青い牛
- 2020/12/27
- 09:04

ひっそりとした 正月世界は白々しく 明けるきみと一緒にいたい夜も昼も!何も変わらない 正月この正月・・・いつかまた会えるだろういつかまた会えるだろう・・・(U2「ニュー・イヤーズ・デイ」、拙訳) ドラえもんのどこでもドア、アラビアンナイトの魔法の絨毯、孫悟空の觔斗雲(きんとうん)。疫病のさ中にあっては、古今東西誰もがこのようなモノにあこがれるもの。しかし、生身の現代人にはオンラインで会えるのがせめてもの慰めで...
大白川より白山登拝~秘所仙崛1
- 2020/10/29
- 08:38

2020年10月26日 飛騨・大白川より白山登拝昨年まで四年続きで 十月末から十一月初の初冠雪しかし今年は10月17日に 平年並の雪化粧はたして雪はどんなものかと 大白川沿いに車進めたやがて夜が明け山が見えてくる 思いの外(ほか)に白い山肌これはなかなか手ゴワいぞと 身と心を引き締めた六時に登山口を出発 紅葉の中を登ってゆけば山道たちまち雪に覆われ 雪を彩るモミジの葉やがてお姿現わした 白い御前峰と剣ヶ峰大倉山...
マダニフィストの再来~虫の知らせ
- 2020/10/19
- 09:38

俺の名はマダニフィスト、ある野人の気血を吸っている魔ダニだ。 奴は山に登る日取りを決めるのに、千七百年ほど前に書かれた「抱朴子」に倣って、忌日を避け佳日を選んでいる。無論、だからといってその日の天候や山の状態、そして奴の体調が好いとは限らねぇ。ここ数ヵ月は奴が選んだ日だけが雨天で、その前後は好天続きという結果が続いてるぜ。野人たる奴は、雨でも天候が回復傾向にあれば、人に会わなくて済むのでカッパ着...
マダニフィストの再来~無為・自然2
- 2020/10/05
- 20:05

俺の名はマダニフィスト、あるハゲちょびんのぬかミソに寄生している魔ダニだ。 前回ほざいておいたように、老子爺さんの道徳経五千言には「無為自然」なんて語はないし、「荘子」にもありゃしねぇ。前漢の司馬遷の「史記」(紀元前90年頃完成)にも晋の陳寿(233~297)の「三国志」にも葛洪(283~343)の「神仙伝」にも「無為自然」の語はないし、葛洪の「抱朴子」にも後漢の魏伯陽の「周易参同契」にも梁の陶弘景(456~536)の「真...
マダニフィストの再来~無為・自然1
- 2020/10/01
- 21:12

俺の名はマダニフィスト、ある野郎の心に寄生している魔ダニだ。奴はコロナで遠出できなかった四月と五月、老子爺さんの道徳経五千言を訳してすごしていた。老子爺さんや荘子オジさんの教えといやぁ、「無為自然」と知ったかぶりした奴らは宣(のたま)う。だがなぁ、老子道徳経五千言の中には「無為」や「自然」という語はあっても、「無為自然」なんて言葉はどっこにもありゃしねぇ。「荘子」にもそんな言葉はねぇし、老子爺さん...
風は目を羨み目は心を羨む
- 2020/09/02
- 22:32

二ヶ月前(2020年7月7日)の当ブログ「なぜと問うなかれ」で、「荘子」外篇の次の話を紹介した。「夔(き)という一本足の獣が、ムカデに言った。「オイラは一本足でピョンピョン歩くが、アンタにゃかなわん。今、アンタは無数の足を使ってるけど、どうやってるんだい?」ムカデは答えた。「そうじゃねぇ。オメェさんは、唾吐く奴を見たことあるかい?ペッと吐けば、でっけぇ飛沫(しぶき)は珠(たま)のよう、ちっこい飛沫は霧のよう、...
なぜと問うなかれ
- 2020/07/07
- 08:54

COVID-19によるパンデミックで、世界中ですでに五十万人以上が亡くなり、日本で亡くなった方も千人に迫っている。COVID-19と名づけられたこのウイルスに、私たち人類は得てして、こう問いかけたくなる。「なぜこんなコトをするんだ?」「何のためにそんなコトするのよ!」 「荘子」外篇に、こんな話がある。「夔(き)という一本足の獣が、ムカデに言った。「オイラは一本足でピョンピョン歩くが、アンタにゃかなわん。今、アンタ...
パンデミック訳「老子」21 和光同塵
- 2020/05/20
- 13:04

老子爺さんこう述べた。「知る者は言わず、言う者は知らない。五感の穴を塞ぎ、欲心の門を閉ざし、鋭さを弱め、もつれを解き、光を和らげ、塵に同じる、これを幽玄なる同化という。そのようであるなら、親しまれもせず煙たがられもせず、利用されもせず害されもせず、貴(とうと)ばれもせず見下されもしない。だから天下にかけがえのない存在となる。」(「老子」第五十六章)「和光同塵」という言葉は、インドから中国に仏教が伝わ...
パンデミック訳「老子」18 母と子と
- 2020/05/15
- 16:14

老子爺さんこう述べた。「この天下には始源があり、それは天下の母ともいえよう。天下の母を感得できれば、その子供たち、つまり天地万物のことも分かる。子供たちのことが分かれば、さらにその母を守ってゆく、そうすれば生涯危険はない。五感の穴を塞ぎ、欲心の門を閉ざせば、終身苦しまない。五感の穴を開き、様々な事に及べば、終身救われない。こまやかに見るのを「明」といい、柔らかさを守るのを「強」という。光を回(め...
釈尊涅槃会・老君聖誕日
- 2020/03/08
- 21:53

2020年3月9日は、旧暦2月15日。お釈迦さまが涅槃に入られた日であると共に、あるお方の誕生日でもあります。室町時代(十五世紀)の詩僧・万里集九の「梅花無尽蔵」に「化胡経に曰く、老聃(老子)、殷の第十八王・陽甲の時、玄妙玉女の口中に入る。八十一年して武丁(殷の第二十二代王)九年庚寅の歳、二月十五日に至りて、玉女、李の樹を攀(よ)じて之を誕む。即ち行くこと九歩、左手は天を指し右手は地を差して曰く、天上天下唯我尊...