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記事一覧

縄文時代のお墓

 お墓のあり方が変わりつつある、二十一世紀の現代。日本人の祖先である縄文人たちは、土器の使用によって食べ物を煮炊きするようになり、日本で定住生活をした初めての人たちだった。当然、まとまった墓地が現われたのも縄文時代だったろう。彼らはどのような埋葬をしていたのか?野人が訪れたいささかの遺跡から縄文のご先祖さまに学んでみたい。 千葉県船橋市の飛ノ台貝塚(とびのだいかいづか)。(2023/11/21)縄文時代早期、約...

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越中魚津・宇奈月縄文巡礼~虹と精霊

令和五年(2023)十一月十四日午後 越中・魚津港の北より西に望んだ能登半島海から内陸(東)へと車を走らせ 片貝川を渡り天神山のトンネルをくぐる天神山遺跡出土の土器は加賀の上山田貝塚と並び 縄文時代中期中葉の北陸の標識土器(天神山より望む片貝川、魚津市街と富山湾、2023/10/24)トンネルを出て右へ車を進め 小川山千光寺観音堂に参拝ご本尊の千手観音さまは寺伝によれば 魚津の北の経田浦(きょうでんうら)で大同元年(806...

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白水滝より白山登拝2~縄文大崩壊

(承前)(そしてその崩壊地の中に紀元前二百年頃 マグマ噴火で剣ヶ峰溶岩ドームができたのだ北風の中十一時半すぎに剣ヶ峰登頂 木の標柱には氷の旗ができていた)紀元前三十四~三十世紀頃 白山の山頂部が東へ大崩壊した当時の白山は今より標高の高い 成層火山だったが崩壊した山体に残された馬蹄形の凹地の最高所が 現在の山頂御前峰崩壊物は岩屑(がんさい)なだれとなり大白川を 下って達した庄川との出合まで(「新編白川村史 ...

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白水滝より白山登拝1~御厨池

令和五年(2023)十月七日 飛騨白川の白水滝(しらみずのたき)より白山登拝朝六時十五分に滝を拝むと 背後の山上は早くも白いここ十数年の白山の冠雪は 十月後半~十一月始めであり十月前半に冠雪したのは平成二十七年(2015)の 十月十四日以来八年ぶり白水滝が流れ落ちている岩壁は 紀元前二百年頃噴火した時の溶岩だ(「日本活火山総覧(第4版)」)山上の火口から流れ出た溶岩は谷をせき止め 山上の火口は溶岩ドームとなり剣ヶ峰...

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飛騨白川~越中五箇山巡拝

飛騨白川より越中五箇山まで 車で巡拝してきた庄川下って令和五年(2023)九月九日 御母衣(みぼろ)湖畔の荘川桜へ昭和三十五年(1960)十二月 ダム湖に沈む直前の荘川村中野の照蓮寺と光輪寺にあった アズマヒガンザクラが高台の此処に移植され無事に活着した 照蓮寺は長享二年(1488)に明心上人が下白川(しもしらかわ)にあった浄土真宗の 道場を移し再興した寺(「飛騨史畧」)明心上人の祖先の嘉念坊善俊上人は 親鸞聖人の弟子で...

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野いちご

 令和五年(2023)も、もう八月だ。下界の暑さを逃れて山の庵に籠る。標高一千メートルの此処は、真夏でも一日中二十℃台だ。庵の下には、草の間にバライチゴの実が宝玉のように煌めいている。赤い実に乗っているヒスイのようなものは、カメムシの幼虫か。 翌朝、バライチゴの実を摘んでパンにはさみ、いただいた。スイーツ的な甘さはないが、ほのかな甘味と酸味の素朴な味わい。この二十一世紀の野人同様、紀元前二十一世紀の縄文...

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吉備武彦命の越遠征の足跡 4 後史

(承前) 古墳時代前期・四世紀中葉の景行天皇十二年、白山南麓、越前・美濃境の石徹白に吉備武彦命(きびのたけひこのみこと)が伊弉諾尊(イザナギノミコト)を祀った後、石徹白には吉備氏の一族が入植したようで、二年後には年に四度の祭礼が定められている。(石徹白の中居神社、2023/4/12白山登拝時)その後、仁徳天皇の四年(五世紀前半)には流行した疫病を鎮めるため、出雲の須賀から素戔嗚尊(スサノヲノミコト)、出雲の杵築から大...

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吉備武彦命の越遠征の足跡 3 越飛濃

(承前) 越後の刈羽で天照大御神を祀った後、吉備武彦命(きびのたけひこのみこと)の分遣隊は久比岐国に戻り、おそらく海沿いに越中へと軍を進めた。そして伊弥頭(いみず、射水)を経て砺波郡に入った。「古事記」によれば、砺波郡を本拠とする利波臣(となみのおみ)の祖は日子刺肩別命(ひこさしかたわけのみこと)。(日子刺肩別命を祀る南砺市岩木の荊波神社(うばらじんじゃ)、2023/5/23参拝時)日子刺肩別命は吉備武彦命の大叔父であ...

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吉備武彦命の越遠征の足跡 1 前史

 白山南麓、石徹白(いとしろ)の中居神社(ちゅうきょじんじゃ)は、白山美濃馬場・長瀧寺(ちょうりゅうじ)からの白山美濃禅定道の要衝である。(中居神社、2023/4/12白山登拝時)その創祀は、養老元年(717)に白山を開かれた泰澄大師開創の長瀧寺よりもはるかに古く、景行天皇の十二年、吉備武彦命(きびのたけひこのみこと)が伊邪那岐命(イザナギノミコト)を祀ったのに始まるという。景行天皇の時代は考古学的には古墳時代前期、四世紀...

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六厩夫婦杉より別山遥拝

令和五年(2023)三月七日 春分まであと二週間山の庵に来てみれば 出迎えてくれたカモシカさんだいぶん雪も融けてはきたが まだまだ土は露われぬ庵の裏に上ってみれば 白山は霞んでいる春らしく翌早朝に飛騨の六厩(むまい、むまや)へ 雪被る千鳥格子御堂の鞘堂その奥に六厩の杉尾山 引き締まった雪の上歩く雪に覆われた山道には 先週の野人の足跡が処々にだが雪の表面は先週よりも 緩んできている明らかに東に見下ろす六厩の...

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Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝