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パンデミック訳「老子」1 小国寡民

 老子爺さんこう述べた。

「何にもやらないことをやり、
無事こそ何よりの事とし、
味なき空気をたっぷり味わう。
感染小さいうちこそ大きくするな、
患者が少ないうちこそ増やしちゃならぬ、
怨まれようとも徳で応じよ。
難しいことにゃ易しいうちに手をつけよ、
大きなことを小さなうちに取り扱え。
天下の難事は安易なことから起こり、
天下の大事は些細なことから生まれる。
聖人はそれが小さなうちに
手をつけるからこそ、大功を成し遂げるのだ。
安請け合いは不信を招き、
チョロいと見くびりゃイタイ目にあう。
聖人は何事も見くびらない、
だから難なく切り抜けるのだ。」
(「老子」第六十三章)

誰もが新型コロナウイルスを、見くびっていた。目に見える影響が小さく少ないうちは危険を感じず、対岸の火事だと思っていた。いまだにそう思っている輩もいる。危険が本当に身にせまってきてから気づいても、もう手遅れなのだ。

「安定してれば維持しやすく、
兆さぬうちは策も立てやすい。
もろいうちは分けやすく、
微小なうちは散らしやすい。
感染爆発発生の前に手を打ち、
混乱する前に治めるのだ。
巨大な樹木も元は毛スジほどの芽。
高層ビルも基は土台。
千里の行も始めは一歩。
何かしでかそうとする者は敗れ、
強くこだわる者はそれを失う。
聖人は何にもしでかさない、だから敗れない。
強くこだわるモノがない、だから失うモノもない。
人は常々、成功を目前に失敗しがちだ。
初心を忘れず終わりを慎めば、
失敗することはないだろう。
聖人は欲しがらぬことを欲し、
得難い宝など目もくれぬ。
学ばぬことを学び、
人の失ってしまった処に立ち帰り、
万物の自然なあり方を手助けして、
あえて何にもしでかさないのだ。」
(「老子」第六十四章)

感染が爆発的に拡大してから、バタバタとことさらに何かをやっても、後の祭り。普段からそうすることは難しいとしても、まだ事態が安定しているうちに、感染爆発の兆しがないうちに、多くの命を救うために少しでも近づけないだろうか、老子爺さんの素朴な理想郷に・・・

「国は小さく、住民は少ない。
様々な機器があっても使わせず、
住民には命を大切にさせ遠くに行かせない。
船や車があっても乗らず、
武器具があっても出陣せず、
住民に文字でなく縄目使わせる、太古のように。
郷土の食べ物おいしくいただき、
郷土の衣服を着てよろこび、
住居で安らぎ、習俗楽しむ。
隣の国(県)相望み、聞こえるニワトリ・イヌの声、
だが住民は老いに至るまで、行き来しようとも思わない。
(「老子」第八十章)

人類がコロナウイルスの侵略に打ち勝つまでは、自発的に「小国寡民」を実践するのも乙なもの。あちこち出歩く輩こそ、COVID-19に利用されてウイルス拡散に貢献しているのだ。

「門を出ずに天下の大事を知り、
窓の外を窺(うかが)わずに天の運行を知る。
外出することいよいよ遠く、
大事を知ることいよいよ少ない。
だから聖人は行かずして知り、
見ずに明らかに見、
何にもしでかさずにこの戦いに成功する。」
(「老子」第四十七章)
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝