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ドウの天井より白山遥拝


 2月23日早朝、根尾・上大須の明神大神に参拝し、上大須ダムへ。


ダム湖沿いの道は凍結していました。ダム湖左岸の広場に駐車。大白木山がよく見えます。6時45分出発、処々雪に覆われた道を北へ歩いてゆくと、ダム湖畔を鹿が四頭、駆けてゆきました。
 両白の山々を除くとこの周辺の最高峰であるドウの天井へは、川浦ダム管理用道路が通っています。が、野人たる私は、山の形に素直に尾根や谷を歩くのが好きなので、人間の都合で山を切り崩して造った、不自然で曲がりくねった道路歩きは苦手です。神土洞谷橋の架かる二又谷川沿いに、北の山腹に取り付きました。雪の固い急斜面、アイゼンを装着して上へ。7時半すぎに尾根上に出ましたが、尾根も急峻です。岩や雪の斜面を藪に掴まりながら東へ登ってゆきました。南西に大白木山が見え、北西には屏風山の白い頭が見えてきました。


 8時すぎに小ピークに着き、尾根は南に下っているようでしたが、下からは谷の音、どう見てもドウの天井まで繋がってはいません。よく見ると、東に一旦下ってさらに上ってゆく尾根がありました。ナイフの如く尖ったヤセ尾根を慎重に渡り、9時前に895m小ピーク着。


北に屏風山、東に明神山。



南には、これから登ってゆく尾根が見渡せました。


藪が多くアップダウンもある雪の尾根へ、眼鏡ストラップを着けていざ出発。一心に登ってゆくと、西に能郷白山や姥ヶ岳が姿を現わしました。


 10時半すぎ、雪に埋もれた道路に出ました。


北に、平家岳の左に真っ白な白山を遥拝。


此処からは大汝峰・御前峰・別山の白山三所権現が等間隔に拝めます。般若心経をお唱えしました。道路を横切ってさらに尾根へ。


雪がアイゼンの底にこびり付くので、アイゼンを脱ぎました。能郷白山から白山まで続く峰々を望みつつ、雪の尾根を只管登ってドウの天井を目指しました(冒頭写真)。



 正午に登頂。北東には美濃平家岳・滝波山の長い稜線の背後に乗鞍岳・御嶽山、南東には高賀三山や三尾山を遥拝。



南に日永岳・舟伏山、南西~北西に伊吹山、小津三山、能郷白山。山頂から少し北にくだると白山を拝むことができました。


日差しと冷たい風の中、北面して観音経、白山三所権現ご真言・ご宝号をお唱えしました。
 白山は次第に雲の中に隠れました。ドウの天井山頂の南側は北風が当たらず、日の温もりが感じられました。まもなく東日本大震災から三年(このブログも三年)…東北に向かって念仏をお唱えしました。まだ多くの方々が避難生活を余儀なくされている現実。自分に何ができるのか、何をしたらよいのか、改めて問い直し、見直し、行動してゆかねばなりません。
 四方の山々に掌を合わせ、13時に下山。尾根から、ガードレールよりも上に雪がてんこ盛りの道路に出ました。白山は雪のヴェールを纏いましたが、朝から雲を被っていた荒島岳が、屏風山の右にようやく姿を現わしました。


登ってきた時の尾根ではなく、道路をもう少し下り、反射板のある山の手前辺りから尾根を下ってみました。無事に下まで着けますように…。始めのうちは順調でしたが、やがて尾根は急になり、どちらに続いているのやら分からなくなりました。樹がなく急な岩場のある雪の谷を下るよりは、樹に掴まりながら足場を確保して藪を下る方が安全です。アイゼンを着け、急斜面を尾根を渡りながら下ってみましたが、すぐに行き詰まってしまいます。下には上大須ダムが見えています…。


以前、この山域の明神山の下りでも同じような経験をしたことがあり、イチかバチか谷を下って無事下山した時の状況が、ありありと思い返されました。能郷白山や屏風山が見守っていてくださいました。
 左手の谷を覗いてみると岩だらけの断崖でしたが、樹間に垣間見える右手の雪の谷は穏やかに感じられました。崖を下って15時半に右手の谷に降りると、やがて谷の岩や水が現われ、雪の中を緩やかに流れ下っていました。


ダム湖畔の道に出たのは16時。下ってきた谷は倉知谷川でした。山を見上げ、無事下山できたことを感謝しました。
 10分程で駐車場着。ダム湖畔の道を下ると、猿の群れが急な法面をよじ登ってゆきました。一生懸命上ってこちらを見ている子猿に、手を振って挨拶しました。子猿はさらに上へ、ピョコピョコ登ってゆきました。人も車も来ない真冬のドウの天井は、奥美濃の藪山の本来の姿を取り戻していました。
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝