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白山鳩居峯中四宿巡拝

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 白山美濃馬場・白山中宮長瀧寺の古の山伏の行場「鳩居峯」に九~十あったと伝わる「宿」のうち、五宿目までを毎月巡拝させていただいておりますが、今年は一月半ばを過ぎても積雪が特に少ないです。山麓の長瀧寺は、以前は正月には境内が厚い雪に覆われ、雪の参道を長靴で歩いてお参りしたものです。人間の記憶というものはけっこうあやふやなものなので、試しに当ブログの記事の写真を確認しますと
2012年1月6日
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2015年1月4日
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2017年1月2日(2016年1月に続き、雪なし)
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2018年1月2日
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2019年1月2日
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1月始めに長瀧寺に積雪がないのは、2016年・2017年以来ということになります。
 白山狂いの野人たる私ですが、日が短く雪の深い冬はかんじき履いても五宿目(国坂ノ宿)まで縦走できず、途中で谷を下ることがあります。一月については、2017年1月5日は五宿巡拝できましたが1月17日は雪深く、二宿目(二ノ宿)まで六時間以上かかり(普段なら二時間ほど)、下山。2018年1月7日は四宿目(多和ノ宿)まで、1月22日は五宿目まで。2019年1月25日は暖冬のためか山上一mのズボ雪、難儀して二宿目までで下山しています。今回は山上の積雪も少なめでしたが、そのため藪もまだ完全には埋まっておらず、中途半端な雪藪状態。幸い新雪はなく、先月(2019年12月8日、三宿目(三ノ宿)までで下山し「毘沙門様」登拝)よりは歩きやすかったです。
 2020年1月18日、作務衣に上だけカッパ、長靴姿で雪のない長瀧寺の拝殿・豪潮律師宝篋印塔・大講堂に参拝して入峯。
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四十分ほどで一ノ宿へ。
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一ノ宿にもほとんど雪がありません。本地・不動明王を供養して尾根を登ってゆくと、数㎝の積雪。樹間に、毘沙門岳と大日ヶ岳の間、「毘沙門様」と桧峠の奥に真っ白な白山三所権現を遥拝。
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越美国境尾根に出ると、積雪は深い処で二十㎝強。二ノ宿への下りに拝んだ白山三所権現(巻頭写真も)。
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二ノ宿付近(正確な位置は不明)に入峯から二時間ほどで着き、本地・お釈迦さまを供養。急に曇って冷たい北風。三ノ宿への登りはさすがに雪が少し深く処々長靴が埋まってしまうため、愛用のかんじき装着。とは言っても積雪は五十㎝もなく、ノッシノッシと登ってゆきました。
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 入峯から三時間半弱、三ノ宿三角点登頂。
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風はやみ、穏やかな陽気。北に、毘沙門岳の真後ろに白く輝く白山三所権現。別山(本地・聖観音菩薩)と御前峰(本地・十一面観音菩薩)の中央奥に大汝峰(本地・阿弥陀如来)が頭を覗かせる阿弥陀三尊を拝みつつ、三ノ宿本地・阿弥陀さまに念仏をお称えして二十五年前の阪神淡路大震災で亡くなられた方々に回向しました。私は当時、スペイン南部のマラガという町にいたのですが、新聞やテレビでもトップで報じており、信じられない光景に胸が痛みました。二十五年前・・・当時はまだ山登りはしていませんでしたが、マラガ山と勝手に名付けた山の上で友人と待ち合わせ、登る途中で突然、犬に噛みつかれたのを覚えています。私はその犬を「アンダルシアの犬」とか「地獄の番犬ケロベロス」と呼んだものです。幸い飼い犬で、狂犬病ではありませんでした。
 三ノ宿からいつも通り尾根を北側へ降下。積雪が少ないため、藪が倒れきっていません。ストックの先が雪の下の樹の枝にひっかかってしまい、引き抜こうとすると「へ」の字にひん曲がってしまいました。
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無雪期は木の杖を使いますが、積雪期にはストッパーのない木杖ではへの役にも立たぬのでストックを使います。が、ストックは高価な割に藪山ではさほど長持ちしません。これは、登山用品の多くにも当てはまることです。
 鞍部から西山への尾根に付き、振り返った三ノ宿。
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右後方に高賀山が見えます。行く手には西山と毘沙門岳。
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鳩居峯はさらに大日ヶ岳~天狗山~芦倉山~丸山を経て銚子ヶ峰手前の神鳩(かんばた)で美濃禅定道と合流し、別山~御前峰~大汝峰の白山三所権現へと続きます。白山頂部は雲に隠れてしまいました。西山頂部は二~三mの頑強な笹藪に覆われていますが、積雪期は笹藪は雪の下。ですが、今期はまだ笹が処々出ています。
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入峯から五時間弱、西山登頂。
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西山から毘沙門岳との鞍部への下りも無雪期は藪地獄ですが、積雪期にはサクサク下れます。
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今回はまだ藪が出ているものの、来月には一面真っ白な斜面と化しているでしょう。
 2018年9月の台風21号で根こそぎ倒れた大木。
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背後に毘沙門岳。無雪期は背丈を越える藪で見通しが利かず、正しい尾根を外れて谷側へ下ってしまいがちですが、この大木は谷に下ってしまいやすい処を塞ぐかのように倒れており、以来、いつも此処で毘沙門天王のご加護を感謝しています。西山から四十分ほどで多和ノ宿参拝。
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一・五~二mある案内板が雪に埋まってしまうことも珍しくない処ですが、今日は積雪二十~三十㎝。本地・毘沙門天を供養しました。いつもなら此処から毘沙門岳へと登るのですが、南に面した毘沙門岳はまだかなり藪が出ており、雪藪を下るのはまだしも登るのはけっこう大変。今回は此処から美濃側へ谷を下り、先月同様、毘沙門岳中腹の「毘沙門様」に参詣することにしました。
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 三ノ宿を見上げつつ谷を下ってゆくと雪少なく岩肌現われ、かんじきを脱ぎました。やがて水も流れ出し、蓮原川に沿って降下。
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左岸の山腹に細い踏み跡があるのは、古の峠道でしょうか。
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この谷は積雪期に何度か下っているものの、いつも一面雪に覆われているので気づきませんでした。やがて、多和ノ宿から三十分ほどで対岸に林道が現われました。
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三ノ宿から下ってくる林道で、先月の巡拝時はこの道を下りました。干田野方面へ下ってゆくと雪はすっかり消え、北西から流れくる谷沿いに薄藪を登ってゆきました。
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「毘沙門様」には昔、毘沙門天像が祀られていたそうですが、中世に大雨による山抜けで流されて長良川中流の芥見に漂着し、祀られたと伝わります(「北濃の史跡と傳承」、「芥見郷土誌」)。
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(2018.8参拝時)
蓮原川から登りはじめて一時間。藪中の急峻なピークの肩に建つ石塔は、お参りするのにいつも道に迷います。その分、此処に到ったときの感動も大きなものです。
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東に干田野の集落と長良川を見下ろすように建つ、石塔。
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毎年秋、干田野の消防団がお参りするとのこと。現在は毘沙門天は祀られていませんが、今も「毘沙門様」と呼ばれています。毘沙門天は白山六所王子の佐羅王子の本地仏でもあります。長良川を下った毘沙門様の御前で勤行を修し、白山有縁の生きとし生けるものの幸せをお祈りしました。
 林中はすでに薄暗く、ヘッドランプ点けて下山。三十分ほどで干田野に下り、毘沙門様を見上げました。
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如意輪観音さまに参拝して長良川へ下り、入峯から十一時間、長瀧寺に戻って過去・現在・未来の三世のすべての仏さまを祀る宝篋印塔を礼拝供養しました。
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝