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オサンババ~烏帽子岳縦走

 5月1日朝、郡上白鳥で参禅後、めいほう高原へ。山中峠へと上る水馬洞林道は通行止。めいほう高原に車を停め、スキー場東の明るく静かな山道を9時15分に登り始めました。20分程で水馬洞林道に出、未舗装の(というより、舗装が剥げて土砂化している)道を北西へと上ってゆきました。路肩が崩壊している箇所がありましたが、やがて舗装道が続き、左手にスキー場を見つつ上へ。


林道は雪の融けたスキー場内を横切って上り、東にはうっすらと御嶽山の姿。登り始めて一時間程で山中峠のお地蔵さまに参拝しました。


峠から先は飛騨。未舗装のダートがさらに上へ続いています。道の両側は残雪に覆われ、土砂崩れで林道が塞がっている処を越えると、残雪の中にミズバショウ群生地が現われました。ミズバショウはまだ咲き始めたところです。


 めがねストラップを装着し、群生地の西の尾根へ突入。残雪から入って藪を漕ぐと、すぐにスキー場の縁に出ました。標高千五百mを越える尾根上はまだ雪に覆われています。


スキー場最上部の上空を、猛禽類が舞っていました。


ワシでしょうかタカでしょうか。11時半にリフト最上部着、北西にオサンババ(山中山)、その右奥に白山を遥拝しました。


御前峰と剣ヶ峰を中心に、左手に別山、右手に三方崩山。1584m三角点に登って庄川源流部の尾根の雪を下ってゆくと、南西に烏帽子岳と鷲ヶ岳が拝め、北西にはオサンババが見上げられました。



 オサンババ(山中山)の尾根にもまだ残雪が多く、正午すぎに登頂できました。


北西に白山の美しいお姿。


中央に御前峰(本地十一面観音菩薩)と剣ヶ峰。大汝峰(本地阿弥陀如来)の山肌も見えます。左側には別山(本地聖観音菩薩)と三ノ峰。此処から見ると、三ノ峰・二ノ峰・一ノ峰が階段状の一つの山に見えます。さらに左には大日ヶ岳。


飛騨の古地図には別山が「四海浪岳」あるいは「四海波岳」と書かれており、四海浪岳と大日岳の間には「高砂岳」という山が描かれているのですが、「高砂岳」が階段状の三ノ峰・二ノ峰・一ノ峰のことだとすると、合点がいきます。右側は奥三方岳と三方崩山、御母衣湖、さらに猿ヶ馬場山や御前岳。


白山に向かって観音経と念仏をお唱えし、釈尊生誕の地・ネパールで起きた大地震による犠牲者のご冥福と、ネパールの方々の息災、国土の復興をお祈りしました。白山二ノ峰の水呑権現の本地仏は釈迦如来であり、明治の神仏分離まではお釈迦さまの誕生仏が祀られていました。


 白山を前に、雪上に出ている樹の枝の上に正身端坐。法華経には「衆生、劫尽きて 大火に焼かるると見る時も 我が此の土は安穏にして 天人、常に充満せり」とあります。仏さまの浄土は、常寂光土はいったい何処にあるのでしょう?大地震で氷河が崩れるエベレストが浄土でしょうか。白山も今までに噴火を繰り返し、天正13年(1586)には大地震もありました。山は地獄のようになることもあります。山が、海が、何処かが浄土なのではなく、坐禅しているこの場が、念仏しているこの時が浄土への入口であるよう、行じてゆきたいものです。
 13時に坐を立ち、南へと縦走。雲が出てきました。南側には一色川の源流を取りまく烏帽子岳と鷲ヶ岳。


東には、めいほうスキー場最上部の向こうに御嶽山。


南への下りは雪が融け、背丈を越す物干し竿のような笹ヤブ。


鞍部に下ると、南への上りは登りやすい残雪。オサンババから烏帽子岳までの尾根には三つのピークがあり、ヤブ地獄を下っては残雪を登っての繰り返しでした。


1553m三角点からの下りは足の踏み場もない笹のジャングル。笹は冬の雪の重みで下に傾いており、足元の笹の上に乗って全力でヤブを漕ぎました。もしも上り坂にヤブが出ていたら、はるかにキツい行となっていたことでしょう。
 14時45分、烏帽子岳登頂。


泰澄大師が白山を開く前に開踏祈願をし、不動明王を感得したと伝わる処。また、入寂の前年に、かつて元正天皇から授かった宝剣を祀って「諸願成就の宮」を建立したと伝わる処です。


慈救咒をお唱えしてネパールの復興を祈願しました。鷲ヶ岳・白山方面は樹が茂ってよく見えず、北にオサンババから歩いてきた尾根を見渡せました。


静かな山頂でしばし坐禅。諸願成就の宮は今はなく、烏帽子岳の白山妙理大権現は治承2年(1178)に南麓・気良の「巣河の宮」に遷座、宝剣は二間手の「鳥居宮」を経て郡上八幡の岸剣神社に遷ったとのことです(明宝村史)。下山した仏像や宝物はもちろん大切ですが、物が下山しても、此処が泰澄大師が不動明王を感得した、と伝わる霊跡・聖地であることに何ら変わりはありません。明治の神仏分離の際の下山仏についても、同じことが言えるでしょう。
 15時半に下山。烏帽子岳から南への山道はほぼ現れており、東の尾根に下って残雪に覆われた林道へ。谷を渡りつつ林道を下ってゆきました。落石だらけの林道の眼下には美しい渓谷。


めいほう高原に下ったのは17時でした。
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝