の念仏があるのでしょう。自然は、わざとらしくなくことさらでないすべてのものは、そのまま念仏です。御坊主ヶ洞を下り、入峯から十時間弱で長瀧寺に戻りました。
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 遠方から修行者気取りで来た余所者としてではなく、白山連峰の生きとし生けるものの一員として、兄弟として、白山に生かされている一野人として、この山域の順礼を続けてまいります。

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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝