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霊仙山登拝

 5月28日5時15分、河内の風穴の先、車両通行止の権現谷林道を歩き始めました。30分程歩くと、向かいの崖上から落石がゴロゴロと落ちてくる涸れ谷の奥に「元行者窟」がありました。


ヘッドランプを点けて奥へよじ登ると、人が独り入れるくらいの窟に役行者と不動明王が祀られていました。霊仙(りょうぜん)山は役行者が開き、泰澄大師が山頂の霊山寺に盧舎那仏を祀ったと伝えられています。不動明王は大日如来、即ち盧舎那仏の化身。般若心経と大日如来・不動明王・役行者ご真言をお唱えし、窟内にて正身端坐しました。


 30分程して窟を降り、白い石灰岩の河床を歩いてゆきました。元行者窟から北東へ登る谷もありますが、往路は権現谷林道沿いに南へ遡上。少し歩くと、鹿の死骸に出くわしました。


崖から滑落したのでしょうか…念仏をお唱えしました。谷に水はないものの堰がいくつもあり、河岸をよじ登って林道歩き。元行者窟から30分程で白谷出合着、白谷沿いの林道を上ってゆきました。
 白谷は水が豊富、水面を朝日が照らしていました。


が…ヒルも豊富でした。足元の草の中にはヒルがニョキニョキ、右手の指の間に一匹、へばりついていました。山に入らせていただくのですから、これくらいの施しは厭いません。白谷林道をずっと北上、8時に林道に別れを告げ、谷沿いにさらに北上。堰の間の尾根に取り付いて登ってゆくと、鹿が走り去り、左手に霊仙山頂が見えてきました。


8時半前に谷山の三角点着。中霊仙・南霊仙・北霊仙の三山を遥拝しつつ西へ縦走を始めました。


鞍部への下りに、また鹿が駈けてゆきました。山頂部へ登ってゆくと、北に伊吹山、その右に能郷白山、そしてうっすらと白い山かげの白山を遥拝。


避難小屋周辺にビール瓶だか酒瓶だかが、いくつも転がっているのは残念でした。霊仙にはゴミが少ない、というのは昔のことでしょうか…。
 北霊仙(経ヶ塚)へ登ってゆくと、上空を大きな鳥が二羽、悠々と舞っていました。


イヌワシです。経ヶ塚にはかつて霊山寺があり、白山を開山された泰澄大師が盧舎那仏を祀ったのですが、イヌワシの飛翔に、お釈迦さまが法華経などの説法をされたという「霊鷲山(りょうじゅせん)」を思わずにおれませんでした。9時登頂。伊吹山と白山を遥拝しつつ坐し、勤行。


「阿僧祇劫に於いて、常に霊鷲山、及び餘の諸の住處に在り…」私たち衆生の為に、常に法を説いておられるお釈迦さま。坐していると、眼下を鹿が数頭、北の谷へと駈け下ってゆきました。お釈迦さまが覚りを開いた後、初めて「四諦八正道」の説法をされたのは「鹿野苑(ろくやおん)」。鷲が舞い、鹿が駈け、そして死するこの山は、まさに「霊山」です。山頂にはアブやハエは少く、「ジョウカイボン」がたくさん飛んでいました。


 40分程して坐を立ち、三宝に帰依して投地礼。三角点のある南霊仙に登ると、琵琶湖の彼方に比良・比叡の山並がうっすらと拝めました。


白山、伊吹山、比叡山ご宝号をお唱えしました。10時に最高点(中霊仙)登頂。


最高点からは鈴鹿の山並を見つつ、岩だらけの尾根を南西へ。


右の山腹を鹿が駈け去り、左の山腹からはイヌワシが数羽、優雅に舞い上がりました。


霊仙三山に投地礼をし、尾根を下ってゆきました。


 11時15分、笹峠付近から左手に折り返すように下る踏み跡へ。道が不明瞭なので、南側へと谷筋を下って右手の尾根に上ると、猿がいました。尾根は東に下っており、急峻な南側の谷の底が「行者の谷」のようです。尾根を下ってゆくと、南に下る谷が現われました。谷をしばらく下りましたがかなり急で、足元からゴロゴロと白い石が転げ落ちてゆきます。斯様に急な谷でも、鹿は平気で横切っていました。谷から尾根に付いて降下、笹峠から30分程で行者の谷に着陸しました。


まっ白な石灰岩の涸れ谷には、ヒルもいません。


行者の谷を下ってゆき、正午に元行者窟前の林道に出ました。元行者窟に掌を合わせ、権現谷沿いの林道を40分歩いて権現谷出合へ。下山後、河内の風穴の内に坐して涼んできました。


 盧舎那仏、阿弥陀仏、観音さま…無量の仏菩薩がおられることは、私たち衆生にとって有難いことと申せます。が、これらすべての諸仏菩薩のモデルは、この世に実在したお釈迦さまと、その教えに他なりません。三千の仏も根本は一仏、自然の示す真実は、釈尊の説法に異ならぬのでありました。
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝