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記事一覧

うその祖先とまことの祖先

 よく、こんなことが言われる。自分の直系の祖先の数は、一代前は父母二人、二代前は祖父母四人、三代前は曾祖父母八人、n代前は二のn乗人。だから、十代前には千二十四人、二十代前には百四万八千五百七十六人いたことになる。これらの祖先たちの一人でもいなければ、自分というものは存在しなかった。自分というものはなんと尊いものなのだろう、と。 一見、本当らしく聞こえ、坊さんや神職などもよく説いているこの理屈。だ...

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縄文時代のお墓

 お墓のあり方が変わりつつある、二十一世紀の現代。日本人の祖先である縄文人たちは、土器の使用によって食べ物を煮炊きするようになり、日本で定住生活をした初めての人たちだった。当然、まとまった墓地が現われたのも縄文時代だったろう。彼らはどのような埋葬をしていたのか?野人が訪れたいささかの遺跡から縄文のご先祖さまに学んでみたい。 千葉県船橋市の飛ノ台貝塚(とびのだいかいづか)。(2023/11/21)縄文時代早期、約...

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吉備武彦命の越遠征の足跡 3 越飛濃

(承前) 越後の刈羽で天照大御神を祀った後、吉備武彦命(きびのたけひこのみこと)の分遣隊は久比岐国に戻り、おそらく海沿いに越中へと軍を進めた。そして伊弥頭(いみず、射水)を経て砺波郡に入った。「古事記」によれば、砺波郡を本拠とする利波臣(となみのおみ)の祖は日子刺肩別命(ひこさしかたわけのみこと)。(日子刺肩別命を祀る南砺市岩木の荊波神社(うばらじんじゃ)、2023/5/23参拝時)日子刺肩別命は吉備武彦命の大叔父であ...

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蕪山より白山遥拝

令和五年(2023)二月十六日 三年ぶりに奥美濃・板取の蕪山(かぶらやま)へ思いの外に雪少ないが 朝七時半に出発した長靴履いて奥牧谷渡り山道上る 整備されておらず倒木だらけ日の当たらぬ谷は気温も低い 流れの周りは氷柱だらけ手がかじかむので山道離れ 日の当たってる右岸の尾根へと急登した朝日浴びつつ登る尾根 残雪は現われぬなかなか歩き始めて四十五分 ようやく地面に残雪が右手に望む高賀山 右前方に目指す蕪山左の...

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権現山より白山遥拝

令和五年(2023)一月廿八日早朝 寺尾ヶ原から権現山に登った美濃平野部でもこのところ 凍てつく寒さが続いていた長靴履いて雪の山道をゆき 鉄塔巡視路を登ってゆく 一つ目の鉄塔から西に 朝焼けの汾陽寺山見上ぐ323m鉄塔に出て 南に仰ぐ権現山南東への尾根を急登すれば やがて朝日が顔出した山頂部に出ると岩がある まるでドクロの横顔のよう岩上からは晴れ渡っていれば 白山のお姿を拝むことができるだがこの日は蕪山(か...

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紅葉ヶ滝雪化粧

奥美濃は雪が遅かった分 この数日でどっさり降ったよう天候少し和らいだので 令和四年十二月廿日夕ねぐら這い出て寺尾ヶ原へ 長靴で鉄塔巡視路登るうっすら積もった雪の道の 脇には氷柱がぶら下がっている南には岐阜市東部の彼方に 名古屋の高層ビル望む行く手には雪を斑に被った 汾陽寺山が見下ろしている三十分弱で鉄塔に出て 拝んだ雪化粧の高賀山高賀の山並と美山の峰々の 間には今日も見えない白山昨日白山美濃馬場 ...

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滝波山より白山遥拝~深き雪 2

(承前)(十三時ようやく山頂に着いた 入峯してから五時間半強残雪期いつも三時間半弱だが 今年は難儀した深い雪に)だがその報いはあり余るほど 南に登ってきた尾根と蕪山(かぶらやま)・高賀山北東に鷲ヶ岳 彼方に乗鞍・御嶽 乗鞍・御嶽の雪はだいぶ融けているようそして真北に真っ白に輝きわたる 両翼いっぱいに広げた白山山頂からさらに北東へ 越美国境へと歩を進め斜面の上から望む白山は この世のものとは思えぬ美しさ向...

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滝波山より白山遥拝~深き雪 1

令和四年三月八日朝七時半前 奥美濃板取・新宮神社より越前との国境に聳える 滝波山へと登っていった去年も同じ日に登ったのだが 暖冬で1159m三角点までは雪がなかった今年は去年と打って変わって 麓から雪に覆われている長靴履いて拝殿の 向かって右から急登すればシカの群れたちピューッと鳴きつつ 先に上へと登っていった急な斜面を登りきり シカの足跡踏み尾根北上す早くも積雪深くなり 処々でズボッとはまる歩きづら...

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百々ヶ峰~源太峰~鷲見神社縦走

 六月初めに白山に登って以降、野人は二ヶ月もまともに山に登っておらず、俗世のクダラないことに心を病んでご乱心しかねない禁断症状。8月10日は美濃・越前境の古の山伏の行場「鳩居の峯」に行くつもりでしたが天候不安定。そこで、久しぶりに岐阜市最高峰・百々ヶ峰(どどがみね)から北へ続く尾根を歩くことにしました。百々ヶ峰には十年以上前は度々登り、源太峰も2009年11月に縦走しました。 2021年8月10日朝、百々ヶ峰南麓の...

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滝波山より白山遥拝

  白山から南を望むと、越前・美濃国境に三つの山が並んで見えます。西から平家岳、美濃平家岳、そして滝波山。いずれも、積雪期は見事な白山のお姿が拝める山です(無雪期は美濃平家岳と滝波山は藪で展望ありませんが)。2021年3月8日、六年ぶりの滝波山登拝。この山には2009年8月と2012年3月末に滝波谷から、2015年3月末には板取川と川浦谷(かおれだに)の出合にある新宮神社から登拝しました。今回も新宮神社から尾根を縦走...

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松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝