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平泉寺~白山越前禅定道登拝






 6月4日朝4時、ヘッドライトを点けて平泉寺に参拝し、白山越前禅定道登拝。闇中、百合が一輪咲いているのが見えました。30分程急登して釼宮に着くと、空も明るくなってきました。三頭山からは、しっとりとした快適な山道を歩き、稚児堂、中ノ平を経て6時半に法音寺跡着。泰澄大師が此処で法華経を読誦する老翁に出会ったとのこと。法華経観世音菩薩普門品を読誦しました。10分程で法恩寺山頂に着くと、白山の山並を遥拝することができました(写真1)。左に大汝峰と山頂御前峰、右に別山。その手前には、これから歩いてゆく小原峠を挟んで左に大長山、右に赤兎山。
 7時、伏拝着。古の禅定道は、此処から和佐盛へと下って小原峠に登りますが、道は藪が濃そうなので、経ヶ岳北岳から赤兎山へ縦走して小原峠に下ることにしました。白山を左に望みながら北岳へ登り、8時15分、北岳分岐着。此処からいよいよ、大舟山、赤兎山、小原峠を経て白山へと向かいます(写真2)。藪漕ぎ覚悟で眼鏡が跳ばぬよう眼鏡ストラップを付け、縦走開始。大舟山までは草丈が低く、道は明瞭でした。ヤセ尾根にカタクリが咲いていました。が、1時間程で大舟山に着くと、その先は藪・・・。尾根は藪が濃く、北側斜面の残雪上を歩こうとしましたが、かえって完全な藪の斜面を横切ることとなり、尾根まで藪と格闘しつつ登りました。尾根上には道らしきものがあり、尾根を外さず進んでゆくと、10時45分にようやく大舟分岐に出ました。10分程で赤兎山頂着。白山頂はわずかに雲に覆われてきました。
 小原峠に下り、12時、川上御前参拝。堂守の如くカナヘビが出迎えてくれました。西俣谷沿いの涼しい林道をゆるゆると下ってゆき、13時40分、市ノ瀬着。市ノ瀬からヘリコプターが頻繁に白山へと往来していました。室堂に物資でも運んでいるのでしょうか。
 15時すぎ、指尾山着。白山頂は雲に隠れてしまいましたが、釈迦岳は目の前に。山道にはミツバツツジが多く、石仏が下にある岩の辺りから上では、ハクサンシャクナゲが咲いていました。振り返れば、歩いてきた赤兎山、小原峠、経ヶ岳が見えます。雲が沸いてきて展望は今一つでしたが、ウグイスの声が山中に谺していました。18時、殿ヶ池避難小屋着。此処まで、さほど雪はありませんでした。僧堂と似た造りの小屋で、面壁打坐。夕食後、20時に就寝しました。
 翌朝は2時半起床。満月が明るく、別山、山頂方面が姿を現し、大長山、赤兎山、経ヶ岳の山影も見えました。坐禅し、4時前発。風のない穏やかな朝です。1時間程で室堂に着き、5時半に御前峰登頂、白山奥宮に参拝しました。雲がけっこうありますが、立山~槍・穂高の背後の空が明らみ、登ってきた赤兎山と大長山の後ろに経ヶ岳・法恩寺山、さらにその背後に銀椀峰を拝みました(写真3)。その左には荒島岳、能郷白山。南には滝波山や平家岳。高賀山もうっすら見えました。
 此処からアイゼンをつけて転法輪ノ窟へ。雪渓どころか、まだ斜面全体が雪だらけで、急斜面をしばらく上り下りしてようやく窟のある辺りを見定め、雪渓を一歩一歩足場を作りつつ横切ってゆくと、転法輪ノ窟はまだ半ば雪に埋もれていました(写真4)。窟の前には衝立の如く雪が積もっていました。雪上に長跪合掌して観音経をお唱えし、三拝しました。
 「転法輪」とは、正法を説くことであります。釈尊が覚りを開いた後、もし、その教えを説かず、僧伽を作らなかったとしたら、今の世に仏法は伝わらなかったことでありましょう。白山に十一面観音菩薩を拝み、開山された泰澄大師の願いも、仏法護持、正法弘通にあったのではないでしょうか。短い人生のうちに、なんとかして、正師に巡り会い、正法を学し行じていきたいものであります。
 8時前に室堂へ下り、下山。殿ヶ池小屋は来月から解体修理するとのこと、お世話になった小屋とも、しばしお別れです。合掌して下りました。指尾山から白山を遥拝し、12時すぎに市ノ瀬着。西俣谷川沿いの林道は、川上から涼しい風が吹いていました。川上御前にて水と風の恵みに感謝し、15時、小原峠着。振り返れば、白山が見守っていて下さいました。
 大舟分岐から藪へ。途中までは藪中に道がしっかりと見分けられ、慎重に進めば見失うことはありません。しかし、やはり大舟山に近づくと藪は頑固に。大量の雪に鍛えられた木や笹。藪中のカタクリに励まされつつ、こちらも頑固に尾根を進んで16時半に大舟山に着きました。此処からは藪は薄いものの、草丈の低いヤセ尾根に南東から冷たい突風が容赦なく吹き付け、北岳への登りは今回一番きつかったです。白山は南の方から次々と雲が流れてきて、見え隠れ。
 18時すぎ、北岳分岐着。ここからは北西への下りです。夕日に輝く九頭竜川と、勝山の田園風景が見えました。19時15分、伏拝に着いた頃には、日は沈み、残照が西の空にあるのみ。ヘッドライトを点けて法恩寺山へ向かい、白山の方に合掌して下山。勝山から九頭竜川沿いに福井方面への夜景が見事でした(写真5)。20時15分、中ノ平避難小屋着。さすがに疲れたので、すぐに寝ました。
 6日は3時半起床、坐禅・読経し4時40分発。銀椀峰や大野盆地を左前に見つつ進み、1時間弱で三頭山着。ここから先は、右の樹間に勝山城や平泉寺菩提林が見え、あと一息です。釼宮を経て6時20分、平泉寺参拝。御手洗池は、鏡のように澄みわたっていました。
 白山禅定道の登拝とは、登拝中、行住坐臥のすべてにわたって禅定を修することではないでしょうか。歩く時も、坐禅の時と同じく、「左に側ち右に傾き、前に躬り後に仰ぐこと」なく、腰をしっかりきめ、背筋を伸ばして顎を引き、両腕は自然に垂らして自由にし、丹田呼吸をして、息と歩調を合わせること。行住坐臥、食事中や車の運転中、何時如何なる時も禅定を修し、王三昧の生活を実践して参りたいものであります。
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝