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長良川べりの秘窟絶壁

 秘境とは、山の奥にあるとは限りません。白山連峰を源流とする長良川の中流。川べりの絶壁に、ぽっかりと開いている洞窟。
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周囲は険しく、近寄るのはかなり危険です。
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 下流側から川に沿った山裾の藪を掻き分け進むと、人が何人か入れるくらいの窟があります。
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さらに歩を進めて河原に出ると、その先は絶壁。
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藪山に登って険しい山腹をトラバース。尾根の薄藪登ってゆけば山上の鉄塔に出ますが、絶壁の下に降りる道はありません。山腹から樹や岩に掴まりつつ、急峻な谷を降下。川べりに着地し、上流側へ淵沿いを慎重に前進。
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藪や雪庇や雪渓や沢歩きに慣れていても、底知れぬ大河の淵の崖歩きには、さすがに金玉が縮みます。やがて洞窟手前の大きな谷に阻まれ、前進不能に。
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垂直な岩壁には足場もなく、深い淵を渡るのは天狗か河童ならいざ知らず、一応まだ人間である私には難しそう。
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此処で佇み、谷神に掌を合わせました。
 下流へ少し戻った処にも急峻な谷間があり、一休み。
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車がスイスイ走っている対岸は、こちらとは異次元の世界。
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山腹から降りてきた地点に戻り、来たときと別のルートからほぼ垂直によじ登ってゆくと、山腹に突き出た岩の上に這い上がることができました。眼下に長良川。
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上流側にそそり立つ大岩壁。
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洞窟は、この絶壁の下方。洞窟は見えませんが、なかなか乙な眺めです。岩上に坐し、白山権現王子眷属を拝みました。さらに上へ登り、岩上から見下ろした長良川。
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下に見えるのは、大絶壁のてっぺんでしょうか。
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洞窟が陰とすれば、この大絶壁は陽を表すともいえましょう。
 藪を下って河原に戻り、来た道を下流側へ。
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途中、小さめの窟に咲くツバキ。
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まさに、ヤブツバキです。さらに下り、先にも記した中くらいの窟に正身端坐。
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窟の上からポトリと水が滴っては、地面の土や草を潤します。
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口から吐く息は白く、上へ上へと昇ってゆきます。水滴と、水蒸気の循環。陰と陽、大地と天空の循環。

「谷神死せず、是を玄牝(げんぴん)と謂う。玄牝の門、是を天地の根と謂う。綿綿として存するが若く、之を用いて勤(つ)きず。」(「老子」第六章)

人や生きものは生老病死し、国や文明は興亡し、大地山川も生滅し、天文気候も変動しますが、空虚なようで一切を生み育んでいる大自然の営みは、これからも尽きることがないでしょう。
 この窟の上方にも岩峰があり、登って長良川を、秘窟と絶壁を、源流の白山連峰を、万物の母なる、為す無くして為さざる無き妙理を拝みました。 
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「玄之又玄、衆妙之門。」(「老子」第一章)
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝