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記事一覧

二十一世紀と縄文時代の温暖化

 令和五年(2023)十一月十一日、午後おそく長良川畔のねぐらから裏山へ登り、北の樹間に拝んだ白山三所権現。御前峰(本地・十一面観音菩薩)と別山(本地・聖観音菩薩)の中央奥に大汝峰(本地・阿弥陀如来)が頭を覗かせる、この山越来迎阿弥陀三尊を拝めるのは、白山の南側からだけだ。温暖化の続く近年には珍しく、今年は十月初旬に初冠雪した白山。だがその後一ヶ月経っても、雪は積もっては融けてを繰り返している。(2023/10/22、...

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土偶~フォッサマグナの女神

あなたはいったい誰なのか? ヒスイの大珠(たいしゅ)が作られていた越後・糸魚川の縄文時代の 遺跡に埋められていたというあなたは?紀元前三十六~三十一世紀頃の 縄文時代中期前半にあなたは縄文人の手で作られ祀られた スリムな身体(からだ)に丸い乳房へその下にはウェアリング・パンツ 身体は見える笑った顔のようにもだけど頭は宇宙へと開き 口?あるが目なく側頭に耳飾りみたいなもの人間離れした不可思議な顔で 超時...

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山の真夏の雷雨の夜

盆の入り山の庵に来てみればうだる暑さの下界より十℃も低く心地よい日差しも風も穏やかでいつもながらの静けさだだけど次第に雲湧いて夕立と雷の音激しい雨に稲光り庵が揺れる轟音にこれはやばいとブレーカー切って雷鳴遠のくの待つ雷の音がようやく離れると再び入れたブレーカーだが通じない停電だ切ってよかったブレーカー頭にヘッドランプ点け今夜はまるで避難小屋水とプロパンガスあるが風呂の給湯使えないシャワーの水で行水...

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野いちご

 令和五年(2023)も、もう八月だ。下界の暑さを逃れて山の庵に籠る。標高一千メートルの此処は、真夏でも一日中二十℃台だ。庵の下には、草の間にバライチゴの実が宝玉のように煌めいている。赤い実に乗っているヒスイのようなものは、カメムシの幼虫か。 翌朝、バライチゴの実を摘んでパンにはさみ、いただいた。スイーツ的な甘さはないが、ほのかな甘味と酸味の素朴な味わい。この二十一世紀の野人同様、紀元前二十一世紀の縄文...

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山の庵にて~晩夏

八月も残り明日(あした)まで 山の庵は今日も雨最近めっきり白山見えぬ 降ったりやんだりのこの夏山を拝めず山にも登れず しとしと降る雨に気も滅入る夏は本領発揮せぬまま 秋に席を譲りはじめた赤く輝いていたノイチゴ色あせ ツリフネソウがしっとり咲きはじめミズナラの樹と交差している 山桜の枝は先から赤めく地面に転がる山栗やオニグルミの実 もはや夏の盛りは過ぎにけり慌ただしかったコロナ禍の夏 過ぎ去ってしまえ...

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巨大カメムシ大発生

 2021年10月2日。長良川沿いの野人の下界のねぐらは、今日も日中は三十℃を超す暑さ。ブーンと大きな羽音がしたので窓の方を見ると、網戸に大きなカメムシがいました。キマダラカメムシです。近寄ると、自ら下に落っこちます。この南方系の巨大カメムシと初めて出会ったのは、二年前(2019)の10月6日。二年前の当ブログにはこうあります。「十円玉とほぼ同じ大きさ。十円玉の直径は23.5ミリです。全身に斑のある見たことのない巨大...

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曹操「対酒」

 2021年3月6日は、旧暦1月23日。千八百一年前(220)に、魏の曹操が洛陽で亡くなった日です。「三国志」の英傑として知られる曹操は、詩人でもありました。その詩を読めば、彼が儒家・墨家・道家・法家・兵家等の思想にも通じていたことが見てとれます。一面では情け容赦なく、一面では情に厚く器のデカい男、曹操。乱世のさ中、彼は酒を片手に、理想とする太平の世を詠っています。 対酒酒に対(む)かいて歌わん 太平の時吏は門を...

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この一年に出会ったカメムシたち

 2020年10月5日、涼しい山の庵に帰ってみると、見慣れぬカメムシが出迎えてくれました。(岐阜県郡上市)頭から背面は褐色ですが、腹部や脚は鮮やかな緑色、そして長い触覚と肩から生えるカッコいいトゲは、赤色。ミナミトゲヘリカメムシです。かつて日本では南西諸島のみに棲息していたようですが、地球温暖化の影響でしょうか、棲息域を北へ広げ、現在では関東地方でもみられるカメムシです。 ちょうど一年前の2019年10月6日、岐...

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パンデミック訳「老子」23 根源に帰る

 老子爺さんこう述べた。「それは見たって何にも見えぬ、名づけて微という。それは聞いても何にも聞こえぬ、名づけて希という。それはさすっても何にも得られぬ、名づけて夷という。この三つは分析できない、だから渾然として一体だ。上に明るさはなく、下に暗さもない。なんと涯(はて)しのないことか!名づけようもなく、万物の根源たる「無物」に復帰する。これを形状なき形状、現象なき現象という、これを「惚恍」という。出迎...

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パンデミック訳「老子」15 石ころ

 老子爺さんこう述べた。「古来、天地自然の道と一つになったものは、天は道と一つであればこそ清らかに、地は道と一つであればこそ安定し、神は道と一つであればこそ霊験あり、谷は道と一つであればこそ満ち、すべてのものは道と一つであればこそ生成し、王侯は道と一つであればこそ天下の首長となる。これを敷衍していえば、大気がいつもキレイであろうとするなら、温室効果ガスも雲もなくなり、放射冷却で火星のようになってし...

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Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝