fc2ブログ

記事一覧

雪山籠り~年末

残りわずかだ令和四年も 半月ぶりに来た山の庵(いお)五・六十センチの雪かいて ようやく入った庵(いおり)の中へ室内零℃だ気持ちよい 時折ドドーッと落ちる屋根の雪シンクが凍って詰まっていたが お湯注ぐとやがて開通した翌朝愛用のかんじき履いて まっさらな雪踏み庵の裏へ雪上横切るウサギの足跡 新たにできる野人の足跡誰の足跡も付いてない 未踏の雪踏むことの喜び野人の足跡もすぐ消え去るがよい 真似したくないし真...

続きを読む

紅葉ヶ滝雪化粧

奥美濃は雪が遅かった分 この数日でどっさり降ったよう天候少し和らいだので 令和四年十二月廿日夕ねぐら這い出て寺尾ヶ原へ 長靴で鉄塔巡視路登るうっすら積もった雪の道の 脇には氷柱がぶら下がっている南には岐阜市東部の彼方に 名古屋の高層ビル望む行く手には雪を斑に被った 汾陽寺山が見下ろしている三十分弱で鉄塔に出て 拝んだ雪化粧の高賀山高賀の山並と美山の峰々の 間には今日も見えない白山昨日白山美濃馬場 ...

続きを読む

猪臥山より白山遥拝

飛騨の猪臥山(いぶしやま)に登るのは 九年前(2013)の三月以来十二月十二日朝七時半に 歩き始めた彦谷西の登山口思っていたより雪が少なく 持ってきた長靴は出番なし山道の霜を踏みながら 新しい登山靴の試し履き靴が足に馴染むまでには 泥や汗にまみれる必要がある藪・沢・残雪歩く野人の靴 五年も使えばボロボロになる北にうっすら雪を被った 猪臥山の頂を望む西の空には十八夜の 月が白く掛かっているやがて東の山の端よ...

続きを読む

六厩の夫婦杉と三本松

霜月に入り今日で八日(ようか) 六厩(むまい、むまや)の朝は底冷えする寒さ千鳥格子の御堂に参って 登っていった杉尾山へ新軽岡峠への道 上れば朝日の温もり山の端より途中の谷からダートへ足進め 三十分ほどで出た尾根へ尾根越え西側へと下り 拝む六厩の夫婦杉(めおとすぎ)急斜面に立つ二本の杉の 幹が途中でつながっているしっかりと伝承によれば越前石徹白(いとしろ)・ 郡上長滝・六厩の杉尾三所に熊野権現が 杉の種をま...

続きを読む

鳩居峯中五宿巡拝~秋 2

(承前)正午前に西山登頂 藪中で見上げるミズナラの樹を毘沙門岳との鞍部へと 下ってゆく厳しい藪の尾根を藪中から望む白い北アルプス 白山はまだ雪がない今年はおかしい気づかず谷へと下ってしまいそうな正にその場所に 四年前(2018)の台風で根こそぎ倒れた樹南無白山妙理大権現 神風というものはあるものだ十三時前に多和ノ宿跡着 宿跡は完全に藪に戻った草の中で拝む本地毘沙門天王 場所も分からなくなるだろうこのままで...

続きを読む

鳩居峯中五宿巡拝~秋 1

令和四年(2022)十一月二日 白山美濃馬場長瀧寺(ちょうりゅうじ)から尾根伝いの古の山伏の行場「鳩居峯」のうち 五宿目までを巡拝した慶安元年(1648)の「修正延年並祭礼次第」に 「大宿とハ其年鳩居の峰を持山伏也」とある「鳩居峯」は「はといのみね」あるいは 「きゅうきょのみね」と読まれてたのだろう朝七時前紅葉の参道歩き 金剛童子堂~拝殿~宝篋印塔そして大講堂と巡拝し 入峯堂跡より裏山へ入峯赤や黄色に色づいた樹...

続きを読む

白山美濃禅定道登拝~秋・下

(承前)寝袋にくるまって夜明け待つ 両足と両ポケットのカイロで寒さをしのぐ携帯トイレに二度小便 夜半に風やみ穏やかな山上翌十月十九日の日の出前 凍った靴に足を突っ込みシャリシャリ鳴るペットボトルの茶を飲んで 外に出てみればまだ積雪はない六時に御嶽と乗鞍の間の雲海より 朝日が昇って照らす翠ヶ池北東に望む北アルプスの山並 西側に映る白山の山かげ朝焼けの御前峰と別山拝みつつ 大汝峰を下っていった積雪なく風...

続きを読む

白山美濃禅定道登拝~秋・上

令和四年(2022)十月十八日 朝五時に山の庵を出てみれば南の空に高く半月 南西に輝くオリオン座その右上に赤きアルデバラン 左下に光るシリウス白し古代ペルシアの旱魃の悪魔と 戦う降雨の神ティシュトリヤ星六時前に石徹白の中居神社参拝 さらに車で大杉登山口へ六時半前に袖まくり歩き始め 今清水社跡に掌を合わせ樹齢千八百年の大杉を 見上げ挨拶してご加護を祈った(巻頭写真)先月から腰の痛みが再発中だが 積雪前に美濃...

続きを読む

鷲ヶ岳より白山遥拝~秋

令和四年(2022)十月十四日朝 鷲見(すみ)の立石より鷲ヶ岳へ登ったこの一ヶ月腰痛に 悩まされ久々に登った山にまだまだ痛みはあるものの そろそろ必要だ山リハビリも聳え立つ鷲見の立石は 霊鷲岩(れいすがん)とも呼ばれる岩だ此処から沢を渡って東の尾根を 登ってゆくこともできるけど今日は藪の薄い西の尾根 登って目指す鷲ヶ岳西に十八夜の月見上げ 沢筋上って尾根に出て南へ登って岩の上より 東に拝む鷲ヶ岳と朝日三十分...

続きを読む

台風の後の山の庵

西九州を縦断した大型台風は 出雲~能登~越後を通過していった台風去りし朝の山の庵 飛ばされ転がる山栗・オニグルミ・ミズナラの実雨はすでにやみ薄曇り まだ吹く風にざわめく樹々荒(すさ)ぶ風を想わすスサノヲノミコトは 父イザナギノミコトの洗い清めた鼻から生まれ出たスサノヲは亡き母イザナミを求めて泣きわめき 青山を泣き枯らし河海を泣き乾(ほ)し姉アマテラスオホミカミが治めていた 高天原(たかまのはら)に昇って...

続きを読む

白山順禮語句検索

白山順禮写真館

Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝