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仏御前の滝~荒島岳登拝


 荒島岳には以前、下山コースから登拝しての帰りの道中の事故以来、山麓をしょっちゅう通過しながらも、なかなか足が進みませんでした。しかし「春夏秋冬福井の山」さんのブログで、昨年できたばかりの新下山コースが早くも藪化しつつあるとの報に接し、ようやく食指が動きました。新下山コースは荒島岳東稜を通っており、それなら仏御前の滝から東稜に取り付けば、滝から無雪期の登拝も十分可能と睨んだからです。
 10日ほど福島県南相馬市の靴修理店に「入院」していた愛用の登山靴も、元気な姿で復帰。10月15日早朝、下山の白龍神社に参拝し、仏御前の滝へと向かいました。
 滝駐車場を6時15分に出発。遊歩道から滝の左岸をよじ登ってゆくと、滝の最上部が見えてきました。


勾配は急な上、滑りやすく危険です。西への谷筋の岩場をよじ登ってゆき、途中から滝の上の沢を目指してトラバースすると、7時すぎ、鉄塔巡視路が現れました。右手へ上がる路は滝の北西の鉄塔への路でしょう。左に下る路を進むと、滝の上の沢を渡ってさらに路が続いていました。荒島岳東稜までは尾根の藪漕ぎか沢登りを覚悟していたのですが、しばらくこの巡視路を進んでみました。
 路は東へと登ってゆき、15分ほどで下りにかかりました。その南に尾根が上がっており、巡視路に別れを告げて藪尾根を南へと登ってゆきました。急峻ですが藪はさほどではなく、7時半、すっかり雲の上に出て北の樹間に野伏ヶ岳の姿が見えました。
 8時、左手からの尾根と合流すると日が射し、北の樹間に白山三山の姿を遥拝。


般若心経をお唱えしました。943m地点から南西への尾根は藪が濃く、尾根の東側は枝が張り出し西側の方が歩きやすかったです。樹間に大野市街が見渡せました。途中にはツル藪や岩場もあり、岩上の紅葉が朝日に照らされていました。


藪漕ぎ二時間、9時半にようやく東稜に出ました。ちょうど新下山コースが南から東稜に上がった地点です。スパッツと手袋をはずし、今までの藪に比すれば快適な登山道を進みました。正面に荒島岳(冒頭写真)、右手に大野盆地と白山連峰、左手は遠方に奥美濃の山々、眼下に九頭竜川が見下ろせ、朝参拝した白龍神社辺りもよく見えました。


 10時半、山頂の少し東で紅葉と白山連峰に掌を合わせました。


10時40分登頂、荒島権現と白山権現のご宝号をお唱えし、西に大野市街と銀椀峰を拝みました。


 山頂から東稜に戻り、眺めのよい処に坐して白山を遥拝。大汝峰・御前峰と別山を中心に、左は経ヶ岳・大長山・赤兎山、右には願教寺山からよも太郎山・日岸山・薙刀山・野伏ヶ岳…さらに大日ヶ岳。振り返れば、滝波山・平家岳・ドウの天井・屏風山・能郷白山。屏風山の右後ろに大白木山が見え、双眼鏡で見ると山頂の反射板まで確認できました。


 11時半、東稜を下山。左前方に白山を望みながらの下りです。この登山道は、荒島岳登山道のうちで最も白山がよく見えるコースではないでしょうか。
 11時50分、分岐点。登山道は尾根から右へと下り、私は左の藪中へと下ってゆきました。しかし分岐からしばらくは尾根が不明瞭で、自分でも何処を歩いているのか分からず、とにかく北~北東方向の藪尾根をいくつか下ってゆきました。ツル藪に足や体を捕られるのは、かなり疲れます。
 13時半前、ようやく鉄塔巡視路に出ました。明らかに登りに尾根に付いた処とは異なっており、仏御前の滝が左方か右方かも分かりません。取り敢えず左(西)へ下ってゆくと、15分ほどで鉄塔に着きました。此処から下へ降りられれば、九頭竜川沿いの国道を歩いて滝駐車場へ戻れるかもしれません。ところが、この巡視路は高所にある鉄塔を繋いでいるばかりで、下へ降りる路が全くありません…
 もう一つ西の鉄塔へと進めばよかったのですが、滝の音も聞こえないので仏御前の滝はもっと東であろう、と勘違い。巡視路を戻ってだいぶ登り、一つ東の鉄塔に14時10分着。この東が滝上の沢であろう、と東へ巡視路を下ってゆくと、沢などなく、10分ほどで次の鉄塔に着きました。北麓から車の音が聞こえます。滝からかなり東へ来てしまったことに気づき、巡視路を登りなおすのも大変なので、北側山腹の藪を下りつつ西方向へトラバースすることにしました。
 藪を下ると、石積みの遺構がありました。獣道か古道か、山腹にはトラバースしやすい処がいくつかありました。が、いくつもの谷を渡るのは、けっこう大変です。谷といっても水はなく(のどがカラカラです)、石がゴロゴロしている急峻な谷。下には車の往来が見え、いっそ谷筋を下って早く車道に降りたい、と思いましたが、車道は九頭竜川の向こう岸。谷を下れば、九頭竜川に落ちることは必定です。最善の策は、仏御前の滝手前の琴洞橋のすぐ上に鉄塔があるので、トラバースしてこの鉄塔に出、鉄塔巡視路を下ることでしょう。回りくどいトラバース道はあまり好きでない私に、荒島権現は、トラバースせざるを得ない状況を与えたのでした。
 一時間ほどトラバースすると、また石囲いの遺構がありました。谷を渡り獣道を踏んで只々歩き、ようやく進行方向に鉄塔が見えてきました。15時45分、鉄塔着。眼下に仏原ダムが見えました。平清盛に寵愛された白拍子の仏御前は、このダムに沈んだ村の出身であったと伝えられているそうです。
 巡視路を下ると、仏御前の滝洞門の真上に出ました。洞門上より、仏御前の滝から流れてくる沢に入って洗面し、カラカラののどを癒しました。おいしいお水です。沢をもう少し登ろうか、とも思いましたが、滑りやすく、藪漕ぎに加えて岩登りやトラバースで腕も脚もかなり疲れていることに気づき、合掌礼拝して戻りました。
 洞門上から梯子を下って車道に降り、16時10分、駐車場着。荒島権現は今回もなかなか手厳しかったです。しかし、試練を通して、慢心を砕き、様々なことを実地に学ばせてくれる山こそ、かけがえのない師であります。
 帰りは下山の温泉に入り、白龍神社にて荒島権現と白山権現に感謝。安全運転で帰宅しました。が、試練はこれで終わりではありませんでした。
 右胸の脇近くに黒いモノが刺さっており、翌日よく見ると、小さな平べったい虫が、頭から肉に食い込んでいました!少し引く抜くと、脚がモゾモゾ動きました。ピンセットでも奥までは取れず…明日、外科に行きます。
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝