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長瀧寺~白山美濃禅定道登拝・上

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(石徹白より拝む別山・三ノ峰・銚子ヶ峰)

 毎年登拝している白山美濃禅定道ですが、白山美濃馬場・白山中宮長瀧寺(ちょうりゅうじ)からの古の白山美濃禅定道登拝は、長年の夢でした。二年前(2017年7月)に一度挑戦したものの、天候不安定で別山・御舎利山まで登拝して引き返しました。今回は日の長さよりも天候の安定を優先し、時期を早めて登拝することにしました。
 5月23日午前2時半、十八夜の月明かりの中、長瀧寺に参拝。
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ヘッドランプを点けて白山美濃禅定道を歩き始めました。前谷を上ってゆき、鈴とラジオを鳴らして山道へ。正ヶ洞の棚田に映る月に掌を合わせました。
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3時半、床並社跡に参拝。
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養老2年(718)、泰澄大師が当地の病難消除のために白山妙理大権現を勧請して建てた社で、大正6年(1917)に前谷の白山神社に遷座されました。沢の音を聞きつつ古道を上へ。茶屋峠のお地蔵さまの背後にお月さま。
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4時、空がほのかに明らんできました。旧桧峠のお地蔵さまに参詣し、大日ヶ岳の稜線越しに残雪の別山と三ノ峰を遥拝。
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美濃禅定道は此処から石徹白(いとしろ)へと下ります。一方、長瀧寺から三ノ宿~西山~毘沙門岳と続く尾根伝いにあった古の山伏の行場「鳩居峯」は、旧桧峠で禅定道と交差し、さらの大日ヶ岳~芦倉山~丸山を経て神鳩で禅定道と再合流していました。
 旧桧峠から石徹白へと降下。蛇行しつつ下る車道より山側に、古の禅定道らしき踏み跡が点々と続いています。5時前、一ノ瀬谷を渡渉して一ノ瀬社跡に参拝。
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養老元年(717)の創立で祭神は猿田彦、金剛童子、久那戸之神(上村俊邦「白山への道いま昔」)。桂清水で喉を潤し、とうもろこし畑の辺りから銚子ヶ峰~三ノ峰~別山と連なる白山美濃禅定道の峯々を遥拝(巻頭写真)。5時半前、泰澄大師堂にて般若心経を読誦、白山権現王子眷属を供養しました。明治の神仏分離の際、中居神社から引き渡された仏像仏具を祀るために村人たちが建てたお堂です。
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 行き倒れになった白山の巡礼者の供養塔に掌を合わせ、北上。
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大日ヶ岳より昇る朝日。
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南には、水田に姿を映す毘沙門岳。
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注連張より三ノ峰を遥拝し、6時に中居神社に着きました。
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「石徹白の宮白山三社なり。拝殿に虚空蔵を安置す。」(野路汝謙「白山紀行」(十七世紀後半))

かつて虚空蔵菩薩が祀られていた大宮殿にて白山三所権現王子眷属を拝み、向かって右から古の白山美濃禅定道を登ってゆきました。
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浄安杉。
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斧石(よきいし)。
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泰澄大師が此処で斧の刃をつぶし、法川(保川)に投げ捨てたと伝わります。美女下社跡。
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祭神は磐長姫神(石長比賣、イハナガヒメ)。大山祇神(大山津見神)の娘で、木花開耶姫(木花佐久夜毘賣、コノハナノサクヤビメ)の姉です。日向の高千穂に降臨した天孫・瓊瓊杵尊(邇邇芸命、ニニギノミコト)は木花開耶姫を見初め、大山祇神は姉妹ともども天孫に嫁入りさせました。しかし、瓊瓊杵尊は見た目の麗しい木花開耶姫のみを寵愛し、盤若の不変さを備えた磐長姫を返してしまったのでした。以来、皇孫の寿命はそれまでよりも短くなったといいます(「日本書紀」「古事記」)。
 八丁坂を下って急峻な谷を渡渉。
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7時に初河谷(はつこだに)に降りました。
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石徹白川沿いの林道を暫し歩き、急な念仏坂の藪を上へ。
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樹間に三ノ峰を拝み、鍋倉平を北へ行道。
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山腹を袈裟懸けに下る薄藪の踏み跡を降下、8時に倉谷の垢離取り場にて行水。
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倉谷を渡って右岸の藪化した小道を上流へ進み、山側へ袈裟懸けに藪こぎすると、現われた馬蹄形の大崩壊地。
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崖下を回り込んで水の豊かな沢を遡上。
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8時半すぎ、頭上に大杉が現われました。
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樹齢千八百年。弥生時代後期から白山麓で生きておられる大杉です。長瀧寺を出発してから六時間。泰澄大師が熊に教わって見つけたという熊清水で汗を流し喉を潤し、今清水社跡に参拝しました。
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「今冷水の室長滝寺の僧壱人篭る。この所に名木の杉あり。凡そ十人して囲むに猶あまれり。ここに白山を勧請したる社有り。本地地蔵を安置す。」(野路汝謙「白山紀行」)

(続く)

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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝