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正念相続


 三週間ぶりの、白山との相見。長らく白山と私の心を覆っていた、鉛色のヴェール。今日も空は鉛色の、薄ら寒い朝でしたが、私がよく登る「遥拝所」に十時頃登ると、白山は次第に白さを増してゆき、左から別山・大汝峰・御前峰と、北の空に一際白く輝く三山。一時間ほど白山を遥拝しつつ、坐しました。
 人が山に登る動機は様々でしょうが、私の場合は、精神的苦痛や強い感情を、肉体的苦痛によって和らげよう、麻痺させようとする動機があったことは否めません。しかし、それにも増して、大自然の壮大さ・崇高さ・美しさに触れることによって、人生の苦しみや悲しみ、怒りや無気力が変容され、下界へ再び戻る勇気が得られることこそ、私が山を、白山を登拝・遥拝する動機であります。
 「マインドフルネス」という言葉があります。どうも適切な和訳が見当たらぬようですが、漢訳すれば「正念」。真っ白に輝く白山を前に坐すとき、ああだ、こうだと頭や心の中を駆け巡っていた雑念は消え、正念・マインドフルネスに立ち返ることができます。禅の修行とは、行住坐臥に正念を相続してゆくことでありましょう。山が得させてくれた正念を、山を下りてからも、日常行住坐臥に相続してゆきたいものです。
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝