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長瀧寺~白山美濃禅定道登拝・下

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(千蛇ヶ池と大汝峰)

(承前)
 5月23日20時半前、大汝峰登頂。
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長瀧寺を出発してから十八時間。大汝社にて越南知権現本地・阿弥陀さま、垂迹・大己貴命(大国主神)に念仏と神語をお唱えし、古の美濃禅定道を登拝して三所権現に参詣できたことを感謝。西風が強くなってき、白山会の避難小屋で横になりました。疲れのためか、隙間風のある小屋で寝ていると独りだと感じず、両脇に普通に誰かが寝ているように感じて安眠しました。千蛇ヶ池と大汝峰の間の

「広く平らかなる所、十万の金剛童子・五万八千の釆女遊戯の所と云。」(野路汝謙「白山紀行」(十七世紀後半))

きっと、私の両脇に寝ていたのは金剛童子と釆女だったのでしょう。
 翌5月24日、午前3時半に大汝峰を出発。中天にはお月さま。
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東には北アルプスの山並。
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大汝峰の祭神・大己貴命(オホナムチノミコト)は須佐之男命の子孫で婿、出雲を拠点に葦原の中つ国(日本)の国作りを進め、出雲に大社を造営することを条件に天孫に国譲りをし、幽世(かくりよ)の神となられたお方。大汝峰を下って千蛇ヶ池の雪庇の上に御宝庫を拝み、北に大汝峰を遥拝。
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(巻頭写真)
4時半、御前峰にて日本の父母・伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉冊尊(イザナミノミコト)に感謝しました。
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御前峰を下り、高天ヶ原より朝焼けの別山を遥拝。
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別山の祭神・天忍穂耳尊(アメノオシホミミノミコト)は高天の原の祭神・天照大御神の御子。大己貴命の国譲りを受け、息子の邇邇芸命(ニニギノミコト)を天孫・皇孫として三種の神器と共に葦原の中つ国に降臨させたのでした。また、天忍穂耳尊の弟・天菩比神(アメノホヒノカミ)は高天の原から葦原の中つ国に遣わされて大国主神(大己貴命)に順った、出雲国造の始祖です。白山三所権現とは、幽世の神と顕世(うつしよ)の神、陰神(めかみ)と陽神(をかみ)、無意識の世界と意識の世界の均衡・融和の象徴であることが、白山の登拝を繰り返す中でやっと分かってきました。
 南西には大長山・赤兎山・経ヶ岳等、越前禅定道方面の峯々。その背後に現われた、白山の巨大なシルエット。
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室堂平に下り、東の雲の上に御嶽山と乗鞍岳を遥拝。
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早朝はまだ雪が固く、アイゼン履いて南龍ヶ馬場へと下ってゆきました。
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6時すぎに赤谷に降り、油坂を一心に上へ。
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7時に油坂ノ頭に登りきり、御前峰を振り返りました。
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アイゼン外して別山へと縦走中、雪上で出会ったヒメハサミツノカメムシ。
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君も私も白山権現の子であり、兄弟姉妹です。御舎利山にて歩いてきた美濃禅定道を一望し、宝篋印陀羅尼を読誦。
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9時に別山着、白山三所権現王子眷属を供養し、白山有縁の生きとし生けるものの幸いをお祈りしました。
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 別山より南西に見下ろした別山平、彼方に赤兎山・大長山・経ヶ岳。
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平泉寺からの越前禅定道は、赤兎山と大長山の鞍部の小原峠を越えて市ノ瀬に下っていました。南には、これから下ってゆく美濃禅定道の峯々の彼方に石徹白、さらに丸山~芦倉山~大日ヶ岳~毘沙門岳~西山~三ノ宿と続く鳩居峯を一望。
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9時半に別山平に下り、加宝社跡にて白山六所王子のお一人・加宝王子(本地・虚空蔵菩薩、垂迹・太玉命(布刀玉命))を供養。
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三ノ峰の雪の急斜面を下り、11時に水呑権現社跡にて児宮王子(本地・お釈迦さま)を供養しました。前日に十八時間歩いての復路、さすがに足にこたえます。鬼の鼻面岩の彼方に銚子ヶ峰、石徹白、鳩居峯の山並。
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11時半、一ノ峰。銚子ヶ峰へ縦走、東に丸山と尾上郷、彼方に御嶽山。
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12時半、銚子ヶ峰(陽の岑)。
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13時半前、神鳩。タムシバの花の向こうに鳩居峯の尾根。
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14時半、大杉。
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熊清水で汗を流して喉を潤し、弥生時代から此処におられる大杉に掌を合わせました。
 熊清水から沢を下り、大崩壊地から藪を漕いで倉谷へ。
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復路は鍋倉平と美女下平に登るのはやめ、石徹白川沿いの林道を美女下平見上げつつ一心に歩き続けました。
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焼けつく日差しと、涼しい風。往路、美女下平から八丁坂を下った際に渡渉した谷は、その下で滝となって林道脇に落ちていますが、日に照らされて虹が出ていました。
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白山権現王子眷属を拝み、只管歩いて16時半すぎに中居神社に参拝。
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泰澄大師堂を経て水田の彼方に別山・三ノ峰・銚子ヶ峰を拝みました。
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足が疲労して進まず、ストックを後方に押すようにして推進。18時、桂清水。
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一ノ瀬社を経て、旧桧峠へと上がってゆく車道を行道。19時15分、峠下の藪から旧桧峠に出ました!
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お地蔵さまを拝み、ヘッドランプ点けて古の美濃禅定道を降下。20時前、茶屋峠。
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床並社跡の大トチノキを拝み、前谷に下りました。
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 21時半すぎ、無事に長瀧寺に帰還。登りは大汝峰まで十八時間でしたが、下りも大汝峰から十八時間でした。長大な白山美濃禅定道の道中、私は独りでありながら独りではありませんでした。白山権現王子眷属のご加護を、肌身で感じた登拝でした。

「凡普天率土日月星宿みな吾躰なり。森々たる霊木離々たる異草、みなこれ我王子眷属の所居也。十方法界皆我神躰にあらすといふ事なく、世界衆生みな吾うみなせる子なり。我な穢しそ穢しそ」
(「大永神書」、白山妙理大権現のご神託)

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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝