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白山美濃禅定道中居神社~別山登拝・下

 御舎利山の上は静か。鳥の声と風の音、時々聞こえる、落雪・落石の響き。別山に戻って正身端坐しました。


16時半に投地礼をして下山しようとすると、一瞬、雲が晴れて御前峰の山腹がお姿を現わしました。


お山は再び、霧に隠れました。来た道を戻って別山平から下ってゆくと、雲間に差した日が流れる霧に映り、私の影の周りにうっすらとブロッケン現象が見られました。


別山で以前拝んだ時ほど明瞭ではありませんでしたが、如何なる人にも具わっている仏性を、其処に拝みました。
 三ノ峰へ下ってゆくと、別山が頂きを現わし始めました。


そして18時すぎに三ノ峰に戻ると、霧の中より夕焼けの白山三所権現が示現しました。


別山の北に白山頂・御前峰、その北に大汝峰。


早朝から登り始めて、日没前にようやく拝めた白山三所権現。白山権現の思し召しに感謝し、観音経と白山三所権現ご真言・ご宝号をお唱えしました。西には大長山の右奥(大日山辺りでしょうか)に夕日が輝き、海を赤く照らしていました。


 18時半に下山し、避難小屋で寝袋にくるまりました。小屋にはつるが山岳会寄贈の毛布があり、有難いことです。夜は北西側の窓から三日月の薄明かりが差し、星も見えました。夜半には風が強まり、北西の窓に霰が叩きつけていました。霧が霰になったのでしょう。室内はさほど寒くはなく、靴も凍りませんでした。
 翌23日、5時15分に三ノ峰に登ると、南白山の後ろから朝日が昇ってきました。


北には朝焼けの白山三所権現。


南東には丸山・芦倉山・大日ヶ岳、さらに鷲ヶ岳の山並。


雪は引き締まっており、北西風が冷たいです。越前側は、南に流れる雲の海に浮かぶ能郷白山・荒島岳・銀杏峰・経ヶ岳。南側に遠く、伊吹山や高賀山の山かげも望めました。6時に下山。アイゼンを着けて三ノ峰を下り、二ノ峰・一ノ峰と下ってアイゼンを外し、8時に銚子ヶ峰着。別山を正面に坐しました。右下に広がる尾上郷から別山谷の響きが聞こえ、のどかな山上ではウグイスが題目を唱えていました。
 30分程して坐を立ち、母御石より別山を遥拝。


大杉に下り、大杉のすぐ下を流れる熊清水で喉を潤しました。



泰澄大師に熊が教えたという水場です。大杉に向かって般若心経を読誦し、今清水社から尾根を縦走して10時半に倉谷に着陸しました。丁度、林道から石徹白川に雪を吹き飛ばす除雪車と二台のショベルカーが作業中。ゴールデンウィークまでには間に合うでしょう。
 11時前に初河谷に着き、眼鏡ストラップと手袋を着用して藪漕ぎ準備。美女下平に登る為ですが、往路に下った1017mピークへの尾根ではなく、古の白山美濃禅定道の尾根を登ってみることにしました。堰のある辺りから南東に上る尾根がソレなのですが、下部の不明瞭な尾根です。堰の辺りから石垣をよじ登り、樹に掴まり急斜面を上ると尾根がありました。が、北東に上っています。右下の谷を渡って対岸によじ登ると、南東に上る尾根に出ました。残雪もありますが、細い尾根には踏み跡が続いていました。古の白山登拝者の足跡を感じながら登ってゆくと、西に傾いた岩がありました。「犬石」です。泰澄大師の母が母御石まで登った際、侍女には美女下平で待っているよう言いつけたのですが、侍女は悲しみのあまり石になってしまったとのこと。昔は女性は美女下社までしか登拝を許されていませんでした。犬石の前で念仏をお唱えしました。石の表面をよく見ると、蛹のようなものがたくさん付いていました。其処から、黄色い顔に縦長の目をした毛虫クンが出てきていました…マイマイガ君のようです。再び、念仏をお唱えしました。
 尾根の上は次第に笹藪となり、尾根の脇の残雪を登ってゆきました。最後は藪を漕ぎ、11時半すぎに雪に覆われた美女下平に出ました。北に母御石山を遥拝。すぐ南を緩やかな斜面が北西に下っており、古の美濃禅定道はそちらのようです。下ってみるとすぐに先程の尾根につながり、雪の下には踏み跡もあるよう。美女下平に戻って古の禅定道を南下、斧石、浄安杉を経て12時45分に中居神社着。大宮殿にて虚空蔵菩薩ご真言をお唱えしました。
 帰路、桧峠の泰澄大師像に参拝。冬の間は除雪された雪の壁に埋もれ、見えませんでした。大師像の前には、雪の重みでグニャグニャになった看板のフレーム。この地の先徳である泰澄大師の像のまん前に、何故看板など立てるのか理解に苦しみます。桧峠から長滝に下り、白山中宮長瀧寺に参拝して今回の登拝を終えました。
 白山権現は、別山権現は、登拝する毎に新たな体験を与えてくださいます。
南無大慈大悲観世音菩薩
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝