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毘沙門岳~西山登拝

 9月13日未明、美濃馬場白山中宮長瀧寺に参拝し、尾根伝いの白山修験の行場「白山鳩居十宿」の起点、金剛童子堂にて金剛童子と一ノ宿本地・不動明王のご真言、二ノ宿本地・釈尊と白山権現のご宝号をお唱えしました。今回は二ノ宿より先の行場を巡拝する予定です。
 5時に桧峠に駐車し、薄明の中、一旦、大日ヶ岳登山道へ。10分弱で国境(くにさか)ノ宿に着きました。


石徹白はかつては越前国だったので、桧峠は国境の峠でした。国境ノ宿の本地は十一面観音菩薩。般若心経とご真言をお唱えしました。祠の前には大きな平石があり、初河山の尾根の藪中にあった似たような石を思い出しました。
 国境ノ宿から桧峠へ戻り、泰澄大師像に掌を合わせて毘沙門岳登山道へ。スキー場への車道ではなく、谷へ下って上り、6時前に登山道入口に着きました。山道には笹がせり出していて、朝露にズボンも袖も濡らしながら毘沙門岳を目指しました。


晴れてはいるもののガスが多く、大日ヶ岳がうっすらと見える程度。山道にはツルニンジンが咲いていました。


 7時前に毘沙門岳登頂。南西にはこれから向かう西山の姿。


此処からは藪です。眼鏡ストラップと手袋をはめ、南西の藪中へと下ってゆきました…。其処には背丈をはるかに越える頑強な笹が、隙間なくビッシリと生えていました。南西へ進もうにも、尾根を間違えたようで笹が南向きにかしいでいるため、思うように進めません。笹藪とツル藪を横切って西へ西へと進み、ようやく西山に繋がる尾根に出ました。尾根を下ってゆくと、やがて古の道の跡とおぼしき石が処々に現われました。毘沙門岳と西山の鞍部付近の藪や谷をしばらく徘徊。尾根の越前側に遺構がありました。


多和ノ宿跡でしょうか?般若心経と多和ノ宿本地・毘沙門天のご真言をお唱えしました。
 9時に宿を発ち、西山へ。毘沙門岳に劣らぬ凄まじい笹藪です。一歩毎に両腕で笹を押し分け、両足で笹を踏み分けて登ってゆきました。10時10分、西山登頂。


全く展望のない藪です。此処から南東へ尾根を下った先に三ノ宿があるはずですが、毘沙門岳までの笹藪を帰ることを考えると、此処から先に進む気にはなりません…。三ノ宿本地は阿弥陀如来。念仏をお唱えし、前日、長良川で見つかった、今月4日の豪雨で流された特別支援学校の生徒さんと、東日本大震災で犠牲になられた方々のご冥福を祈りました。
 西山から毘沙門岳を目指して笹藪を降下。毘沙門岳の後ろにうっすらと大日ヶ岳が拝めました。


11時20分に鞍部着。越前側に草の刈られた山道が下っており、疲れたのでこの道をしばらく下ってみることにしました。右手に谷が現われたので下ってゆくと、清水が流れ出しました。


洗面してのどを潤し、毘沙門岳への登りに備えました。
 谷筋を登って鞍部の尾根に戻り、正午前に多和ノ宿参拝。宿跡?から尾根を登り始めましたが、藪です。一つ左の尾根に移ると、来た時の古道のある尾根でした。


石段と思しき石はけっこう上まで続いていましたが、やがて完全なる笹藪に…。何千、何万と聳え立つ笹の一本一本を、己の煩悩と思いながら払ってゆきました。無秩序にはびこるように見える笹も、両手と両足を使って左右に分け、体が入る隙間を作ってから進めば無理なく通れます。闇雲に進みそうになる前に休憩しながら、北東へと登ってゆきました。


 13時すぎ、西側の藪から毘沙門岳山頂に出ました。南には、西山から三ノ宿、さらに二ノ宿へと続く山並。背後には滝波山、美濃平家岳、平家岳。長瀧寺金剛童子堂から多和ノ宿までの宿の諸尊のご真言をお唱えしました。黒や黄のアゲハチョウが数羽、舞っていました。


山頂から北へ下ると、三ノ峰と別山が姿を現わしていました。


別山頂には雲がかかっています。左側には石徹白の集落と、願教寺山から野伏ヶ岳の山並。右側には南白山、芦倉山から大日ヶ岳。別山を遥拝し、観音経を読誦しました。
 観音経に「或は悪人に逐はれて金剛山より堕落せんに、彼の観音力を念ずれば一毛も損すること能はじ。或は怨賊に繞まれ各々刀を執りて害を加うるに値はんに、彼の観音力を念ずれば悉く即ち慈心を起こさん。」とあります。今までは、悪人や怨賊の苦難を救わんとする観音さまの慈悲心の尊さ、と受け取っていましたが、読誦していて、悪人とは他人にあらず、自分のことではないか!と気付かされました。悪人たる私が、悪事をはたらく前に観音さまを念ずるなら、人を苦しめずに済むでしょう。怨賊とは私に他なりません。怨賊たる私が、観音さまの力で慈悲の心を起こす…。害意を興す、悪羅刹、毒龍、諸鬼、悪獣、雷、大雨、すべて私のことでした。他人事ではないのでありました。
 登山道を下ってゆくと、体に斑模様があるカナヘビと出会いました。


さらに下った処にも、体色は異なるものの斑模様のカナヘビがいました。きっと兄弟姉妹なのでしょう。15時に桧峠着。無雪期の西山~毘沙門岳は、手脚が傷だらけになっても登拝する値打ちのある、信仰の道でした。
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝