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白山鳩居峯中五宿巡拝~春雪・前

 白山美濃馬場・白山中宮長瀧寺(ちょうりゅうじ)は白山美濃禅定道の起点ですが、禅定道とは別に、長瀧寺から尾根伝いに古の山伏の行場「鳩居峯」があり、神鳩(かんばた)宿で禅定道と合流していました。「長瀧寺神社仏閣記録」(宝幢坊所蔵資料)には、鳩居峯にあった九つの堂の名称と本尊が記されています。

一宿 不動明王  二宿 釈迦如来
三宿 阿弥陀如来 多婆宿 毘沙門
国坂 十一面観音 泉之宿 大日如来
中須 普賢菩薩  カウ橋 文殊菩薩
神鳩 虚空蔵菩薩

また、「長瀧寺真鑑正編」には、天正十年(1582)五月に国坂修行場で書写された山伏の秘法について

「右国坂ハ白山拾宿ノ中ニテ山伏ノ行場ナレバ(以下略)」

とあります。これらの宿(堂)は長瀧寺の絵図や石徹白に伝わる白山絵図にも記され、新客(初めて入峯する行者)が守るべき「白山鳩居峯中壁書之事」十八箇条もありました(「長瀧寺真鑑正編」)。その内容は、彦山修験の「三峯相承法則密記」にある「峯中壁書事」と、まったく同じです。長瀧寺の「修正延年並祭礼次第」(慶安元年(1648))によれば、四月八日鳩居入峰、六月十五日鳩居入峰出、六月二十三日にまた鳩居入峰、八月十三日に一の宿より懸出、とあります。
 白山の山伏が絶滅して以来、今や無雪期は深い藪、冬は深い雪に覆われている鳩居峯。五宿目の国坂宿までを、野人たる私は発願して2016年10月より毎月巡拝しております。二十五ヶ月間は毎月二度巡拝し、以降は月一度継続しています。が、先月(2019年3月)は諸事情により巡拝できず、今月は二度巡拝すべく五日前(4月22日)と本日(4月27日)巡拝しました。行中、喰わず・座らず・撮らずをモットーに始めた行ですが、「撮らず」は最近守れておらず、4月22日はスマホ持たずに入峯。いつも通り長瀧寺から国坂宿まで巡拝し、古の白山美濃禅定道を下って千城ヶ滝から御坊主ヶ洞に登り、約十時間で長瀧寺に戻るコースです。4月27日は、いつもとは逆のコースで巡拝しました。喰わず座らずは守り通していますが、鳩居峯のことを皆さんにお伝えするには写真も必要。27日の写真と共に五日前の様子も合わせ、紹介したいと思います。
 4月27日朝、長瀧寺に参拝。五日前の巡拝時、作務衣のズボン裾が藪で裂けたため、いつもと違って普通の服装です。靴は五日前と同じく長靴。無雪期は地下足袋です。大講堂前に起つ、豪潮律師の宝篋印塔。
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その後ろの桜は五日前は満開でしたが、すでに葉が出ています。宝篋印陀羅尼を誦し、大講堂に参拝。いつもは大講堂の後ろの尾根に取り付き一ノ宿へと登ってゆきますが、今日は長瀧寺から長良川を渡り、御坊主ヶ洞へ。
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大永・享禄の頃(1521~32)に御坊主ヶ洞の見附ノ大岩で焼身供養を行じられた敬愚比丘を偲び、薬王菩薩ご真言と念仏をお唱えしました。
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大岩からさらに上へ登り、左手に鳩居峯の三ノ宿・西山・毘沙門岳を遥拝。数時間後に縦走する、標高千三百m以上の峰々です。
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鉄塔からは、毘沙門岳の北の大日ヶ岳を遥拝。
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五日前より、めっきり山上の雪が消えています。国坂宿は、毘沙門岳と大日ヶ岳の鞍部辺りにあります。
 入峯から一時間で千城ヶ滝の不動明王に参拝。
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長良川を渡り、歩岐島から前谷へ上って千人塚に掌を合わせました。
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昔、この辺りで源氏と平家の戦があり、平家方の千人の耳塚と伝わるそうです(「北濃の史跡と傳承」)。さらに上って二十刈(にじゅうかり)から古の白山美濃禅定道へ入ると、「番所桜」が満開。
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五日前は梢の方が開花しており、今日カメラを持参したのは、この桜を撮りたかったからでもあります。散らずにいてくれて有難う!白っぽくなく本当に桜色の、見事な桜です。禅定道を行道し、床並社跡にて金剛童子に参拝。
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沢沿いに茶屋峠と中の峠を越え、入峯から二時間半で旧桧峠のお地蔵さまに参詣しました。
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五日前は中の峠より上に残っていた雪も、消失しました。古の白山美濃禅定道は此処から石徹白に下って中居神社から尾根に上がりますが、今日はこれから鳩居峯巡拝。鳩居峯と美濃禅定道は旧桧峠で交わり、神鳩で再び合流していました。
 旧桧峠から毘沙門岳登山道を一旦、大日ヶ岳方面へ。桧峠の泰澄大師像にお水をお供えし、読経。
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以前は冬のみ雪吊りがしてありましたが、昨年は無雪期もずっとこのお姿でした。毎年、無雪期になるとゴルフ場の看板に隠されてしまう泰澄大師。今日はまだ、大師の視界良好です。大日ヶ岳登山道へ歩を進め、入峯から三時間弱で国坂宿へ。
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本地・十一面観音さまに観音経をお唱えしました。十一面観音菩薩は白山妙理大権現の本地、垂迹は伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉冊尊(イザナミノミコト) 。日本の国を生み神々を生んだ、日本の生きとし生けるものの父母です。私たち日本人は皆、白山妙理大権現の子孫ともいえましょう。ミズバショウの白い花に、白山妙理大権現を拝みました。
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(続く)
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝