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記事一覧

春日居~甲斐一宮~釈迦堂放浪

令和五年(2023)十一月二十日朝 石和温泉の宿から北へと歩いてゆき参拝した高倉宮 社殿に祀られている神輿桃畑の間を北東へ進んでゆけば 七世紀後半建立の寺本廃寺跡がある現在の山王神社の前に講堂が さらに金堂や塔などが建ち並んでいたという甲斐最古の寺から北側へ少し歩くと 笛吹市春日居郷土館に着いた此処では笛吹市御坂町上黒駒の 台地にある桂野遺跡から出土した縄文時代中期初頭(紀元前三十六~三十五世紀頃)の 見...

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長者ケ原

 またしても訪れた、越後の海。山の庵から分水嶺を越え、越中から越後の海岸をドライブすると、いつも心に浮かぶのはU2の「No Line On The Horizon」。「俺の知ってる海のような乙女彼女は毎日変わってゆく俺のため」「俺の知ってる心に穴ある乙女彼女は言った無限大は偉大な出発点ね」(拙訳)山の庵に棲んでいるとはいえ、野人が生まれ育ったのは東京湾岸の海辺の町。トンネルだらけの山道を車で走るのは疲れるが、広大な海を見な...

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三十年前~五千年前そして今

 先週九月二十五日、パリで開催されたファッションショーで披露された、若手のデザイナー、ヴィクトール・ヴァインサント(Victor Weinsanto)の奇抜なウェディングドレス。最後に登場したのはシースルーのタイトなドレスで、下腹部などに花びら模様があしらわれ、乳首は二つの花のよう、裾は足元からめくれて広がっている。そして首から上も漏斗状に大きく広がり、表情を隠している。 Weinsantoのインスタグラム野人はその姿を見て...

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蕪山より白山遥拝

令和五年(2023)二月十六日 三年ぶりに奥美濃・板取の蕪山(かぶらやま)へ思いの外に雪少ないが 朝七時半に出発した長靴履いて奥牧谷渡り山道上る 整備されておらず倒木だらけ日の当たらぬ谷は気温も低い 流れの周りは氷柱だらけ手がかじかむので山道離れ 日の当たってる右岸の尾根へと急登した朝日浴びつつ登る尾根 残雪は現われぬなかなか歩き始めて四十五分 ようやく地面に残雪が右手に望む高賀山 右前方に目指す蕪山左の...

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旅立ち 3

Ⅰ私はツルハシで地面を掘っていた土の中に柱状節理のような何かが現われていた掘り進めてゆくうちにそれは石でできたあるいは陶土で作られた鳥の翼のようなものと判明したまだ片方の翼の下部しか見えていないが明らかにそれはゾロアスター教のシンボルフラワシを象ったものだったフラワシとは守護霊であり魂だ亡き人のフラワシはノウルーズ(春分)前に故郷に来るという私の魂はまだ埋もれている石化していて羽ばたけない心の大地に...

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サデ祭~神の子なる火 2

(承前) ペルシアの伝説のピーシュダーディー朝、カヤーニー朝から時代はずっと下って、ササン朝の後期。「シャー・ナーメ」によれば、突厥(とっくつ、テュルク)の侵攻からササン朝ペルシアを守ったバフラーム・チュービーンがササン朝に反旗を翻した際(590)、国王ホルムズド四世はバフラームの調略により王子ホスロー・パルヴィーズを疑い始め、暗殺する命令を下した。逸早く状況を察したホスローは都クテシフォン(イラク、バグダ...

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マジヤーリヤとナボル~動物たちの為に

 十二月三十一日から一月四日は、ゾロアスター教の六つの季節祭の五つ目、マジヤーリヤ(中冬)。すべての善きものの創造主アフラ・マズダーが動物たちを創ったことを祝う祭日です。ペルシア暦の元日(ノウルーズ)はこの時期ではなく、春分です。アフラ・マズダーは初めに天空を、次に水を、次に大地を創り、さらに植物・動物・人間を創ったのでした。 九世紀にペルシアで書かれたゾロアスター教の文献「ザードスプラムの選集」によ...

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紅葉ヶ滝雪化粧

奥美濃は雪が遅かった分 この数日でどっさり降ったよう天候少し和らいだので 令和四年十二月廿日夕ねぐら這い出て寺尾ヶ原へ 長靴で鉄塔巡視路登るうっすら積もった雪の道の 脇には氷柱がぶら下がっている南には岐阜市東部の彼方に 名古屋の高層ビル望む行く手には雪を斑に被った 汾陽寺山が見下ろしている三十分弱で鉄塔に出て 拝んだ雪化粧の高賀山高賀の山並と美山の峰々の 間には今日も見えない白山昨日白山美濃馬場 ...

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アオダイショウとノウサギ

令和四年(2022)七月十三日 下界はエアコンなしではいられないが山の庵は窓を開ければ 入ってくるよ涼しい風が昼下がりの室内二十五℃ ヒグラシの歌が涼しさを増す突然外でキーキーと 何かの叫ぶ声がする東側の網戸を開けて 下を覗くと斜面の叢にアオダイショウに巻きつかれ 悲鳴をあげているノウサギまだ子どものようで小さな体 アオダイショウは斜面を転がりつつがんじがらめに巻きついて 首を固く絞めあげ声を封じる弱肉...

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白山鳩居峯中五宿巡拝2

(承前)(入峯五時間で西山登頂 無雪期は藪で何も見えぬが 積雪期の展望は最高だ)白山にはまだ雲がかかっているが 三ノ峰が姿を現わしている日が短くグズグズしていられぬが 輝く白山を見ずに降りるのも惜しい観音経と白山三所権現の 真言・宝号唱えながら遥拝「雲雷鼓掣電し 雹(あられ)を降らし大なる雨を澍(そそ)がんに彼の観音力を念ぜば 時に応じて消散することを得ん」十分ほど念じ続けていると ついに雲から三所権現が...

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Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝