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白山越前禅定道登拝


 越前禅定道は、ここ数年、平泉寺や小原から登拝してきましたが、今回は都合により日帰りせざるを得ず、市ノ瀬よりの登拝。俗世の都合がどうであっても、私は白山の呼び声に順います。
 5月13日朝3時、満天の星空の下、白山越前馬場平泉寺に参拝。ヘッドランプを点けて森閑とした参道を通り、白山妙理大権現、越南知大権現、別山大権現のご宝前にて観音経、念仏、般若心経とご真言・ご宝号をお唱えしました。開山社と御手洗池にも参拝。その後、車で市ノ瀬へ。車を使っても、すでに平泉寺から登拝は始まっています。
 4時20分、ヘッドランプを点けて市ノ瀬を出発。森を登ってゆくと次第に空が明るくなってきました。六万山への登りは処々残雪があり、一時間弱で六万山に着くと、イワウチワやタムシバが咲いていました。指尾山へ向かう途中、岩の壁面にスミレが咲いていました。右手には別山を遥拝。



 5時40分、指尾着。大汝峰と御前峰を遥拝しながら般若心経をお唱えすると、御前峰の右に朝日が昇ってきました(冒頭写真)。指尾では思いがけぬ体験をさせて頂くことが多く、此処は白山越前禅定道の結界だと感じます。指尾からは残雪上に、私と反対方向に熊の足跡が続いていました。


尾根上は雪が溶けていますが山腹には残雪があり、岩を回り込む山道では雪を踏み抜く恐れがあります。ハクサンシャクナゲはまだ咲いていませんでした。お日様に向かって急斜面を登ってゆくと、背後に赤兎山、経ヶ岳、大長山。その左には荒島岳、能郷白山。慶松平の手前からは完全に雪に覆われていました。


現在の禅定道は慶松平の先で一旦尾根を外れ、別当坂分岐へと向かっていますが、アイゼンを付けて気持ちのよい雪の尾根を登ってゆきました。
 仙人窟から上のヤセ尾根は雪庇に覆われ、慎重に歩を進めました。雪庇から尾根上に突き出た岩上までジャンプしなければならない処もありました。8時15分、殿ヶ池着。避難小屋は解体され、土台のみが残っています。
 9時に弥陀ヶ原に出て山頂御前峰を遥拝。冷たい北風に、ジャンパーを着用。室堂に着くと、室堂センターも白山社も軒下まで雪に埋もれていました。



 10時、御前峰登頂。


奥宮にて般若心経を読誦し、別山、そして大汝峰と剣ヶ峰を遥拝。御嶽、乗鞍、北アルプスはうっすらと見えました。御宝庫から六地蔵を経て千蛇ヶ池へ。泰澄大師が雪の中に閉じ込めたという毒蛇たちは、当分出てくる心配はありません。


 11時前、大汝峰に登頂し、大汝社にて念仏をお唱えしました。白山会の小屋はまだ扉の前が雪に覆われていました。大汝峰から剣ヶ峰と御前峰を遥拝。雪上に翠ヶ池が姿を現していました。


山頂北の石囲いで冷たい北風を除けて一休み。その後、翠ヶ池へと下ってゆきました。
 真っ白な雪の中の、澄みきった心水。


翠ヶ池は、白山の心です。清らかな、執われのない心。泰澄大師は、此処で初めに九頭竜を、後に十一面観音菩薩を感得しました。而今、私の目前に現れた光景は、九頭竜も観音さまも消え去って、只、明静なる一円相でした…。
 翠ヶ池を一周し、岩をよじ登って剣ヶ峰へ。12時半すぎに登頂し、大汝峰と御前峰を遥拝しました。


石上に坐していると、イワヒバリが飛んできました。


転法輪谷はまだ雪に覆われています。剣ヶ峰からほぼ岐阜・石川県境に沿って鞍部に下り、御前峰へ。


岩やハイマツの出ている処は登りやすいですが、雪の斜面は一足ごとに足場を作って滑落せぬようによじ登りました。13時半、無事に御前峰着。観音経をお唱えして感謝し、下山しました。
 殿ヶ池から下ってゆくと、向かいの釈迦岳の南の谷筋で大きな音がして、雪と土石が上から下へと流れ落ちてゆきました。


ヤセ尾根上の雪庇も溶けかかってきており、一歩間違えば雪崩のように谷底へ落ちることになるでしょう…慎重に下ってゆきました。


 指尾山の手前で、カナヘビ君に出会いました。背中に黒褐色の斑点が並び、普段見かけるカナヘビとは少し変わった雰囲気です。しばし共にすごし、合掌して別れました。


17時前に指尾に着き、白山を遥拝。気温が上がり、虫が顔や耳にたかってきます。六万山を下ってゆくと、日が山の端に隠れました。岩かげを勢いよく流れる清水でのどを潤し、18時20分、無事に市ノ瀬に戻りました。帰りに白峰の白山本地堂にて白山三所権現のご真言・ご宝号をお唱えし、今回させて頂いた体験を感謝しました。
 願以此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝