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パンデミック訳「老子」12 欠けて満つ

 老子爺さんこう述べた。

「昔のよく道を行じた者は、微細にわたり玄奥に通じ、その深さは量り知れない。
量り知れないが、強いてその様子を述べればこうなる。
慎重なこと、冬に川を渡るかのよう。
用心深いこと、四方の隣国を畏れるかのよう。
恭(うやうや)しいこと客人のよう。
こだわらないこと、氷が解けるかのよう。
かざらないこと原木(げんぼく)のよう。
併せ呑むこと濁流のよう。
空漠たること谷のよう。
濁ったものは、静めればやがて清(す)み、
落ちついたものは、よく動かせば活性化する。
この道を得た者は満ち足りようとしない、
満ち足りようとしないからこそ、欠けてもまた満つことができる。」
(「老子」第十五章)

新型コロナウイルスにも、慎重に、用心深く、恭しく、今までのやり方にこだわらず、かざらず、清濁併せ呑み、空漠な心で対処してゆきたいもの。感染が広まってしまったら、外出を制限して静粛にしていれば、やがて感染は収束する、濁った水が清むように。収束してから活動を再開すればよいのだ、欠けた月がまた満ちてゆくように。感染がまだ拡大しているのに活動にこだわり、いつまでも満ちたままでいようとするならば、死者はさらに増え続けるだろう。

「名声と身体は、どちらが愛(いと)おしいか?
身体と財産は、どちらが貴重なのか?
得ることと失うことは、どちらが苦しいのか?
あまりにケチれば必ず大枚をはたくことになり、
たくさんしまい込めば必ず多く失うハメになる。
だから足ることを知れば恥辱を受けず、
止まることを知れば危険なく、長らえられる。」
(「老子」第四十四章)

新型コロナウイルスの感染が拡大しているにもかかわらず、名声や利益のために営業を自粛しようとしない店や企業・・・クラスターが発生すれば、元も子もない。名誉よりも金よりも、人の命は重いのだ。今は足るを知り、止まるを知るべき時。濁った水が清むまで待つべき時だ。COVID-19の感染拡大に貢献する店や企業など、誰も望んぢゃいない。

「賢(さか)しい者を尊ばなければ、民衆は争わない。
得難い財産を貴ばなければ、民衆は盗まない。
欲を刺激するモノを露(あらわ)さなければ、民衆は乱れない。
だから聖人が国を治めるときは、
民衆の心を空っぽにして、その腹をふくらませ、
民衆の志を弱めて、その骨を強め、
民衆を常に無知・無欲にする。
知恵を敢えて働かせず、ことさらなことはやらない、
そうすれば、うまく治まるのだ。」
(「老子」第三章)

新型コロナウイルスのパンデミックが収束するまでには、まだまだ時間がかかるだろう。身体だけでなく、心もやられないようにしなければなるまい。外出を自粛して胸にたまったストレス、頭に上ったイライラ感。夜は眠れず、ようやく眠れば夢の中で海外旅行・・・。腹をしっかり据えないと、この長期戦に堪えられない。骨がしっかりしてないと、頭の重みに耐えられない。心を空っぽにして腹を充実させ、志を弱めて骨を太くし、COVID-19の濁流が沈静化するのを待とう。活動が再開できるまで、活力を、そして命を温存しておこう!
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝