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記事一覧

白山越前禅定道~釈迦岳登拝・下

(承前)十三時すぎ東に見上げた白い大汝峰と御前峰 御宝庫(おたからぐら)がよく見える南には湯の谷川とこれから縦走してゆく釈迦岳 彼方には別山と三ノ峰望む足元に紫色の菊一輪 ノコンギクのようだがよく分からぬ鞍部より釈迦岳と別山見上げ 水場で汗流し喉を潤す東に白山頂部を見上げつつ 釈迦岳の山道を登っていった山頂西の池の彼方に望む 赤兎山・大長山・経ヶ岳そして法恩寺山笹藪の中を急登し 十四時に白山釈迦岳登頂...

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山の真夏の雷雨の夜

盆の入り山の庵に来てみればうだる暑さの下界より十℃も低く心地よい日差しも風も穏やかでいつもながらの静けさだだけど次第に雲湧いて夕立と雷の音激しい雨に稲光り庵が揺れる轟音にこれはやばいとブレーカー切って雷鳴遠のくの待つ雷の音がようやく離れると再び入れたブレーカーだが通じない停電だ切ってよかったブレーカー頭にヘッドランプ点け今夜はまるで避難小屋水とプロパンガスあるが風呂の給湯使えないシャワーの水で行水...

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野いちご

 令和五年(2023)も、もう八月だ。下界の暑さを逃れて山の庵に籠る。標高一千メートルの此処は、真夏でも一日中二十℃台だ。庵の下には、草の間にバライチゴの実が宝玉のように煌めいている。赤い実に乗っているヒスイのようなものは、カメムシの幼虫か。 翌朝、バライチゴの実を摘んでパンにはさみ、いただいた。スイーツ的な甘さはないが、ほのかな甘味と酸味の素朴な味わい。この二十一世紀の野人同様、紀元前二十一世紀の縄文...

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梅雨のさ中の山の庵

雨曇る梅雨のさ中の山の庵(いお)雄鹿が野人出迎えるカモシカ母子もこんばんは下界は蒸して寝苦しい山は涼しく快眠だ窓を開ければ自然風扇風機エアコンいらぬオーアオーアオと聞こえるアオバトの声樹上より庵(いおり)の庭に生えた草そろそろ草を刈らなけりゃだが草刈機など野蛮この時期に咲く花残し刈込鋏軽く刈る六月半ば星団の如くに咲いたコアジサイ下旬になると色褪せて真白に咲いたバライチゴ花はたちまち実と成って茂みに光る...

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春の雨の音越えて

あしひきの山の庵の春の雨昨夜も今朝もまた昼も午後になってもトコトコと屋根をたたいて降りしきる風に揺らめく樹々の枝枝に光って落ちる露西の窓には雨かかり雨戸を閉めて庵(いお)籠りすでに下界は桜散りもうヒヤシンス枯れてるが花芽小さくまだ固い山の庵の山桜鉢植えのヒヤシンス咲き長く花持ち楽しめる地植えのは顔土に出し蕾開くのいつだろかようやく雪は融けたけどゆったり遅いこの庵(いお)の春あしひきの山の庵の春の雨雨風...

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ノウルーズ(春分)

ノウルーズペルシア暦の元日に七つのس(スィーン)で始まるものを供えて讃えようすべての善の創造主アフラ・マズダーと預言者ザラスシュトラ・スピターマを貧者を導く牧者をスィーブ(سیب)はリンゴ美しさスィール(سیر)はニンニク健康ソマーク(سماق)はスマック朝日セルケ(سرکه)はビネガー円熟セッケ(سکه)はコイン富表わすサブゼ(سبزه)は麦の芽成長ソンボル(سنبل)はヒヤシンス春七つのس(スィーン)お供えし新たな春を迎えよう新たなる日...

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山の庵の冬の朝~大寒

あしひきの山の庵の冬の朝こたつを出ると室内はマイナス一℃気持ちよい長靴で踏む白い雪まるで残雪期のように引き締まり歩きやすいが今日はまだまだ大寒だ新雪がまた降るだろう白いフードで見上げれば樹の上にたくさんの鳥ヤマガラさんにご挨拶いい天気だねだけど午後雪降るらしい気をつけなやあ白頭巾あんたこそ腰の痛みに気をつけなカンカンカンと連打する大きな音が聞こえくるこれはコゲラの音じゃない探すとやはり其処にいたオ...

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白山初拝み~山の庵で平和を願う

令和五年(2023)一月十一日 山の庵に来てみれば雪の上に一週間前の かんじきの跡が残っていた久々に快晴の青い空 長靴で裏に登って拝む白山今年の白山初拝み 南無白山妙理大権現御前峰と剣ヶ峰の前を 横切る日照岳から別山までの長大な尾根今年もあなたに生かされている 生きとし生けるものたちを照らしたまえ庵に戻れば窓の外の 樹々に鳥たちやって来るゲーイと鳴きつつ飛ぶカケス コゲラはコツコツ木を啄(つつ)く庵の周り...

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雪山籠り~年末

残りわずかだ令和四年も 半月ぶりに来た山の庵(いお)五・六十センチの雪かいて ようやく入った庵(いおり)の中へ室内零℃だ気持ちよい 時折ドドーッと落ちる屋根の雪シンクが凍って詰まっていたが お湯注ぐとやがて開通した翌朝愛用のかんじき履いて まっさらな雪踏み庵の裏へ雪上横切るウサギの足跡 新たにできる野人の足跡誰の足跡も付いてない 未踏の雪踏むことの喜び野人の足跡もすぐ消え去るがよい 真似したくないし真...

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マダム・サシガメの最期の十日

彼女が姿を現わしたのは 十一月半ばのことだった山の庵のウッドデッキで 左の中脚失って触っても逃げることもできずにいた マダム・オオトビサシガメはまだ息はありわずかに動く 虎の模様の長い触覚鳥に襲われたのだろうか 雨戸か網戸にはさまれたのか?これから冬越しだという時に 伏せっていた彼女は山小屋の前に彼女のいるまさにこの場所で トラツグミが死んだ二年前山小屋の窓にぶつかって 此処に横たわった血を吐いて...

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Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝