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記事一覧

初参り・初登り~敬愚比丘と月の兎

令和五年(2023)一月四日朝八時前 白山美濃馬場・白山中宮長瀧寺(ちょうりゅうじ)に初参り粉雪舞うも穏やかな天候 さほど積もっていない十二月のドカ雪以来白山神社の拝殿と本殿にて 白山三所権現にご挨拶大講堂にて般若心経唱え 宝篋印塔に陀羅尼誦す白山有縁の生きとし生けるものたちに 今年もご加護を垂れたまえ五十を過ぎたこの野人めを 今年も白山に登らせたまえ長瀧寺から長良川を渡り かんじきで登る御坊主ヶ洞雪に足...

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リモート(遠隔)

七色の輪その中に現わるあなたの坐相金色(こんじき)の身紺色の螺髪(らほつ)青い瞳は海のよう無縁の慈悲あなたを見上げ掌を合わす無碍の光明 無量の寿命虚心に称えるなむあみだぶ眉間の白毫まばゆく輝き野人の心を照らしぬく安楽国あなたはそこを動かねどあらゆる処にお姿現わす八万四千の迷いの波に煌めく八万四千の光八万四千のあなたの化身右の掌あげ左掌さげたその指は下品下生の印結ぶ赤い唇み法(のり)を説けど凡夫の耳にはよ...

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白山上人縁記3 願文

(承前) 「西因便(すなわ)ち大願を発(おこ)して曰く、若し白山の名を聞く善悪諸衆生、生死に流転せば、我れ即ち成仏せじ。若し此の善に結縁する遠近諸衆生、極楽に坐せずんば、我れ即ち往生せじ。」奈良時代に白山を開山された泰澄大師は、白山三所権現を御前峰の白山妙理大権現=十一面観音菩薩を中心に、別山大行事権現=聖観音菩薩と大汝峰の越南知権現=阿弥陀如来が補佐する形で拝みました。しかし、「続古事談」に「白山の西...

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白山上人縁記2 西因上人

(承前) 「爰(ここ)に西因とは、本是れ肥前国松浦郡の人也。齢十有四、出家して道を求め、本郷を離れて台山に登り、登壇受戒す。其の後年々歳々、在々處々、難行苦行して、休息有ること無し。遂に此の山に到りて、永く其の棲(すみか)と為し、久修練行すること、茲(ここ)に四十三年。」西因上人の故郷・肥前国松浦郡とは、現在の佐賀県唐津市や伊万里市から長崎県松浦市、平戸市さらに五島市にまで至る一帯です。西因上人が松浦郡の...

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白山上人縁記1 䓗嶺の如し

 白山の美しさに魅せられ、奥美濃の藪漕ぎ雪踏み白山を遥拝し、越前・加賀・美濃・飛騨の四方から白山に年々歳々登拝すること、十有余年。山川草木、鳥獣虫蛇、神仏神仙を拝みつつ、野人は順禮を続けております。 白山には越前・加賀・美濃の三馬場を中心に、様々な伝承や記録が残されています。白山を八世紀はじめに開かれたという泰澄大師についても、各馬場に同工異曲の話が伝わっています。例えば、泰澄大師が白山を開く直前...

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マダニフィストの再来~無為・自然2

 俺の名はマダニフィスト、あるハゲちょびんのぬかミソに寄生している魔ダニだ。 前回ほざいておいたように、老子爺さんの道徳経五千言には「無為自然」なんて語はないし、「荘子」にもありゃしねぇ。前漢の司馬遷の「史記」(紀元前90年頃完成)にも晋の陳寿(233~297)の「三国志」にも葛洪(283~343)の「神仙伝」にも「無為自然」の語はないし、葛洪の「抱朴子」にも後漢の魏伯陽の「周易参同契」にも梁の陶弘景(456~536)の「真...

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マダニフィストの再来~無為・自然1

 俺の名はマダニフィスト、ある野郎の心に寄生している魔ダニだ。奴はコロナで遠出できなかった四月と五月、老子爺さんの道徳経五千言を訳してすごしていた。老子爺さんや荘子オジさんの教えといやぁ、「無為自然」と知ったかぶりした奴らは宣(のたま)う。だがなぁ、老子道徳経五千言の中には「無為」や「自然」という語はあっても、「無為自然」なんて言葉はどっこにもありゃしねぇ。「荘子」にもそんな言葉はねぇし、老子爺さん...

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パンデミック訳「老子」21 和光同塵

 老子爺さんこう述べた。「知る者は言わず、言う者は知らない。五感の穴を塞ぎ、欲心の門を閉ざし、鋭さを弱め、もつれを解き、光を和らげ、塵に同じる、これを幽玄なる同化という。そのようであるなら、親しまれもせず煙たがられもせず、利用されもせず害されもせず、貴(とうと)ばれもせず見下されもしない。だから天下にかけがえのない存在となる。」(「老子」第五十六章)「和光同塵」という言葉は、インドから中国に仏教が伝わ...

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釈尊涅槃会・老君聖誕日

 2020年3月9日は、旧暦2月15日。お釈迦さまが涅槃に入られた日であると共に、あるお方の誕生日でもあります。室町時代(十五世紀)の詩僧・万里集九の「梅花無尽蔵」に「化胡経に曰く、老聃(老子)、殷の第十八王・陽甲の時、玄妙玉女の口中に入る。八十一年して武丁(殷の第二十二代王)九年庚寅の歳、二月十五日に至りて、玉女、李の樹を攀(よ)じて之を誕む。即ち行くこと九歩、左手は天を指し右手は地を差して曰く、天上天下唯我尊...

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修正延年、敬愚比丘に初詣

御坊主ヶ洞よじのぼり見上げる 見附ノ大岩五百年の昔 あなたは此処で火の中に坐し 天に召されたあなたの身から出た炎はこの雪深き 白山麓の美濃馬場 長瀧寺を戦乱の世からずっと照らし続ける薬王菩薩が 前世に身を焼(とも)して 千二百年の間八十億恒河沙の世界を照らし続けたごとくに境内に雪ひとつなき令和二年 正月六日あなたは今年も見おろす六日祭の 延年の舞仙人赤松子(せきしょうし)は 自らを焼き西王母の 石室に...

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Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝