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越後放浪/能生白山神社~権現岳

 翌10月13日早朝、小雨の中、糸魚川市の能生白山神社に参拝。


白山加賀馬場の「白山之記」に、白山九所小神の一つとして「ノウノ白山」と記されている古社で、元正天皇の代(715~724)に泰澄大師が錫を留められたと伝わるそうです。柿葺(こけらぶき)の本殿にて般若心経と白山三所権現ご真言・ご宝号をお唱えしました。神社から海岸を歩き、南へ。


能生駅前を通って能生川に出、上流へと歩を進めました。7時、白山大橋の上から神道山(しんどうさん)を遥拝。彼方には、不動山。


能生白山神社の奥社であった権現岳を目指し、能生川左岸の草地を遡ってゆきました。
 北陸新幹線の高架をくぐり、大沢橋より鉾ヶ岳を遥拝。


橋のたもとには、九頭龍大神が祀られていました。大沢から車道をさらに能生川上流へと歩いてゆき、8時に長生橋の辺りを通過。雨は止んできました。道路脇に、巨大な馬防柵のようなものがあちこちに立っています。


稲架(はさ)です。また、民家の玄関先には、三角屋根の破風がついた、けっこう奥ゆきのある外囲いが見られます。同じ豪雪地帯でも、白山麓とはまた違う、能生谷の景観。8時半に溝尾の地蔵堂に参拝、須川橋を渡ると、ようやく権現岳がお姿を現わしました。


 9時すぎに柵口(ませぐち)着。


権現岳の異容を見上げ、白山権現ご宝号をお唱えしました。林道を登ってゆくと、権現岳と白滝が拝めました。


9時半すぎに登山口着。目前に聳え立つ権現岳。


登ってゆくと、白滝の彼方に日本海が見えてきました。


やがて、山道は二本足では登れぬ急斜面の連続に。


わらじ脱ぎ場を経て一心によじ登ってゆくと、北東に米山がお姿を現わしました。


米山(よねやま)は和銅5年(712)に泰澄大師が開いたと伝わる山で、越前の越知山や加賀の医王山と同様、泰澄大師の弟子の沙弥が、日本海を行く船に山から鉢を飛ばして米を乞い、船頭が断ると、米俵が山へと連なって飛んでいった、という伝承のある山です。
 10時半すぎ、白山本地・十一面観音さまを念じつつ、胎内洞をくぐりました。さらに急登しつつ、色づいた樹々や金冠山に掌を合わせました。


はさみ岩を通って11時に白山権現(白山奥社)着。


背景に日本海を望みながら、白山権現ご宝前にて観音経を読誦。白山有縁の一切衆生の超生死海・到涅槃岸と、白山仏法興隆を祈願しました。ヤセ尾根上の滑りやすい石上で白山権現に投地礼をし、山頂へと登ってゆきました。
 11時20分、権現岳登頂。西に鉾ヶ岳とトッケ峰。


南には、雲間に焼山・火打山、容雅山・不動山を遥拝。


そして北東に米山、その左奥には、前日登った弥彦山・雨乞山・国上山。


泰澄大師ゆかりの山々が、日本海に沿って北東へと続いているのを実感しました。昨日、国上寺で拝んだ泰澄大士と浄定行者・臥行者。「泰澄和尚伝記」によれば、臥行者(小沙弥)は能登の出身、浄定行者は出羽の船頭で、臥行者の飛鉢への施しを断ると米俵が山へ飛び去ってしまったので、泰澄大師と臥行者の処へ行き、発心して弟子となった方です。泰澄大師(神融法師)の出身地は、「泰澄和尚伝記」「元亨釈書」等には越前国麻生津、「本朝神仙伝」には加賀、「大日本国法華経験記」「今昔物語集」「続古事談」には越後国古志郡とあります。どれが正しいなどという戯論は、信仰の上では無意味でありましょう。越前の泰澄大師、加賀の泰澄大師、越後の泰澄大師、美濃の泰澄大師、飛騨の泰澄大師、肥前の泰澄大師がいても、何もおかしくはありません。肥前・平戸の安満岳に伝わる「安満嶽縁起」には、泰澄大師は阿弥陀如来の応化、行基菩薩は文殊菩薩の化身、白山妙理菩薩は十一面観音菩薩の自在の変相であり、法身は無相にして、相手に応じたお姿を現わすのであるから、「凡夫の肉眼の見る所を以て、仏菩薩・神明の躰を現わす年月の前後・同時を疑う事なかれ」と説かれています。各地に伝わる泰澄大師伝承は、泰澄大師が各地の人々を救う為に現わされた無数の化身であり、無数の波の一つ一つに煌めく、一つの陽光なのです。


(白山頂翠ヶ池、2014年10月登拝時)
 山頂にて宝篋印陀羅尼を誦し、11時半すぎに下山。一時間で登山口に降りると、霧の下に出ました。


林道を柵口へ下ってゆく途中、出会った農家の方に「お疲れさま。ズックで大変だったでしょ。」と声をかけられました。放浪中は、重い登山靴ではなく、ハイカットのズックを履いております。13時に柵口の五社神社に参拝し、無事に登拝させていただいたことを感謝しました。


13時半・須川橋、14時前・長生橋、14時半に新幹線高架をくぐって、能生川の土手の草地をずぅっと下ってゆきました。


海辺の能生白山神社と険しい山上の行場・白山奥社をつなぐ能生谷は、長閑で、気持ちのよい景観の地だなぁと感じました。権現岳山頂から三時間半ほどで能生駅に下り、一時間に一本の電車に間にあって、高速バス停のある春日山へと向かいました。

南無白山妙理大権現
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松樸裏

Author:松樸裏
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、万物の母たる大自然との一対一の対話
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝