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妙理山~七々頭ヶ岳巡拝


 残暑が厳しいですが、早朝の空気は秋めいてきました。
 7日朝5時前、八草トンネルをくぐって美濃から北近江へ。前日までの雨で杉野川は増水していました。県道284号線は通行止。285号線を使って余呉に入りました。高時川も増水しており、橋の欄干に座した猿が私の車を振り返っていました。
 6時前、妙理山麓の洞寿院に参拝。妙理山はその名の如く、白山妙理大権現、即ち白山信仰の山です。洞寿院は応永13年(1406)、道元禅師の八代目の法孫、如仲禅師開山の禅寺です。続いて、妙理川に架かる妙理橋をを渡って六所神社と東林寺に参拝。


東林寺は建保4年(1216)、比叡山の泰恒法師が聖観音菩薩の像を彫って建立したとのこと。泰恒法師も如仲禅師も、後ろに白山妙理の山を控えた此の地を称えて精舎を建てています。般若心経と白山妙理大権現ご宝号をお唱えし、お堂の裏の山道を登り始めました。
 少し荒れてはいるものの、踏み跡は明瞭です。初めは急登で汗まみれになりましたが、次第に尾根は緩やかになり、丈の低い笹の間の踏み跡を黙々と登ってゆきました。周囲は樹が茂って展望はありません。


登るにつれ、北風が涼しく感じられました。
 8時に妙理山登頂。


白山の方を向いて観音経と白山権現ご真言・ご宝号をお唱えしました。山頂から少し北側に下ると、東に横山岳が見えました。


横山岳の右には墓谷山。山頂でチョウやアブやハエと共に30分程坐し、投地礼して下山。来た道をしばらく戻って、七々頭ヶ岳へと連なる尾根を見究め(藪でハッキリ見えぬので、よく見当をつけて)降下。尾根には処々、踏み跡がありました。
 9時半、妙理山から七々頭ヶ岳へ連なる尾根の鞍部に着きました。妙理川の最上部に当たり、古の峠らしく感じられます。妙理川側には横山岳が望めました。


 処々藪化した踏み跡を登ってゆくと、10時頃、踏み跡は広くなって藪化した林道となりました。樹間には妙理山の姿。下ってきた尾根がよく見えます。


林道は草ボウボウの処もありますが、尾根の右に沿ってずっと続いていました。
 やがて藪も少なくなり、ピクニック気分で林道を歩いてゆくと、前方を猿の群れが横切りました。私の鈴の音やラジオの声に気付いたのでしょう。挨拶がてらホイッスルを吹き鳴らすと、猿と共に大きな猪が道を横切って隠れました。しばらく汽笛の如く笛を鳴らして歩いてゆきました。山にお邪魔する時は、通らせていただきますよ、と笛などで彼らにお知らせすることは大事なことだと思います。
 林道を下ってゆくと、墓谷山の背後に金糞岳が望め、山道をアサギマダラが舞っていました。


さらに下ると、11時前、草木に覆われた池が現われました。


けっこう広く、天吉寺山の奥の夜叉ヶ妹池くらいの広さはありそうです。水はぬるく、少し赤みがかっていました。水面に小さな泡が浮いては波紋を広げていましたが、水面には木々や雲がありのままに映っていました。鳥のさえずりや、蛙ののどかな声。此処は生きものたちの楽園です。私も彼らの一員となって、しばし水辺に坐らせていただきました。
 池からは道は再び上りとなり、尾根の右側をトラバースしていよいよ七々頭ヶ岳への登りに。林道に沿って尾根上にも踏み跡が現われ、11時40分、西林寺観音堂の裏から山頂に出ました。


西林寺にて観音経を読誦。お堂の前の倒木には大きなトカゲがいました。堂守をしているのでしょう。山頂から北西に2分程下ると、冷たい水が湧き出していました。瑠璃池です。


山頂直下から、こんなに冷たくおいしい水が湧いていることの有難さ。合掌して洗面し、のどを潤しました。
 下りは、観音堂の裏の道を林道へは下らず、北東へと下ってゆきました。やがて道は東へ急降下。40分程で菅並の集落に下りました。昔ながらの三角屋根の家々の間を、豊かな水が流れています。東林寺に参拝し、妙理山を遥拝しました(冒頭写真)。
 その後、車で観音の里・高月へ。赤後寺の、村人が川に沈めて兵火から守ったという千手観音菩薩と聖観音菩薩を拝ませていただき、尾山の白山神社・釈迦堂に参拝。そして渡岸寺の泰澄大師作と伝わる十一面観音さまと相見。そのお姿は、白山妙理大権現そのものでありました。観音さまの前面の十面は、私を慈しみと悲しみと励ましのまなざしで観ていました。後ろの一面は、私のあらゆる妄想を止め、捨て去っていました。私の欲、怒り、愚かさ、執着、すべてを笑殺していました。それは、明静なる大笑いでした。



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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝