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白山鳩居峯中五宿巡拝行・秋

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 白山美濃馬場・白山中宮長瀧寺(ちょうりゅうじ)から尾根伝いの、古の山伏の行場「鳩居峯」にあった九または十の宿(堂)のうち、五宿目までを毎月巡拝し始めて三年以上経ちました。食わず・座らず・撮らずに行じておりますが、時々ケータイカメラ持参で入峯することもあります。11月17日。今秋は白山周辺もクマが多いよう、万が一に備えてケータイ持参。峯中の紅葉を期待しつつ、紅葉の長瀧寺より入峯しました。
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 拝殿、豪潮律師宝篋印塔、大講堂と順拝して裏山へ。
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先月までは足袋で行道していましたが、冬に備えて長靴履き。まだ積雪はないものの、長靴歩きに慣れておくためです。四十五分ほどで一ノ宿(本地・不動明王)に参拝。
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薄藪の尾根を登ってゆき、樹間に白山三所権現遥拝(巻頭写真)。先月(2018/10/23~24)に登拝したときは全く雪のなかった白山は、御前峰と大汝峰は真っ白、別山もすっかり雪化粧。越前・美濃国境尾根に上がり、樹間に見下ろした長瀧寺付近。
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白山文化博物館がよく見えます。二ノ宿への下り、毘沙門岳と大日ヶ岳の間に拝んだ白山三所権現。
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入峯から二時間、まだ雪のない大日ヶ岳を遥拝しつつ二ノ宿本地・お釈迦さまを供養しました。
 二ノ宿の正確な位置は不明なので、私はいつも国境尾根鞍部の大日ヶ岳がよく見える処で勤行しています。しかし鳩居峯の現存する、あるいは発見された宿(堂)の近くには必ず水場があり、此処ではなさそうです。鞍部から1116m小ピークを越えると尾根は北から西にカーブしますが、六十回以上歩けば藪中でもどこを歩けばよいか、獣と同様分かってきます。尾根を迂回せず、谷を渡ってショートカット。
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ヌタ場があり、藪中でのよい目印になります。この西向きのなだらかな尾根には、尾根沿いに北側に薄い踏み跡(獣道)があります。そして北側に一段低く、平地があります。
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以前から気になっていた処で、この辺りに石積みのようなものは見当たらないものの処々に石はあります。
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平地に下りると、樹間に白山が見えることに気づきました!
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長瀧寺に伝わる古図の二ノ宿も尾根の北側に描かれており、この辺りが二ノ宿の行場であったのかもしれません。真っ白な白山を拝み、三ノ宿へと縦走してゆきました。
 三ノ宿は水が豊かで、紅葉も美しい山です。先月(2019/10/16)の巡拝時は葉先が色づいており期待していた紅葉ですが、すでに散った後でした。落ち葉に埋まった谷の石を削りつつ、流れ続ける水。
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「天下に水より柔弱なるは莫(な)し。而も堅強を攻むる者、之に能く勝る莫きは、其の以て之を易(か)うる無きを以てなり。」(「老子」78章)

谷の源流。
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無雪期に渇れたのを見たことがありません。

「谷神は死せず、是れを玄牝(げんびん)と謂う。玄牝の門、是れを天地の根と謂う。綿綿として存するが若く、是を用いて勤(つ)きず。」(「老子」6章)

藪を漕いで山頂部の作業道に出、入峯から三時間半弱、三ノ宿三角点登頂。
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毘沙門岳の後ろに白い白山三所権現。別山(本地・聖観音菩薩)と御前峰(本地・十一面観音菩薩)の中央奥に大汝峰(本地・阿弥陀如来)、即ち阿弥陀三尊を拝みつつ、三ノ宿本地・阿弥陀さまに念仏をお称えしました。
 三ノ宿の行場跡も不明で、長瀧寺の古図では三ノ宿三角点の山と西山の鞍部辺りのように見えます。私はいつも三角点から北の尾根の薄藪を下って西山へと向かうのですが、山頂から少し下った処に塚のような処があります。
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藪越しに西山と毘沙門岳、写真ではよく見えませんが白山も拝めます。三ノ宿の行場の一つであったのかもしれません。鞍部に下り、作業道から西山への尾根を登って作業道に再会、西山頂部の二~三mの物干し竿の如き笹藪に、マスクと眼鏡ストラップを着けて突入。入峯から四時間半強、西山登頂。
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昨年(2018年)9月の台風21号の暴風で倒れた樹の上より、白山を遥拝しました。
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 西山より、足の踏み場もない笹藪のジャングルを降下。樹間に拝んだ白山三所権現。
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此処から拝む白山は、別山(聖観音菩薩)と御前峰(十一面観音菩薩)のちょうど中央奥に大汝峰(阿弥陀如来)が頭を覗かせる、山越来迎阿弥陀三尊。見通しの利かぬ藪の下りは方向を間違えやすく、特に霧や雨で向かいの毘沙門岳の姿が見えないときは、危険です。 が、藪を必死に漕いで下っているうちに谷まで下ってしまいがちなまさにその場所を塞ぐかのように、昨年(2018年)9月の台風21号で根こそぎ倒れた大木。
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大自然の妙理は、人知を超えています。南無白山妙理大権現。入峯から五時間半、鞍部の多和ノ宿跡に参拝して本地・毘沙門天を供養しました。
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 多和ノ宿から毘沙門谷を登って、毘沙門岳へ。わずかに残っていた紅葉。
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水のない毘沙門谷は天然の山道。谷から山頂部の笹藪地獄へ突入。
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毘沙門岳の稜線に出て樹に登ると、石徹白の集落の奥に白山。
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真昼の日差しはけっこう暖かですが、山上の風は涼しいです。入峯から六時間半、毘沙門岳登頂。南に西山と三ノ宿、その背後に高賀の山並、滝波山・美濃平家岳・平家岳、伊吹山。
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北東には大日ヶ岳の右手に北アルプスと乗鞍岳。
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白山を拝みつつ山道を北へ降下。涼しい森の中、黄色いモミジの頭上高く輝くスギの黄葉。
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地面にもスギの黄色い絨毯が敷きつめられていました。旧桧峠のお地蔵さま、桧峠の泰澄大師と順拝して大日ヶ岳登山道に入り、国坂ノ宿へ。桧峠は除雪車が整列し、積雪に備えスタンバイ。入峯から八時間強、国坂ノ宿(本地・十一面観音さま)にて観音経をお唱えしました。
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 旧桧峠に戻って古の白山美濃禅定道を降下。
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茶屋峠を越えて荒倉の滝の辺りで色づいた樹々を見ていると、側の岩の上にいたカモシカさんと目が合いました。しばらく見つめ合った後、カモシカさんは藪に駆け込みました。カモシカさんも秋の風景を眺めていたのでしょう。
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遠くまで逃げることはなく、白山に養われている者同志、暫し語らって別れました。
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 床並社跡から前谷の千人塚、前谷白山神社と順拝して長良川沿いに南下。日が早くなってすでに薄暗く、千城ヶ滝と御坊主ヶ洞には寄らずに入峯から十時間半で長瀧寺に戻りました。来月からは冬。いつまで続けられるかは分かりませんが、続けられる限りはこの古道の巡拝を行じるでしょう、古の行者と未来の行者をつなぐために。

南無白山妙理大権現王子眷属

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白山順禮写真館

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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝