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平泉寺~白山越前禅定道登拝・下

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(翠ヶ池、彼方に北アルプスの山並)

(承前)
 御前峰から六道地蔵に下り、背後に拝んだ伏拝・法恩寺山。
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千蛇ヶ池と御宝庫を拝んで翠ヶ池へと行道。
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右手に御前峰と剣ヶ峰。
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左手に大汝峰。
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「千蛇が池の雪をわたりて行く。西のかたにさいの河原とてあり。参詣の人砂石を積重ねたり。是より地獄谷へ下る。此道に広く平らかなる所、十万の金剛童子・五万八千の釆女遊戯の所と云。」(野路汝謙「白山紀行」(十七世紀後半))

かつて、大汝峰の中腹には釆女社が建っていました。
 翠ヶ池はまだ大半が氷に閉ざされ、わずかにヴェールを脱いだ水面が、朝日に輝いていました(巻頭写真)。

「遂ニ白山ノ天嶺ニ登リ、緑ノ池ノ地趣ニ莅(のぞ)ンデ、一心ニ祈念シ、三業ニ加持ス。是ニ於テ十一面観自在尊ノ慈悲尊容忽ニ現ズ。則チ稽首帰命シテ、白シテ言サク、像末ノ衆生ヲ必ズ抜済利益シ玉ヘ。尓ノ時観世音金冠ヲ揺(うご)カシ慈眼ヲ瞬(まじろ)カシテ即チ領納シ玉フ。」(平泉寺「白山権現講式」(享禄3年(1530)書写、大原勝林院所蔵))

泰澄大師が養老元年(717)に中宮平泉(平泉寺御手洗池)で白山妙理大権現(伊弉諾尊・伊弉冊尊)の霊託を受け、白山天嶺に登拝して此処で感得した白山本地・十一面観音菩薩。観音経を読誦して過去正法明如来現前観世音菩薩を供養し、念仏をお称えして二十一年前に亡くなったわが子と、昨年亡くなった妻を供養しました。雪上をイワヒバリが遊戯し、四羽そろって剣ヶ峰の方へ飛んでゆきました。
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 6時に翠ヶ池を出発。これから平泉寺へと下ります。千蛇ヶ池の上の御宝庫より差す朝日。
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御前峰西麓をトラバース、山頂より照らす朝日。
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室堂から弥陀ヶ原に下り、馬のたてがみの彼方に小原峠を遠望。
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殿ヶ池と、これから歩いてゆく越前禅定道。
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朝はまだ涼しく、足取りも快調です。山道にはあちこちにアオダイショウなどの蛇。ツバメオモトの花を拝み、9時に指尾山着。
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白山天嶺から下ってきた「白山本道」「正法明如来之道」を見上げました。
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白山の一色一香は、すべて過去正法明如来現前観世音菩薩の実相です。
 10時半前に市ノ瀬に降下、白山頂は雲隠れ。三ツ谷川~西俣谷川沿いの林道を一心に行道。
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斯様な道をトビ色に日焼けしながら延々と放浪する、苦しみと楽しみ。私がいつか野垂れ死にしたならば、天国や極楽よりも白山天嶺に往き、十万の金剛童子の一員となって遊戯したいものです。
 小原峠への古道を登り、沢の水で洗面し喉を潤し、13時前に川上御前参拝。
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真昼の登り坂は、さすがにキツいです。13時半に小原峠に出、西へ降下。
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風さわやかで、下りは足も進みます。三十分で小原林道に下り、伏拝を望みつつ林道を降下。
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15時半に祓川着、最後の難関・妙見坂の登りです。白山越前禅定道復路の妙見坂~伏拝の急登は、白山美濃禅定道往路の念仏坂~鍋倉平の登りを思わせます。妙見~伏拝間の坂道は整備中のようで藪は刈られていますが、藪がないと掴まるものがなく危険です。妙見菩薩を拝んで登ってゆき、樹間に小原峠を見上げました。
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一時間ほど登ると、七難の岩窟。
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泰澄大師の母御さまは、越前禅定道を此処まで登ったそうです(「越前国名蹟考」)。白山美濃禅定道の母御石と同様の伝承。鎖を伝って岩をよじ登り、ギンリョウソウを拝んで無心に上へ。
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二年前(2017年6月)は藪を漕ぎながら登った古道、今は藪は刈られているとはいえ、キツい登りです。17時半、伏拝に出ました!
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白山は雲の中。18時前に法恩寺山登頂、大長山(手前に伏拝)と赤兎山の鞍部の小原峠を振り返り、過去正法明如来現前観世音菩薩に感謝。
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法恩寺山から西へ下り、勝山の恐竜博物館の彼方に日本海へ流れゆく九頭竜川と、豊原寺禅定道の峯々を遠望。
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西面して念仏と神語をお唱えしました。
 18時半に中ノ平(釈迦ノ原)に下り、西へ向かって快速行道。19時に三頭山着。
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ヘッドランプを点けて平泉寺へと下ってゆきました。
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剣ノ宮を経て三ノ宮に下り、19時半、平泉寺着。下りは翠ヶ池から十三時間半、二年前とほぼ同じペースでした。白山三所権現の社殿にて「正法明如来之道」を無事登拝できたことを感謝。
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拝殿の「中宮平泉寺」の額。
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平泉(御手洗池)にて白山妙理大権現の垂迹神である日本の父母・伊弉諾尊と伊弉冊尊に感謝し、過去正法明如来現前観世音菩薩の広大円満で量り知れない大悲心に掌を合わせました。
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白山妙理大権現とは日本の父母であるのみならず、過去正法明如来現前観世音菩薩、来世には阿弥陀如来の脇侍として、私たちを三世にわたって導いておられる三生躰の聖者なのでした。願わくば此の功徳を以て、白山有縁の生きとし生けるものが生死の海を超えて涅槃の岸に到り、七難即滅七福即生して、諸願成就せんことを。

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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝