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屏風山




 奥美濃(即ち奥越、即ち両白山地)の屏風山。形の良いその山容は、白山から見ても目立ちます。
 台風の去った昨日朝5時半前、河内谷の車止めを出発。鹿が2頭いました。林道を50分ほど歩いて登山口へ。屏風谷は前日までの雨で水が豊富、ジャブジャブと渡ります。
 尾根に取り付くと、前日までの雨で岩も木の根もツルツル。登るにつれて藪も濃くなってきました。踏み跡はハッキリしていて激ヤブではありませんが、尾根が急峻でストックは役に立ちません。両腕で交互に藪を掻き分け、その手で藪を握って体を引き上げつつ登ります。
 8時半すぎ、山頂。雲に覆われて展望なし。西の空に一瞬、能郷白山が見え隠れしたものの、白山方面は何も見えません。山頂はトンボの楽園。無数のトンボが飛翔しています。先程からアブがしつこく付き纏っていましたが、観音経をお唱えし、トンボを見ているうちに、ここは彼らの家であり生活空間ではないか。俺はここにお邪魔しているにすぎない。アブを追い払おうとするのは礼を失している、と気づきました。シャツにとまったアブの顔を見ていると、顔に比して巨大な眼が、何やらヒョウキンな感じです。シャツの上からチクリと刺してきました。
 下りは、藪の中の滑り台。滑らぬよう重心を低くして下りました。谷へと下る急斜面から、流れ落ちる屏風谷の景観を楽しめました。
 11時半、谷から林道に出ると、雨がポツポツ。林道を歩いてゆくと、ミヤマカラスアゲハが、瑠璃色にチラチラと光りながら舞っていました。
 道元禅師の師、天童如浄禅師は、仏祖の坐禅とは「坐禅の中において衆生を忘れず、衆生を捨てず、ないし昆虫にも常に慈念をたまい、誓って済度せんことを願い、あらゆる功徳を一切に廻向する」ものである、とお教えになっています(「宝慶記」)。
 白山の姿は見えませんでしたが、観音さまは、妙理権現は、このような美しい姿で示現しておられました。蝶ばかりではありません。トンボの姿で、アブの姿で、法を説いておられました。チラチラと輝く蝶に合掌低頭し、お山に向かって合掌低頭して、林道を下りました。
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Haxanjunrei

松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝