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記事一覧

白水滝より白山登拝1~御厨池

令和五年(2023)十月七日 飛騨白川の白水滝(しらみずのたき)より白山登拝朝六時十五分に滝を拝むと 背後の山上は早くも白いここ十数年の白山の冠雪は 十月後半~十一月始めであり十月前半に冠雪したのは平成二十七年(2015)の 十月十四日以来八年ぶり白水滝が流れ落ちている岩壁は 紀元前二百年頃噴火した時の溶岩だ(「日本活火山総覧(第4版)」)山上の火口から流れ出た溶岩は谷をせき止め 山上の火口は溶岩ドームとなり剣ヶ峰...

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白山美濃禅定道登拝~秋・下

(承前)寝袋にくるまって夜明け待つ 両足と両ポケットのカイロで寒さをしのぐ携帯トイレに二度小便 夜半に風やみ穏やかな山上翌十月十九日の日の出前 凍った靴に足を突っ込みシャリシャリ鳴るペットボトルの茶を飲んで 外に出てみればまだ積雪はない六時に御嶽と乗鞍の間の雲海より 朝日が昇って照らす翠ヶ池北東に望む北アルプスの山並 西側に映る白山の山かげ朝焼けの御前峰と別山拝みつつ 大汝峰を下っていった積雪なく風...

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白山越前禅定道登拝・下

(承前)九時半に御前峰登頂 平泉寺の方を向いて建つ社殿にて般若心経唱え 白山妙理大権現供養ご本地十一面観音菩薩 垂迹は伊弉冊尊(イザナミノミコト)と伊弉諾尊(イザナギノミコト)北に剣ヶ峰北西に大汝峰 六道室越しに望む越前禅定道を千蛇ヶ池の北に大汝峰 まだ雪の下の血ノ池を経て翠ヶ池へと下っていった 雪融けの翠ヶ池へ透き通ったアクアブルーの雪 水の表面には氷張る北西から見下ろしている大汝峰 氷割り冷水で身を...

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大白川より白山登拝1

令和三年九月九日 飛騨・大白川より白山に登り北縦走路へ一泊の予定で 山の庵を未明に発った前日からの雨は峠越し 昼には天候よくなる予報カッパ姿で歩き始めても やがてカッパも乾くだろう五時半すぎに大白川への 県道入口に到着したところが県道は雨量規制で 全面通行止だった五時半から通行止になったらしい 致し方なく戦略を立て直して明日白山に 日帰りで登ることにして山の庵へと引き返す 途中で夫婦滝(めおとだき)...

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中居神社~白山美濃禅定道登拝2

(承前)翌六月二日朝四時前 目覚めると外でホトトギスの夜鳴き薄明と霧のなか母御石山(ははごいしやま)へ さらに銚子ヶ峰へと登っていった五時前に銚子ヶ峰登頂 霧で展望は得られない処々残雪のある尾根を進めば 霧晴れ一ノ峰が見えてきた尾上郷側からカッコウの声 一ノ峰越え二ノ峰へ越前側は晴れている 経ヶ岳・赤兎山・大長山鬼の鼻面岩見下ろし 水呑権現にて拝む釈尊如来寿量品偈を唱えていると 雲間に差した日の光そし...

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大白川より白山登拝~秘所仙崛1

2020年10月26日 飛騨・大白川より白山登拝昨年まで四年続きで 十月末から十一月初の初冠雪しかし今年は10月17日に 平年並の雪化粧はたして雪はどんなものかと 大白川沿いに車進めたやがて夜が明け山が見えてくる 思いの外(ほか)に白い山肌これはなかなか手ゴワいぞと 身と心を引き締めた六時に登山口を出発 紅葉の中を登ってゆけば山道たちまち雪に覆われ 雪を彩るモミジの葉やがてお姿現わした 白い御前峰と剣ヶ峰大倉山...

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白山加賀禅定道登拝~衆華争開・後

(承前) 人の多い室堂へは下らず、誰もいない平瀬道へ。山道を外れて叢を進み、御厨池(みくりやのいけ)に参拝。藪に囲まれた神秘的な池の畔に咲く、キヌガサソウやサンカヨウ。「大法師浄蔵伝」に記される、白山の故老の言い伝えによれば、神融という苦行人が景雲年中に白山を始めて開かれ、法華経の功力で毒龍悪鬼を御厨という池に籠めた、とのこと。神融とは、泰澄和尚の別号です。御厨池については、当ブログで再三紹介してきま...

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白山美濃禅定道登拝・下

(承前) 翌10月24日朝6時、大汝峰より御前峰・剣ヶ峰・翠ヶ池を遥拝。大汝峰の北東より眼下に火の御子峰、彼方に立山和光大権現を遥拝。十一世紀前半、権大納言藤原能信作と伝わる「白山大鏡」記載の三十七所の秘窟に、「第三十四、司命神仙洞、五道大神列座、一切衆生一期在生罪業裁断、注不漏露之外、去人間之時、送帝釈之注札、依善悪之業因、可来越南地北峰」とあり、大汝峰の「北峰」には「司命神仙洞」があったようです。「...

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マダニフィストの手記

 俺の名はマダニフィスト。ある男を宿主にしている魔ダニだ。奴ときたら、好んで俺らのいる藪山に登りに来るので、いい鴨だ。奴は、昔の白山の山伏が修行していたという藪山を毎月徘徊しており、特に今の時期は俺らの大事なお客さんだ。 奴との最初の出会いは、奴のブログにも載ってるが、2012年10月だった。俺らの名が日本の人間界を騒がすことになる直前のことだ。奴が奥越前の荒島岳に仏御前の滝から藪を漕いで登ったとき、奴...

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法観寺・雲居寺跡~浄蔵法師忌

 11月21日は、浄蔵法師のご命日。「大法師浄蔵伝」によれば、浄蔵法師は応和3年(963)あるいは康保元年(964)の11月21日、京都東山の雲居寺(うんごじ)で遷化されました。法師を偲び、11月21日夕、鴨川から東山へと向かいました。 松原橋(かつての五条橋)から望む、鴨川上流。正面には、浄蔵法師が修行された比叡山。浄蔵法師最晩年の応和3年(963)8月、この辺りの鴨川西岸で、空也上人が十四年かけて書写された金泥大般若経六百巻の...

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Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝