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笥笠中宮~白山加賀禅定道登拝・前行

令和五年(2023)五月九日朝 山の庵から北西に拝んだ残雪の白山 此処からちょうど白山の向こう側に明日から登る白山加賀禅定道の 一大拠点であった笥笠中宮(けがさのちゅうぐう)がある今日はその前行として時計回りに 車で白山麓を大きく半周する長良川上流から美濃・越前の境越え 穴馬(あなま)から九頭竜川沿いに下ってゆき荒島岳の麓の仏御前の滝へ 遊歩道は一部覆われている土砂崩れにフジの花越しに見下ろす仏原(ほとけは...

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鳩居峯の意味と読み方について

 白山美濃馬場・白山中宮長瀧寺(ちょうりゅうじ)から白山美濃禅定道とは別に、尾根伝いにあったと伝わる山伏の行場「鳩居峯」。寛文八年(1668)の長瀧寺神社仏閣記録(大正六年(1917)に真盛道人が書写)によれば鳩居峯八堂之本尊(「白山史料集下巻」の読み。「白鳥町史史料編二」は「鳩居峰八宿之本尊」と読んでいる。)一宿 不動明王 二宿 釈迦如来三宿 阿弥陀如来 多婆宿 毘沙門国坂 十一面観音 泉之宿 大日如来中須 普賢...

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白山鳩居峯中五宿順拝~晩秋

かつて白山美濃馬場 中宮長瀧寺から尾根伝いに山伏たちの行場があった その名を鳩居峯という「白山由来長瀧社寺記録」に 「鳩居峯八堂之本尊」として長瀧寺から神鳩までの 九つの宿と本地仏が記され「長瀧寺真鑑正編」には 寛永12年(1635)に書かれた「白山鳩居峯中壁書之事」という 十八ヶ条の壁書が写されているこの壁書を記したのは 大峯葛城鳩居峯第七度行人権大僧都行典法印その内容は彦山の阿吸房即傳が 大永5年(1525...

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修正延年、敬愚比丘に初詣

御坊主ヶ洞よじのぼり見上げる 見附ノ大岩五百年の昔 あなたは此処で火の中に坐し 天に召されたあなたの身から出た炎はこの雪深き 白山麓の美濃馬場 長瀧寺を戦乱の世からずっと照らし続ける薬王菩薩が 前世に身を焼(とも)して 千二百年の間八十億恒河沙の世界を照らし続けたごとくに境内に雪ひとつなき令和二年 正月六日あなたは今年も見おろす六日祭の 延年の舞仙人赤松子(せきしょうし)は 自らを焼き西王母の 石室に...

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白山美濃禅定道登拝・下

(承前) 翌10月24日朝6時、大汝峰より御前峰・剣ヶ峰・翠ヶ池を遥拝。大汝峰の北東より眼下に火の御子峰、彼方に立山和光大権現を遥拝。十一世紀前半、権大納言藤原能信作と伝わる「白山大鏡」記載の三十七所の秘窟に、「第三十四、司命神仙洞、五道大神列座、一切衆生一期在生罪業裁断、注不漏露之外、去人間之時、送帝釈之注札、依善悪之業因、可来越南地北峰」とあり、大汝峰の「北峰」には「司命神仙洞」があったようです。「...

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白山美濃禅定道登拝・中

(承前)(10月23日15時)藪から危険な斜面を渡り、転法輪の窟へ。残雪期はアイゼン履いてもカチンコチンの45°の雪渓、一歩間違えば奈落の底です。雪のない今日は山頂から三十分ほどで到着。「白山名所案内」(安永6年(1777))には、此処が三十七ヶ所の秘所のうちの「蓬莱宮」と記されています。三十七所の「神仙洞之秘所」が記される十一世紀前半藤原能信作と伝わる「白山大鏡」には、「第十七、蓬莱仙宮洞、梅真仙等大神仙居、耀金輪仏...

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白山美濃禅定道登拝・上

 10月23日、石徹白の大杉より白山美濃禅定道登拝。五ヶ月前(5月23日)は白山美濃馬場・長瀧寺(ちょうりゅうじ)から山越え谷越えの古禅定道を六時間歩いて大杉を拝み、さらに白山まで登りましたが、日も短くなった今回は長瀧寺参拝後、車で大杉登山口へ。長瀧寺は満天の星空。北に北斗七星、南にオリオン。人工衛星の光も見えました。 朝6時すぎに大杉登山口出発、今清水社跡に参拝。「今冷泉の室長滝寺の僧壱人篭る。この所に名木...

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英彦山~岳滅鬼山~宝珠山放浪2

(承前) 英彦山北岳から13時すぎに中岳に戻り、南岳へ。本地・お釈迦さまに舎利礼文をお唱えし、鎖やハシゴを伝って下ってゆきました。雨は山頂部のみでした。鬼が伐り出したと伝わる材木石。沢に下って洗面し喉を潤し、巨大な鬼杉に参拝。沢を少し登りなおし、14時に大南神社に参詣。彦山四十九窟の一つで、不動明王が祀られています。勤行を修し、鬼杉から大南林道方面へ降下。遡上したくなるようなナメ滝を見下ろしつつ、林道を...

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英彦山~岳滅鬼山~宝珠山放浪1

 九州の霊峰・英彦山には昨年(2018年)10月に登る予定でしたが、台風のため断念、翌日に彦山六峰の一つ・松尾山に登りました。7月17日朝、念願の英彦山へ登拝すべく、小倉駅から日田彦山線に乗車。二年前(2017年7月)の九州北部豪雨以来、添田駅~日田駅間は未だ復旧しておらす、添田駅から代行バスに乗って9時15分に彦山駅着。リュックを背負って駅舎の写真を撮っていると、地元のおじいさんが話しかけてこられ、駅舎をバックに写...

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敬愚比丘忌

 6月1日は、約五百年前に白山中宮長瀧寺(ちょうりゅうじ)対岸の山中で焼身供養を行じられた、敬愚比丘のご命日。「比久ハ陰暦六月朔日御坊主ガ洞奥ナル見附ノ大岩ノ下方ニテ火燒三昧ニ入定セリト云フ、現ニ基石ヲ存ズ、多分大永享禄(1521~32)ノコトナラン」(「長瀧寺真鑑正編」)今年も、御坊主ヶ洞に登って敬愚比丘を供養しました。敬愚比丘は「学識ヲ供ヘ書ヲ能ク」し、永正15年(1518)には長瀧寺の一切経蔵の制札を書いています...

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松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝