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白山越前禅定道~釈迦岳登拝・下

(承前)十三時すぎ東に見上げた白い大汝峰と御前峰 御宝庫(おたからぐら)がよく見える南には湯の谷川とこれから縦走してゆく釈迦岳 彼方には別山と三ノ峰望む足元に紫色の菊一輪 ノコンギクのようだがよく分からぬ鞍部より釈迦岳と別山見上げ 水場で汗流し喉を潤す東に白山頂部を見上げつつ 釈迦岳の山道を登っていった山頂西の池の彼方に望む 赤兎山・大長山・経ヶ岳そして法恩寺山笹藪の中を急登し 十四時に白山釈迦岳登頂...

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白山越前禅定道~釈迦岳登拝・上

令和五年(2023)十月十七日朝五時半 薄明の市ノ瀬登山口を出発鈴・ラジオ鳴らしヘッドランプ点け 森の中へと進んでゆく山田屋旅館跡から登ってゆくと 背後の樹の上から黒い獣がバサバサと藪に降りるのが見えた 夜明けと日暮れは熊の活動時間だ白山越前禅定道と釈迦新道の 分岐に出て禅定道を登る釈迦新道は平成二十九年(2017)五月以来 通行止が続いていたが登れるよう今日は越前禅定道を登った後 別山へ縦走しチブリ尾根を下...

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白水滝より白山登拝2~縄文大崩壊

(承前)(そしてその崩壊地の中に紀元前二百年頃 マグマ噴火で剣ヶ峰溶岩ドームができたのだ北風の中十一時半すぎに剣ヶ峰登頂 木の標柱には氷の旗ができていた)紀元前三十四~三十世紀頃 白山の山頂部が東へ大崩壊した当時の白山は今より標高の高い 成層火山だったが崩壊した山体に残された馬蹄形の凹地の最高所が 現在の山頂御前峰崩壊物は岩屑(がんさい)なだれとなり大白川を 下って達した庄川との出合まで(「新編白川村史 ...

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白水滝より白山登拝1~御厨池

令和五年(2023)十月七日 飛騨白川の白水滝(しらみずのたき)より白山登拝朝六時十五分に滝を拝むと 背後の山上は早くも白いここ十数年の白山の冠雪は 十月後半~十一月始めであり十月前半に冠雪したのは平成二十七年(2015)の 十月十四日以来八年ぶり白水滝が流れ落ちている岩壁は 紀元前二百年頃噴火した時の溶岩だ(「日本活火山総覧(第4版)」)山上の火口から流れ出た溶岩は谷をせき止め 山上の火口は溶岩ドームとなり剣ヶ峰...

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笥笠中宮~白山加賀禅定道登拝・下

(承前)翌五月十一日朝五時前 北アルプスより昇った朝日大汝北峰より南に大汝峰と 御前峰・剣ヶ峰と月を遥拝大汝峰から七倉山・四塚山へと下る 風向きは北から東に変わった五時半に御手水鉢に到着 水の表面は凍っていた「太男知ノ麓ニ磐石ノ上ニ泉水有リ、上道人ハ其ノ水ヲ受ケ喉ヲ助ク」(「白山之記、原漢文」)月の輪の渡りをトラバース 途中雪渓が二つある六時に四塚山から振り返った七倉山と大汝峰 猫の塚は一つだけ雪上に...

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笥笠中宮~白山加賀禅定道登拝・上

(承前)令和五年(2023)五月十日朝四時半すぎ 笥笠中宮(けがさのちゅうぐう)に参拝した白山加賀馬場の中宮三社の 拠点として栄えた処だ安元三年(1177)中宮三社八院の衆徒は 佐羅宮の早松社の神輿をかつぎ比叡山に登り都へ降って 加賀国守と目代をさせた流罪に「白山之記」によれば笥笠中宮には 神殿・拝殿・彼岸所・講堂常行堂・法華堂・不動堂・鐘楼などが 建ち並んでいたとあるだが南北朝期に南朝方に付き その後勢力は衰退...

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笥笠中宮~白山加賀禅定道登拝・前行

令和五年(2023)五月九日朝 山の庵から北西に拝んだ残雪の白山 此処からちょうど白山の向こう側に明日から登る白山加賀禅定道の 一大拠点であった笥笠中宮(けがさのちゅうぐう)がある今日はその前行として時計回りに 車で白山麓を大きく半周する長良川上流から美濃・越前の境越え 穴馬(あなま)から九頭竜川沿いに下ってゆき荒島岳の麓の仏御前の滝へ 遊歩道は一部覆われている土砂崩れにフジの花越しに見下ろす仏原(ほとけは...

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白山美濃禅定道中居神社~別山登拝3・滝

(承前)銚子ヶ峰からの下りは雨強まり 残雪と霧で一面真っ白くうっすらと見える雪庇の縁を左に 確かめつつ母御石山へと歩を進めゆく八時に神鳩(かんばた)へと下り 避難小屋にて一休み雨宿りの岩屋は窟塞ぐ岩どけたとしても 人が一人座れるほどのスペースのみおたけり坂を下り終えると 昨日落とした右手袋があった雨の山道ゆけば山鳥走り 残雪に長い尾羽が落ちていた九時十五分に大杉に降り 熊清水で洗面し喉を潤す三世紀に芽...

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白山美濃禅定道中居神社~別山登拝2・神

(承前)正午前一ノ峰着 一ノ峰から二ノ峰はほぼ山道出てる鬼の鼻面岩越しに 銚子ヶ峰と鳩居峯振り返る水呑釈迦堂跡より三ノ峰へ登る ポケットに入れてた右の手袋なく落としたらしいこの時期この辺りは雪の壁 だがすでに表面緩くアイゼンいらない十三時すぎに三ノ峰避難小屋着 やはり雪が少ない今年は十年前(2013)の四月十三日 この小屋のドアはほぼ雪に埋もれていた(2013/4/13登拝時)荷物を軽くしていざ別山へ 日は温かいが...

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白山美濃禅定道中居神社~別山登拝1・桃

令和五年(2023)四月十一日朝 全く雪のない桧峠を車で越えて石徹白に入ると アナグマさんがお出迎え六時前に中居神社に参拝し 大宮殿の向かって右から残雪の全く見られない 古の白山美濃禅定道を登っていった浄安杉から斧石(よきいし)を経て 四十分ほどで美女下社跡へ祭神だった磐長姫(イワナガヒメ)は記紀によれば 高天原(たかまのはら)からこの葦原中国(あしはらのなかつくに)へ降臨された瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に 妹の...

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Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝