fc2ブログ

記事一覧

うその祖先とまことの祖先

 よく、こんなことが言われる。自分の直系の祖先の数は、一代前は父母二人、二代前は祖父母四人、三代前は曾祖父母八人、n代前は二のn乗人。だから、十代前には千二十四人、二十代前には百四万八千五百七十六人いたことになる。これらの祖先たちの一人でもいなければ、自分というものは存在しなかった。自分というものはなんと尊いものなのだろう、と。 一見、本当らしく聞こえ、坊さんや神職などもよく説いているこの理屈。だ...

続きを読む

縄文時代のお墓

 お墓のあり方が変わりつつある、二十一世紀の現代。日本人の祖先である縄文人たちは、土器の使用によって食べ物を煮炊きするようになり、日本で定住生活をした初めての人たちだった。当然、まとまった墓地が現われたのも縄文時代だったろう。彼らはどのような埋葬をしていたのか?野人が訪れたいささかの遺跡から縄文のご先祖さまに学んでみたい。 千葉県船橋市の飛ノ台貝塚(とびのだいかいづか)。(2023/11/21)縄文時代早期、約...

続きを読む

初参り・初登り~敬愚比丘と月の兎

令和五年(2023)一月四日朝八時前 白山美濃馬場・白山中宮長瀧寺(ちょうりゅうじ)に初参り粉雪舞うも穏やかな天候 さほど積もっていない十二月のドカ雪以来白山神社の拝殿と本殿にて 白山三所権現にご挨拶大講堂にて般若心経唱え 宝篋印塔に陀羅尼誦す白山有縁の生きとし生けるものたちに 今年もご加護を垂れたまえ五十を過ぎたこの野人めを 今年も白山に登らせたまえ長瀧寺から長良川を渡り かんじきで登る御坊主ヶ洞雪に足...

続きを読む

マダム・サシガメの最期の十日

彼女が姿を現わしたのは 十一月半ばのことだった山の庵のウッドデッキで 左の中脚失って触っても逃げることもできずにいた マダム・オオトビサシガメはまだ息はありわずかに動く 虎の模様の長い触覚鳥に襲われたのだろうか 雨戸か網戸にはさまれたのか?これから冬越しだという時に 伏せっていた彼女は山小屋の前に彼女のいるまさにこの場所で トラツグミが死んだ二年前山小屋の窓にぶつかって 此処に横たわった血を吐いて...

続きを読む

山でのお迎え 2

 古代ペルシア(イラン)の伝説の王ジャムシードを殺し、世界を千年支配したというアラブの王ザッハーク。ピーシュダーディー朝の王ジャムシードは、人々のために武器や衣服やレンガや宝石、香料、薬などの作り方を教え、現代まで受け継がれているノウルーズ(イランなどで春分に祝われる元日)を始めるなど黄金時代を築きましたが、世を治めて六百年経つと奢り高ぶるようになり、民心は彼から離れてゆきました。その頃、アラブの王子...

続きを読む

山でのお迎え

 山を愛し、その美しさと恐ろしさを体験した者にも、いつか山に登れなくなる日はやってきます。足腰を痛めて登れなくなるにせよ、遭難するにせよ・・・。いずれにせよ、独りで山と対話しつつ登り続けてきた者にとって、最期は神さまと対話しつつ迎えたいものです。 ヘルマン・ヘッセの小説「クヌルプ」の主人公、生涯を放浪者として過ごしたクヌルプは、四十歳で肺を病み、南ドイツの故郷の町を目指して国道を歩いていました。たま...

続きを読む

旅立ち

Ⅰ殿は皆にこう言った。「もはやこれまでじゃ。」城は敵に完全に包囲されていた。殿は降伏よりも自決を選んだ。皆は次々と死んでゆき、殿と家老なる私だけが残った。「先にゆくがよいぞ。」殿はそうおっしゃった。私は覚悟を決め、刀を腹に向けて構えたまま、一呼吸した。正面に、観音さまの木像が祀ってあった。厨子の中に坐す尊像を見て、私はこう言った。「これであなたとも今生のお別れですね。」思いっきり、腹に刀を突き立て...

続きを読む

リモート(遠隔)

七色の輪その中に現わるあなたの坐相金色(こんじき)の身紺色の螺髪(らほつ)青い瞳は海のよう無縁の慈悲あなたを見上げ掌を合わす無碍の光明 無量の寿命虚心に称えるなむあみだぶ眉間の白毫まばゆく輝き野人の心を照らしぬく安楽国あなたはそこを動かねどあらゆる処にお姿現わす八万四千の迷いの波に煌めく八万四千の光八万四千のあなたの化身右の掌あげ左掌さげたその指は下品下生の印結ぶ赤い唇み法(のり)を説けど凡夫の耳にはよ...

続きを読む

マダニフィストの再来~虫の知らせ

 俺の名はマダニフィスト、ある野人の気血を吸っている魔ダニだ。 奴は山に登る日取りを決めるのに、千七百年ほど前に書かれた「抱朴子」に倣って、忌日を避け佳日を選んでいる。無論、だからといってその日の天候や山の状態、そして奴の体調が好いとは限らねぇ。ここ数ヵ月は奴が選んだ日だけが雨天で、その前後は好天続きという結果が続いてるぜ。野人たる奴は、雨でも天候が回復傾向にあれば、人に会わなくて済むのでカッパ着...

続きを読む

風は目を羨み目は心を羨む

 二ヶ月前(2020年7月7日)の当ブログ「なぜと問うなかれ」で、「荘子」外篇の次の話を紹介した。「夔(き)という一本足の獣が、ムカデに言った。「オイラは一本足でピョンピョン歩くが、アンタにゃかなわん。今、アンタは無数の足を使ってるけど、どうやってるんだい?」ムカデは答えた。「そうじゃねぇ。オメェさんは、唾吐く奴を見たことあるかい?ペッと吐けば、でっけぇ飛沫(しぶき)は珠(たま)のよう、ちっこい飛沫は霧のよう、...

続きを読む

白山順禮語句検索

白山順禮写真館

Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝