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マダニ

 6月1日に長瀧寺・敬愚上人が焼身供養を行った山に登ったことは、先に記しましたが、帰宅後、尻に出来物のようなものがあり、小さなカサブタがありました。もしや…と思い、その「カサブタ」をはがしてみると、それはマダニでした。


この日は鉄塔巡視路だけでなく、向山方面への藪の尾根も歩いたので、その時にかじりついてきたのでしょう。
 数年前、マダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)が話題になる少し前のことでしたが、荒島岳に仏御前の滝から登った際にマダニに喰いつかれました。右胸の上にトゲのようなものが刺さっており、よく見ると、「トゲ」に脚が生えて動いていました。びっくり仰天してピンセットで抜こうとしましたが、ソレは頭から私の体内に入り込んでおり、引っこ抜くと、頭部だけが体内に残ってしまいました。外科で切開して頭部を取り出しました。
 今回は尻をかじられ、目では確認できませんでしたが、荒島岳の経験から、もしや…と感づいたのでした。しかし、今回のマダニとのご縁は、これで終わりではありませんでした。
 6月12日に洲原神社から鶴形山に登り、高山へと尾根を縦走しました。二名の方をご案内したのですが、14日朝になって、右足にかゆみがあり、小さなカサブタがついていました。よく見ると、カサブタには手脚が生えていました。マダニです。引っ掻いてむしり取りました。


さらに、夜になって気になり、ふと自分の尻を触ると、肛門の上が腫れているではありませんか。ヤバイ…。自分の目では見えず、手で確認していると、プチッと固い感触があり、床にマダニが落ちました。尻から落ちたマダニは、歩き回り始めました。


人間には害があるとはいえ、見ていると、彼(彼女)は小さいながらも立派な生きものです。彼は、自分の業に従って、生きる為の営みをしているにすぎません。しばらく私の体の一部であった彼を殺すにしのびず、念仏をお唱えして小さなビンに入れました。
 半月で三匹のマダニに喰いつかれたわけですが、今年の奥美濃の藪は、マダニが多いのかもしれません。あるいは、自分の軽装備がいけなかったのかもしれません(1日は普段着のままでした)。藪では、暑くてもなるべくズボン下を着用すべきです。藪から脚を保護するとともに、靴下とズボン下で下半身をピッタリ覆うことで、ヒルやマダニの害を防げるからです。
 今年は早くもクマの被害が相次ぎ、秋田では人喰いグマも現われました。火山でもクマでも、危険のある山域に対して「自分だけは大丈夫だろう」などと慢心せず、山への、自然への畏敬の心を、忘れないようにしたいものです。自然は恵みをもたらすばかりではなく、非情なものでもあります。先日、アフガニスタンの沙漠に用水路建設を続けておられる中村哲医師の講演を聞きましたが、中村医師は政治的なことよりも、地球規模で進行中の気候変動、そして、人間と自然がいかに折り合っていくか、ということを強調されていました。
 私に喰いついてきたマダニたちも、人間と自然との折り合い、ということを、身をもって考えさせます。人間と自然との共生の為には、智慧も慈悲も必要ですし、人間側からの視点だけでなく、山からの視点も必要でしょう。下界から見る左右と山から見る左右とは、逆なのです。
 私の体の一部となって下界に降りてきたマダニに、掌を合わせました。
願わくは諸の衆生と共に 安楽国に往生せん
願わくは諸の衆生と共に 弥陀尊に値遇せん


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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝