fc2ブログ

記事一覧

うその祖先とまことの祖先

 よく、こんなことが言われる。自分の直系の祖先の数は、一代前は父母二人、二代前は祖父母四人、三代前は曾祖父母八人、n代前は二のn乗人。だから、十代前には千二十四人、二十代前には百四万八千五百七十六人いたことになる。これらの祖先たちの一人でもいなければ、自分というものは存在しなかった。自分というものはなんと尊いものなのだろう、と。 一見、本当らしく聞こえ、坊さんや神職などもよく説いているこの理屈。だ...

続きを読む

縄文時代のお墓

 お墓のあり方が変わりつつある、二十一世紀の現代。日本人の祖先である縄文人たちは、土器の使用によって食べ物を煮炊きするようになり、日本で定住生活をした初めての人たちだった。当然、まとまった墓地が現われたのも縄文時代だったろう。彼らはどのような埋葬をしていたのか?野人が訪れたいささかの遺跡から縄文のご先祖さまに学んでみたい。 千葉県船橋市の飛ノ台貝塚(とびのだいかいづか)。(2023/11/21)縄文時代早期、約...

続きを読む

春日居~甲斐一宮~釈迦堂放浪

令和五年(2023)十一月二十日朝 石和温泉の宿から北へと歩いてゆき参拝した高倉宮 社殿に祀られている神輿桃畑の間を北東へ進んでゆけば 七世紀後半建立の寺本廃寺跡がある現在の山王神社の前に講堂が さらに金堂や塔などが建ち並んでいたという甲斐最古の寺から北側へ少し歩くと 笛吹市春日居郷土館に着いた此処では笛吹市御坂町上黒駒の 台地にある桂野遺跡から出土した縄文時代中期初頭(紀元前三十六~三十五世紀頃)の 見...

続きを読む

越中魚津・宇奈月縄文巡礼~虹と精霊

令和五年(2023)十一月十四日午後 越中・魚津港の北より西に望んだ能登半島海から内陸(東)へと車を走らせ 片貝川を渡り天神山のトンネルをくぐる天神山遺跡出土の土器は加賀の上山田貝塚と並び 縄文時代中期中葉の北陸の標識土器(天神山より望む片貝川、魚津市街と富山湾、2023/10/24)トンネルを出て右へ車を進め 小川山千光寺観音堂に参拝ご本尊の千手観音さまは寺伝によれば 魚津の北の経田浦(きょうでんうら)で大同元年(806...

続きを読む

河北・氷見古代巡礼

令和五年(2023)十月二十九日朝 越中・小矢部から峠道を車で走り加賀・津幡の七野墳墓群へ 道の駅から南へと歩を進め倶利伽羅不動寺鳳凰殿に参拝 境内南の高台に登れば弥生時代終末期(三世紀前半)の墳墓群 二号墓は四隅突出型墳丘墓だ四隅突出型墳丘墓は弥生時代中期・紀元前後から 出雲など山陰地方で造られた墳丘墓だ弥生時代後期・二世紀後半には 出雲の西谷に巨大な四隅突出型墳丘墓が造られた(西谷三号墓、2019/2/21)(西...

続きを読む

長者ケ原

 またしても訪れた、越後の海。山の庵から分水嶺を越え、越中から越後の海岸をドライブすると、いつも心に浮かぶのはU2の「No Line On The Horizon」。「俺の知ってる海のような乙女彼女は毎日変わってゆく俺のため」「俺の知ってる心に穴ある乙女彼女は言った無限大は偉大な出発点ね」(拙訳)山の庵に棲んでいるとはいえ、野人が生まれ育ったのは東京湾岸の海辺の町。トンネルだらけの山道を車で走るのは疲れるが、広大な海を見な...

続きを読む

飛騨白川~越中五箇山巡拝

飛騨白川より越中五箇山まで 車で巡拝してきた庄川下って令和五年(2023)九月九日 御母衣(みぼろ)湖畔の荘川桜へ昭和三十五年(1960)十二月 ダム湖に沈む直前の荘川村中野の照蓮寺と光輪寺にあった アズマヒガンザクラが高台の此処に移植され無事に活着した 照蓮寺は長享二年(1488)に明心上人が下白川(しもしらかわ)にあった浄土真宗の 道場を移し再興した寺(「飛騨史畧」)明心上人の祖先の嘉念坊善俊上人は 親鸞聖人の弟子で...

続きを読む

土偶~フォッサマグナの女神

あなたはいったい誰なのか? ヒスイの大珠(たいしゅ)が作られていた越後・糸魚川の縄文時代の 遺跡に埋められていたというあなたは?紀元前三十六~三十一世紀頃の 縄文時代中期前半にあなたは縄文人の手で作られ祀られた スリムな身体(からだ)に丸い乳房へその下にはウェアリング・パンツ 身体は見える笑った顔のようにもだけど頭は宇宙へと開き 口?あるが目なく側頭に耳飾りみたいなもの人間離れした不可思議な顔で 超時...

続きを読む

雨飾山~焼山縦走・下

(承前)焼山と火打山を源流とする早川谷に伝わる 「往古早川谷之絵図」によればその昔焼山は茶臼山と呼ばれていたという だが康安元年(1361)の噴火のおり茶臼のような溶岩ドームが崩落し それから焼山と呼ばれるようになった(この日(2023/8/8)焼山から姫川は見えるも早川は雲でよく見えず)また同絵図によれば焼山の隣の火打山は 八口山と呼ばれ山中にいた八口という者を出雲の大穴持命(大国主神)が討った これは「出雲国風土記...

続きを読む

雨飾山~焼山縦走・上

令和五年(2023)八月八日信越境の 雨飾山(あまかざりやま)から越後の焼山まで縦走未明に山寺の観音堂に参拝 見上げれば上空に輝く半月南東に雨飾山の山かげ拝み 雨飾山荘へと車を進めた(巻頭写真)五時前に雨飾山荘前を発ち 薬師尾根を登ってゆけば北にあごを高く突き上げた 鬼ヶ面山のプロフィールやがて一ヶ月前に縦走した 駒ヶ岳~鬼ヶ面山~鋸岳一望六時に山の端より朝日差し 雨飾山を見あげた上に振り返れば駒ヶ岳と黒姫...

続きを読む

白山順禮語句検索

白山順禮写真館

Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝