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記事一覧

曹操「対酒」

 2021年3月6日は、旧暦1月23日。千八百一年前(220)に、魏の曹操が洛陽で亡くなった日です。「三国志」の英傑として知られる曹操は、詩人でもありました。その詩を読めば、彼が儒家・墨家・道家・法家・兵家等の思想にも通じていたことが見てとれます。一面では情け容赦なく、一面では情に厚く器のデカい男、曹操。乱世のさ中、彼は酒を片手に、理想とする太平の世を詠っています。 対酒酒に対(む)かいて歌わん 太平の時吏は門を...

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美言は信ならず

 「老子」の最終章に、こうある。「誠実な言葉は美しくない、美しい言葉は誠実でない。」(「老子」第八十一章、拙訳)四月・五月の「緊急事態」中から、「新しい生活様式」とか「アフター・コロナ」などとカッコイイ言葉を口にする人は増えた。だが、七月に入ってからのCOVID-19感染者の増加をボーッと見過ごしてきた政府を始めとする人たちの無能ぶりを見れば、「アフター・コロナ」は中身のない美言にすぎなかったのだろう。 4...

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パンデミック訳「老子」17 衣食住

 老子爺さんこう述べた。「あでやかな色彩は人の目を眩ませ、垂れ流される音楽は人の耳を聞こえなくし、贅沢な味つけは人の舌を麻痺させる、騎馬や狩猟は人の心を熱狂させ、得難い財産は人の行動の妨げとなる。だから聖人の治世とは、人々が腹を空かさぬようにして、目や口の楽しみのためにしない。故に目・耳・口より腹を取る。」(「老子」第十二章)ナイトクラブで、ライブハウスで、合唱団で、料理店で、スポーツジムで、病院や...

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パンデミック訳「老子」10 正しい畏れ

 老子爺さんこう述べた。「天地は情け容赦ない、すべてのものを、祭りが終われば捨てられる「わらの犬」のように扱う。聖人は情け容赦ない、すべての人を、祭りが終われば捨てられる「わらの犬」のように扱う。天地の間は、まるで「ふいご」のようではないか?空虚でありながら尽きることなく、動けばますます風が出てくる。多く聞くほど振り回される、空虚な心を守るほうがよい。」(「老子」第五章)実際、私たちは「わらの犬」の...

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パンデミック訳「老子」9 こまやかさ

 老子爺さんこう述べた。「雄大さを知りつつも、こまやかさを忘れなければ、天下の渓となる。天下の渓となれば、変わらぬ徳を失わない。変わらぬ徳を失わなければ、嬰児(みどりご)の心に復帰する。栄光を知りつつも、屈辱を忘れなければ、天下の谷となる。天下の谷となれば、変わらぬ徳が充満する。変わらぬ徳が充満すれば、質朴な心に復帰する。純白を知りつつも、暗闇を忘れなければ、天下の手本となる。天下の手本となれば、変...

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松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝