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美濃平家岳・平家岳~白山遥拝

 先週、蕪山から見た、美濃平家岳と滝波山の色づいた尾根。美濃平家岳と平家岳が縦走したくなりました。
 10月28日未明、板取に入ると気温は5℃~3℃。催してきたので、板取川温泉の公衆トイレへ。最近、仕事のある日は便が出ず、山に登る前後になると出ます。ストレスが多い不安な所では便も出なくなるものですが、してみると、私にとって日常生活はストレスが少なくなさそうです。山にも当然、様々な危難に遭遇する不安がありますが、それは毎日持続するストレスとは質が異なります。むしろ登拝の適度な緊張感・覚悟が、胃腸にも伝わるのでしょうか。
 川浦渓谷の林道に入り、新宮神社に参拝。


美濃平家岳への鉄塔巡視路入口へ向かいましたが、新深山トンネルより手前の駐車場で通行止になっていました。仕方なく下車し、6時すぎに川浦渓谷を見下ろしつつ歩き始めました。新深山トンネルはけっこう長く、真っ暗な中をヘッドランプを点けて前進。足音が洞内にこだまします。カーブしているので出口がなかなか見えません。ようやく出口が見え、6時半前に鉄塔巡視路入口に着きました。


 30分程急登して尾根に出ると、東から朝日が射してきました。


此処からは、鉄塔を延々15基以上経由しながら越前の平家岳まで続く、快適な尾根の縦走路です。山道は紅に、金色に染まっていました。


山行の楽しみは、山頂に立つことよりもその途上にあります。目的地だけを目指してまっしぐらにトンネルの中を突き進むリニア新幹線よりも、今はなき寝台特急に旅情を感じる方は少なくないはずです。山頂に立ちました、ということよりも大切なのは、その山行で、旅で何を感じたのか、山は、自然は何を教えてくれたのか、ということではないでしょうか。
 尾根を北へと登るにつれて秋は濃くなり、南西にドウの天井、西には能郷白山の姿。



8時半前、千五百m程のピーク上の鉄塔に着くと、美濃平家岳の頭越しに真っ白な白山の頂が、雲上に拝めました。


御前峰の左に大汝峰。この方角からだと、別山が御前峰の手前に拝めます。


白山三所権現、即ち十一面観音菩薩(御前峰)、阿弥陀如来(大汝峰)、聖観音菩薩(別山)に掌を合わせ、観音経と白山権現ご真言・ご宝号をお唱えしました。
 巡視路から美濃平家岳の藪を登って9時すぎ登頂。


山頂は樹が茂っていますが、樹に上って雲上の白山を遥拝。


樹を下りて藪の中に坐しました。樹々には青い葉、黄色い葉、赤色の葉、落ちた葉…。それぞれの葉の良さがあり、それぞれの葉の生滅があります。人間も同じです。大切なのはお互いを認め合うこと、目クソと鼻クソの喧嘩は、もうたくさんです。


 10時に美濃平家岳から西へ尾根を下ってゆくと、北に白山の姿。山頂は雲に隠れました。


鞍部から中部電力の巡視用小屋を経て、越前側からの尾根へ登って11時すぎに平家岳登頂。北には雲を被った白山、北西に荒島岳。


西には能郷白山と屏風山。


南西にはドウの天井、明神山。南に三尾山。雲がけっこうあります。一休みして下山しました。
 鞍部へ下り、再び美濃平家岳へと登ってゆくと、北東に鷲ヶ岳の山並。


北側には大日ヶ岳の手前に毘沙門岳から美濃・越前国境の山々、油坂峠北の熊ヶ岳の鉄塔も見えました。


美濃平家岳の山腹を通って尾根を南へ。13時半、往路で白山を遥拝した鉄塔に着き、白山に感謝をして道を下りました。左(東)には滝波山、南東に高賀山と蕪山。


正面(南)には三尾山と、これから下ってゆく錦の如き色合いの尾根が見渡せ、その中へと下ってゆきました。


 仏教でいう「衆生」とは、生きとし生けるもののことです。しかし、この青葉、黄葉、紅葉、落葉の中を歩いていると、衆生とは生きているだけではなく、生じ、滅するもの、生まれ、老い、病み、やがて滅するものであることが、ひしひしと感じられます。衆生に楽を与えようとする心、衆生の苦しみに深く共感して苦しみを抜こうとする心、衆生が楽を得たことを共に喜ぶ心、愛憎の想いを捨てて等しく観る心、この慈・悲・喜・捨の「四無量心」を、日常において些かなりとも実践してゆきたい…。青色、黄色、赤色、白色、それぞれがありのままに色づき、やがて土に還ってゆきます。
 林道まで無事に下り、15時半すぎに駐車場に着きました。駐車場のすぐ手前で山の斜面のコンクリートが崩れており、通行止の理由が分かりました。


駐車場にある公衆トイレは「バイオトイレ」。糞尿を微生物に分解させて、肥料としてリサイクルするそうです。飛騨の荘川桜近くの国道沿いにも似たようなトイレがあり、御母衣方面へ行く際は利用していますが、川浦谷の林道途中の此処には今まで気づきませんでした。通行止のおかげです。
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Haxanjunrei

松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝