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白山美濃禅定道古道~別山登拝・下

 17時半、別山登頂。


南東からの、凍てつく凄まじい風。別山社は屋根まで雪に埋もれ、境内の石塀も雪の下、風を避ける術がありませんでした。


北西側の斜面に下ってかろうじて風を避け、白山に向かって観音経と白山三所権現ご真言・ご宝号、泰澄大師ご宝号をお唱えし、世界の平和と被災地の復興成就を祈願しました。
 18時に下山。



眼下に見下ろす美濃禅定道の山々は三ノ峰まで雲に纏われ、此処は雲の上です。


やがて一気に日が暮れ、闇と霧の中をヘッドライトを点けて自分の足跡を辿り、19時に三ノ峰避難小屋に戻りました。


電気も水もない山小屋で独り面壁打坐することの、喜び。
  世の中に交じらぬとにはあらねども独り遊びか我は楽しも(良寛)
 翌2日は4時半起床、風は止み、窓からは加賀の夜景が見えました。5時半に三ノ峰に登ると、今日も白山三所権現がお姿を現わしていました。やがて、乗鞍岳の左から朝日が昇ってきました。


十一面観音菩薩(御前峰)・聖観音菩薩(別山)・阿弥陀如来(大汝峰)の白山三所権現に向かって観音経を読誦。


西側、越前の赤兎山・大長山・経ヶ岳の雪が朝日に染まっていました。


 6時に下山。避難小屋から下ると、二ノ峰・一ノ峰・銚子ヶ峰へと続く美濃禅定道の尾根が見下ろせ、その左奥には丸山・芦倉山・大日ヶ岳へと続く白山鳩居行者の尾根。その間を丸山から初河山へと下る、先月歩いた尾根。


泰澄大師は、どの尾根も歩いたことでしょう。二ノ峰より別山を遥拝。


南西には、願教寺山から野伏ヶ岳への山並の背後に荒島岳・能郷白山・銀杏峯。


8時前に銚子ヶ峰に着き、別山から歩いてきた尾根を振り返りました。


南東には神鳩避難小屋、丸山・芦倉山・初河山、さらに大日ヶ岳を一望。


神鳩へと下り、おたけり坂から大杉へと下ってゆきました。
 9時半に大杉着。


今清水社に参拝し、大杉の下の熊清水で顔を洗い喉を潤しました。熊が泰澄大師に教えてくれた、と伝わる水場です。大杉に掌を合わせて眼鏡ストラップを装着。熊清水から谷をそのまま下ってゆきました。下ってゆくと、右手に馬蹄形の崩壊地が現われます。


崖に沿ってグルリと回り、藪を下って倉谷へと降下。


この崖は、昭和36年(1961)の北美濃地震で崩壊したのでしょうか。
 倉谷右岸の林道を下ってゆき、堰を渡って左岸へ。左岸から山腹の藪を登ってゆき、南へと続くなだらかな尾根を登って下ると、11時に鍋倉平に出ました。


北の樹間に三ノ峰と銚子ヶ峰を拝み、鍋倉谷を渡って南へ登ると、急峻な尾根の上から眼下に石徹白川が見下ろせ、その先には美女下平から中居神社への尾根、さらに毘沙門岳が望めました。


此処が「念仏坂」でしょう。念仏と毘沙門天ご真言をお唱えし、尾根を南へと下ってゆきました。
 初めのうちは藪は大したことはありませんでしたが、次第に勾配が増し、藪もはびこってきました。急峻な沢に挟まれたヤセ尾根からは下に石徹白川、吉沢平が見え、その先には八丁坂、美女下平。


笹・灌木・ツル藪の急斜面を下り、正午前に林道に着陸しました。林道から石徹白川に下り、振り返って念仏坂を見上げました。


この坂を登るのは、おたけり坂よりもキツそうです。石徹白川沿いに沢をいくつか渡りつつ進み、初河谷の丸木橋(倒木?)を渡って八丁坂へと登ってゆきました。


 念仏坂に比べれば緩やかな八丁坂ですが、さすがに脚が疲れ、一休み。ふと見上げると、樹の幹に穴が開いていました。


どなたか住んでおられるようです。白山に育まれているすべての生きものたちの、息災延命を祈りました。犬石を経て13時前に美女下平着。白山権現に掌を合わせ、処々藪の出た古道を中居神社へと下ってゆきました。浄安杉から藪を下り、14時に大宮殿へと降下。


虚空蔵菩薩ご真言、白山権現および泰澄大師ご宝号をお唱えし、古の白山美濃禅定道を無事に歩かせていただけたことを感謝しました。
 かつて多くの方々が歩んだはずの、この古の信仰の道。泰澄大師が白山を開山されてから来年で千三百年となりますが、「開山」とは、観光の山として開発されたワケではなく、信仰の山として開かれたことを意味します。白山自体は、ずっと昔からありました。古代の日本人も、白山を拝んでいたことでしょう。泰澄大師は、白山の本地仏として十一面観音菩薩(御前峰)・聖観音菩薩(別山)・阿弥陀如来(大汝峰)の三尊を祀り、白山を神仏両道・神仏共生の山として、白山三所権現として開かれたのでした。泰澄大師が「神融法師」とも呼ばれる由縁です。白山に本地仏が祀られてから、千三百年。白山の本地仏が下山させられてから、およそ百五十年。これからも日々、白山にみ仏とその教えを拝み、年々、登拝してお導きいただき、泰澄大師の開かれた「道」を、些かなりとも歩んでまいりたいものです。
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝