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美言は信ならず

 「老子」の最終章に、こうある。

「誠実な言葉は美しくない、
美しい言葉は誠実でない。」
(「老子」第八十一章、拙訳)

四月・五月の「緊急事態」中から、「新しい生活様式」とか「アフター・コロナ」などとカッコイイ言葉を口にする人は増えた。だが、七月に入ってからのCOVID-19感染者の増加をボーッと見過ごしてきた政府を始めとする人たちの無能ぶりを見れば、「アフター・コロナ」は中身のない美言にすぎなかったのだろう。
 4月15日の当ブログ「パンデミック訳「老子」8 偉大なもの」に、こうある。

「コロナウイルスのパンデミックは、自分を見つめ直す機会でもあり、自分自身との戦いでもある。この危機が過ぎ去れば、生き残った人々の多くは安心して元の生活に戻ることだろう。だが、今までの生活に「これでよかったのだろうか?」と疑問を感じた敏感な人たちは、新たな一歩を踏み出すだろう。」

 実際、「第一波」の経験から新たな一歩を踏み出した敏感な人たちも、いることだろう。モロ松の場合、第一波での生活圏から出られない自粛生活の経験から、山に彼の避難所となるあばら家を確保した。彼はそこで第二波・第三波も、梅雨明け後の異常な高温もやり過ごすことだろう。

霞を喰らう人 一人
その居は俗人お断り
寂(しず)かで清々(すがすが)しい処
夏でもまるで秋の如し
幽(かす)かな渓の絶え間なき声
松に高く鳴る風の響き
半日そこに坐するなら
百年の愁いも跡形もなし
(寒山、拙訳)

 「新しい生活様式」などとカッコイイことを言っても、生活を実際に変えることができるのは、政治家先生でも学者先生でも宗教家なんぞでもない。自分の生活を変えることができるのは自分だけ。自分自身の人生の問題として2020年の災厄を受け止めるなら、禍を転じて福と為すことも不可能ではないだろう。

「災いには幸福が寄りかかり、
幸福には災いが隠れ潜む。
誰にその転移点が分かろうか?」
(「老子」第五十八章、拙訳)

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Haxanjunrei

松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝