長者ケ原
- 2023/10/26
- 20:22

またしても訪れた、越後の海。山の庵から分水嶺を越え、越中から越後の海岸をドライブすると、いつも心に浮かぶのはU2の「No Line On The Horizon」。「俺の知ってる海のような乙女彼女は毎日変わってゆく俺のため」「俺の知ってる心に穴ある乙女彼女は言った無限大は偉大な出発点ね」(拙訳)山の庵に棲んでいるとはいえ、野人が生まれ育ったのは東京湾岸の海辺の町。トンネルだらけの山道を車で走るのは疲れるが、広大な海を見な...
土偶~フォッサマグナの女神
- 2023/08/24
- 22:15

あなたはいったい誰なのか? ヒスイの大珠(たいしゅ)が作られていた越後・糸魚川の縄文時代の 遺跡に埋められていたというあなたは?紀元前三十六~三十一世紀頃の 縄文時代中期前半にあなたは縄文人の手で作られ祀られた スリムな身体(からだ)に丸い乳房へその下にはウェアリング・パンツ 身体は見える笑った顔のようにもだけど頭は宇宙へと開き 口?あるが目なく側頭に耳飾りみたいなもの人間離れした不可思議な顔で 超時...
紅葉ヶ滝雪化粧
- 2022/12/21
- 21:34

奥美濃は雪が遅かった分 この数日でどっさり降ったよう天候少し和らいだので 令和四年十二月廿日夕ねぐら這い出て寺尾ヶ原へ 長靴で鉄塔巡視路登るうっすら積もった雪の道の 脇には氷柱がぶら下がっている南には岐阜市東部の彼方に 名古屋の高層ビル望む行く手には雪を斑に被った 汾陽寺山が見下ろしている三十分弱で鉄塔に出て 拝んだ雪化粧の高賀山高賀の山並と美山の峰々の 間には今日も見えない白山昨日白山美濃馬場 ...
パンデミック訳「老子」徳経(訳文のみ)
- 2021/06/30
- 23:09

第三十八章すぐれた徳は、徳をひけらかさない、だから徳がある。劣った徳は徳にこだわる、だから徳がない。すぐれた徳は何もしでかさず、打算もない。劣った徳は何かしでかし、打算もある。すぐれた仁は何ぞしでかすが、打算はない。すぐれた義は何ぞしでかし、打算もある。すぐれた礼はことさらにやり、応じなければ袖をまくって引きずりこむ。だから、道が失われた後に徳があり、徳が失われた後に仁があり、仁が失われた後に義が...
パンデミック訳「老子」道経(訳文のみ)
- 2021/06/30
- 21:06

第一章道(い)い表された道は、普遍的な道ではない。名づけられた名前は、普遍的な名前ではない。名前のないのが、万物の始源。名前があるのは、万物の存在の母体。だから何も求めなければ、その奥深さが見え、求め欲するならば、その輪郭が見える。両者は同じ処から出て、名は違えども元は一つ。幽玄にして幽玄なるかな、すべての妙(たえ)なるものが出てくる門は。 第二章天下の人たちは皆、美しいものを美しいとわきまえてい...
白山の堅豆腐
- 2021/02/08
- 20:09

「白山ハ山嶽ノ神秀ナル者也。美濃飛騨越前越中加賀五箇国ノ境ニ介在(はさま)ル。」(藤原敦光「白山上人縁記」、原漢文) 白山麓に共通して存在するものといえば、真っ先に思い浮かぶのは雪。ここ数年は山上に雪はあるものの、山麓は雪の少ない年が続いていました。しかし今年(2021)は山麓にもたっぷり積もっています。 恐竜などの化石も、白山麓に分布する手取層群(ジュラ紀中期~白亜紀前期)から大量産出しています。昨日(2月7...
無名の樸
- 2021/02/04
- 22:28

オイラは無名の原木(げんぼく)さオイラの故郷 山の中白山連峰 谷の奥伐られて売られるはずだったところが山抜け 沢下り長良川に落ち ドンブラコドンブラコッコと流されて水引きゃ河原に ゴロリンコ増水のたびに流されて此処まで来たっていうワケさオイラは無用の長物さドデカいひょうたん 役立たぬだけど荘子に使わせりゃ浮き袋にして水遊び枝曲がりクネる大木も何の用にもたたぬけど荘子のオジサンこう使う無何有の郷に移植...
パンデミック「再」宣言
- 2021/01/14
- 10:39

新年早々、再び発令された緊急事態宣言。昨年(2020)4月7日に七都府県に発令され、4月16日に全土に拡大されて以来、九ヶ月ぶりの発令です。今回は1月7日に一都三県に発令、13日に十一都府県に拡大され、期間は今のところ2月7日まで。昨年四月五月の緊急事態宣言下、野人は老子爺さんの「道徳経」五千言と日々向き合い、中国語で読誦し「パンデミック訳」しつつ、パンデミック下さらにパンデミック後をいかに生きていったらよいの...
コビッドラプトル
- 2021/01/02
- 12:07

年明け モロ松訪れた郊外の町最近 辺りに出没しているという小型で すばしこい肉食恐竜駅から 小川を渡って歩を進めるとギャーッ!と どこかで奴のかん高い声大きな 建物に着き上る途中も外から 奴の声が響いていた誰もが 不安にかられた目つきをしていた突然 建物の外で人の悲鳴がとうとう 奴は此処までやって来た誰もが 右往左往し逃げまどうモロ松 非常階段降りてゆく下には バスが一台停まっていた急いで 皆で駆...
青い牛
- 2020/12/27
- 09:04

ひっそりとした 正月世界は白々しく 明けるきみと一緒にいたい夜も昼も!何も変わらない 正月この正月・・・いつかまた会えるだろういつかまた会えるだろう・・・(U2「ニュー・イヤーズ・デイ」、拙訳) ドラえもんのどこでもドア、アラビアンナイトの魔法の絨毯、孫悟空の觔斗雲(きんとうん)。疫病のさ中にあっては、古今東西誰もがこのようなモノにあこがれるもの。しかし、生身の現代人にはオンラインで会えるのがせめてもの慰めで...