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白山鳩居峯中五宿巡拝~春雪・後

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(承前)
 国坂宿から桧峠に戻り、毘沙門岳登山道を上へ。ショウジョウバカマの花。
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登ってゆくと、ひんやりとした北風が粉雪を飛ばしてきました。五日前(4月22日)はあった山道の残雪は、幻のように消えています。タムシバの白い花と、毘沙門岳(巻頭写真)。長瀧寺~御坊主ヶ洞入峯から四時間強、毘沙門岳登頂。
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登山道はここまで。鳩居峯の醍醐味は、これからです。眼鏡が跳ばぬようストラップを付け、肺をやられぬようマスクをし、藪漕ぎのため手袋着用。いざ、物干し竿の如き頑強な笹藪へと突入しました。
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いつもは多和ノ宿から水のない毘沙門谷を登り、藪を漕いで毘沙門岳に登っており、五日前は毘沙門谷上部は残雪に覆われていました。逆ルートの今日は、毘沙門谷にうまく降りられれば間違いはありません。足の踏み場もない藪と格闘しつつ下ってゆき、雪に覆われた谷に滑り下りました。
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毘沙門谷なのか不明でしたが、下ってゆくとY字形に別の谷と合流。
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いつもはこの分岐を向かって右へ登ってゆくのですが、今日は左の谷から降りてきたのでした。正面(南)に西山を遥拝しつつ降下。
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入峯から五時間弱で多和ノ宿着。
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雪が舞う中、勤行を修して本地・毘沙門天王を供養しました。
 多和ノ宿から、西山へ。毘沙門岳南面に劣らぬ藪山ですが、幸い、五日前は西山北面は残雪たっぷり、今日もまだ残っています。
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頑強な藪を覆うパッチ状の残雪を伝って、上へ。
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入峯から五時間半、西山登頂。
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寒いです。五日前は、此処から別山(本地・聖観音菩薩)と御前峰(本地・十一面観音菩薩)の中央奥に頭を覗かせる大汝峰(本地・阿弥陀如来)の、真っ白な白山三所権現を遥拝しました。白山においては、来世の救い主・阿弥陀さまは国作り・国譲りをして幽世(かくりよ)の神となられた大己貴命(オホナムチノミコト)(越南知権現)であり、現世の救い主である聖観音菩薩は、大己貴命から国を譲り受け息子の邇邇芸命(ニニギノミコト)を降臨させた顕世(うつしよ)の神・天忍穂耳尊(アメノオシホミミノミコト)(別山大行事)。そして、この幽顕の二神が陰神(めかみ)・伊弉冊尊(イザナミノミコト)と陽神(をかみ)・伊弉諾尊(イザナギノミコト)、即ち日本の国土と神々を生んだ父母(白山妙理大権現・本地十一面観音菩薩)を補佐しておられます。今日は白山はまったく見えず、毘沙門岳も頭は雪雲の中。しかし、上空には青空が見えました。
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 西山頂部の藪を漕いで作業道に出、南へ進むと、三ノ宿のお姿。
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西山と三ノ宿の鞍部へ下ってゆくと雪は本降りとなり、手がかじかみます。
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いつもは三ノ宿頂から北へ薄藪の尾根を下りますが、体が冷え、まだ先も長いので作業道経由で三ノ宿へ。樹々にうっすら積もった雪。
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入峯から六時間半強で三ノ宿三角点登頂。北面して本地・阿弥陀如来に念仏をお称えしていると、毘沙門岳にかかっていた雲が晴れ、後方に石徹白の白い山並も垣間見えました。
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五日前は、此処から毘沙門岳の背後に白山の白い山肌を拝み、ウグイスの題目聞きつつ念仏をお称えしたのでした。
 三ノ宿から一旦北東へ下り、南東に下る越前美濃国境尾根沿いの、谷の源流に降下。
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この谷はいつも水が豊かで、無雪期に涸れたのを見たことがありません。北風は山に遮られ、時折差す日の温もりの有難さ。沢から越美国境尾根を縦走。薄藪で迷いやすい山中では、大きな倒木や特徴のある樹、古株やヌタ場などがよい目印となります。
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入峯から八時間で二ノ宿付近着(二ノ宿の正確な位置は不明)。すっきりお姿現わした大日ヶ岳を拝みつつ勤行し、本地・釈迦如来を供養しました。
201904291752413b0.jpg 大日ヶ岳から先の鳩居峯は、天狗山~芦倉山~丸山を経て、神鳩で白山美濃禅定道に合流していました。
 二ノ宿から尾根を登り、歩いてきた毘沙門岳や三ノ宿を遥拝。
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やがて、東側に長瀧寺へ下る尾根と、鷲ヶ岳が望めました。
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越美国境尾根から長瀧寺へ、尾根を降下。樹間に、桧峠の奥に残雪の芦倉山を遥拝。
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タムシバやイワウチワの花に白山権現王子眷属を拝みつつ、下ってゆきました。
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「森々たる霊木離々たる異草、みなこれ我王子眷属の所居也。十方法界皆我神躰にあらすといふ事なく、世界衆生みな吾うみなせる子なり。我な穢しそ穢しそ」
(「大永神書」、白山妙理権現のご神託)

入峯から九時間強、一ノ宿に降下。
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本地・不動明王を供養。朝登った御坊主ヶ洞を見下ろしつつ下り、入峯から十時間弱、尾根を誤ることなく長瀧寺に降りました。
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十時間強かかった五日前より早かったのは、逆ルートだと毘沙門岳までの登りに登山道があり、藪がないからでしょう。この山域の藪の登りがキツいのは、冬の豪雪に鍛えられた頑強な笹藪が、下側に傾いでいるからです。大講堂・宝篋印塔・拝殿と巡拝し、金剛童子堂の前より、大講堂の後ろに西日を拝みました。
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 二年半前(2016年10月)より始めたこの行。奥美濃の藪山と白山の雪に鍛えられた野人にこそできる行と感じ、国坂宿の御前で発願して始めたのでした。危険なのでお勧めはできませんが、すべての日本人にとっての父母である伊弉諾尊・伊弉冊尊、即ち白山妙理大権現と王子眷属を供養するため、これからも続けてまいります。私のつたない記録が、後世の行者のお役に立てば幸いです。

弟子順昭、白山鳩居峯中五宿を毎月登拝せんことを発願す。
願わくば、名利の眷属に纏われて破敗の菩薩となることなからんことを。
願わくば、白山権現に順って一心に三昧を行じ、煩悩・業・報いの三障を法身・般若・解脱の三徳に転ぜんことを。
願わくば、白山の光明・み仏の白毫を反映して己れの生活を照らし、生生世世に菩薩の行を修して、世の片隅を照らさんことを。

南無白山妙理大権現王子眷属

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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝