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記事一覧

山の真夏の雷雨の夜

盆の入り山の庵に来てみればうだる暑さの下界より十℃も低く心地よい日差しも風も穏やかでいつもながらの静けさだだけど次第に雲湧いて夕立と雷の音激しい雨に稲光り庵が揺れる轟音にこれはやばいとブレーカー切って雷鳴遠のくの待つ雷の音がようやく離れると再び入れたブレーカーだが通じない停電だ切ってよかったブレーカー頭にヘッドランプ点け今夜はまるで避難小屋水とプロパンガスあるが風呂の給湯使えないシャワーの水で行水...

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越中婦負・古墳丘陵放浪 1

令和五年(2023)七月二十二日朝四時半 神通川左岸の鵜坂神社に参拝崇神天皇十年(四世紀初頭)北陸に 遠征した大彦命(おおびこのみこと)により創祀天平十八年(746)に越中国守と なった大伴家持(おおとものやかもち)は天平二十年(748)に越中国内の諸郡を巡行し 射水郡から砺波郡を経て来た婦負(ねい)郡に鸕坂川(うさかがわ)渡る瀬多みこの吾(あ)が馬(ま)の足掻(あがき)の水に衣(きぬ)ぬれにけり(「万葉集」四〇二二)神通川越しに拝...

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梅雨のさ中の山の庵

雨曇る梅雨のさ中の山の庵(いお)雄鹿が野人出迎えるカモシカ母子もこんばんは下界は蒸して寝苦しい山は涼しく快眠だ窓を開ければ自然風扇風機エアコンいらぬオーアオーアオと聞こえるアオバトの声樹上より庵(いおり)の庭に生えた草そろそろ草を刈らなけりゃだが草刈機など野蛮この時期に咲く花残し刈込鋏軽く刈る六月半ば星団の如くに咲いたコアジサイ下旬になると色褪せて真白に咲いたバライチゴ花はたちまち実と成って茂みに光る...

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笥笠中宮~白山加賀禅定道登拝・上

(承前)令和五年(2023)五月十日朝四時半すぎ 笥笠中宮(けがさのちゅうぐう)に参拝した白山加賀馬場の中宮三社の 拠点として栄えた処だ安元三年(1177)中宮三社八院の衆徒は 佐羅宮の早松社の神輿をかつぎ比叡山に登り都へ降って 加賀国守と目代をさせた流罪に「白山之記」によれば笥笠中宮には 神殿・拝殿・彼岸所・講堂常行堂・法華堂・不動堂・鐘楼などが 建ち並んでいたとあるだが南北朝期に南朝方に付き その後勢力は衰退...

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笥笠中宮~白山加賀禅定道登拝・前行

令和五年(2023)五月九日朝 山の庵から北西に拝んだ残雪の白山 此処からちょうど白山の向こう側に明日から登る白山加賀禅定道の 一大拠点であった笥笠中宮(けがさのちゅうぐう)がある今日はその前行として時計回りに 車で白山麓を大きく半周する長良川上流から美濃・越前の境越え 穴馬(あなま)から九頭竜川沿いに下ってゆき荒島岳の麓の仏御前の滝へ 遊歩道は一部覆われている土砂崩れにフジの花越しに見下ろす仏原(ほとけは...

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春の雨の音越えて

あしひきの山の庵の春の雨昨夜も今朝もまた昼も午後になってもトコトコと屋根をたたいて降りしきる風に揺らめく樹々の枝枝に光って落ちる露西の窓には雨かかり雨戸を閉めて庵(いお)籠りすでに下界は桜散りもうヒヤシンス枯れてるが花芽小さくまだ固い山の庵の山桜鉢植えのヒヤシンス咲き長く花持ち楽しめる地植えのは顔土に出し蕾開くのいつだろかようやく雪は融けたけどゆったり遅いこの庵(いお)の春あしひきの山の庵の春の雨雨風...

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山の庵の冬の朝~大寒

あしひきの山の庵の冬の朝こたつを出ると室内はマイナス一℃気持ちよい長靴で踏む白い雪まるで残雪期のように引き締まり歩きやすいが今日はまだまだ大寒だ新雪がまた降るだろう白いフードで見上げれば樹の上にたくさんの鳥ヤマガラさんにご挨拶いい天気だねだけど午後雪降るらしい気をつけなやあ白頭巾あんたこそ腰の痛みに気をつけなカンカンカンと連打する大きな音が聞こえくるこれはコゲラの音じゃない探すとやはり其処にいたオ...

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山の庵にて~夏至

今日は夏至山の庵は薄曇りあちらこちらにコアジサイ小さな星団のように白山隠れ見えないが庵を取り巻く風と歌カナカナカナカナカナカナ涼しげなヒグラシの唄そこに加わるニョーッキィニョーッキィとエゾハルゼミツクツクピーと高らかに歌っているのはキビタキホーホケキョッとウグイスが唱う題目有難やツツピツツピとシジュウカラそよ風に鳴る山桜の葉野人めも庵にて唱うアヴェスタ語讃えん森羅万象を善きもの創りしお方をすると庵...

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山の庵の初夏の朝

あしひきの 山の庵の初夏の朝 日の出前から鳥たちの 歌声ひびくとりどりに 庵の西でスィーッチョン ツクツクピーとキビタキが 黄色い声で唄ってる 東や北でホトトギス ウグイスたちも鳴いている 少し離れた処から ヒュルルルルーと降下音 アカショウビンの朱(あか)い唄 やがて朝日が雲海に 浮く白山の残雪照らすキビタキは 声はすれどもその姿 なかなか見えぬ山の庵 出でて周りを散策す まだ草色のコアジサイ た...

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山の庵の春の訪れ

あしひきの 山の庵の山桜 今年も咲いた四月末 一月前は残雪が 根元覆っていたけれど 雪多き冬堪え忍び 例年通り花開き 庵の中で首もたげ 花を愛でおる野人見下ろす樹の下の 雪が融けるとまっ先に 出たフキノトウもう消えて 日差しを浴びたカタクリが 薄紫に咲いている 川遡(さかのぼ)り山登り やっと此処まで訪れた 春の神さまお迎えす どうぞごゆるりお留(とど)まりあれ翌日は 曇っていたが昼前に 雨降りはじめ...

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Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝