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記事一覧

山の真夏の雷雨の夜

盆の入り山の庵に来てみればうだる暑さの下界より十℃も低く心地よい日差しも風も穏やかでいつもながらの静けさだだけど次第に雲湧いて夕立と雷の音激しい雨に稲光り庵が揺れる轟音にこれはやばいとブレーカー切って雷鳴遠のくの待つ雷の音がようやく離れると再び入れたブレーカーだが通じない停電だ切ってよかったブレーカー頭にヘッドランプ点け今夜はまるで避難小屋水とプロパンガスあるが風呂の給湯使えないシャワーの水で行水...

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野いちご

 令和五年(2023)も、もう八月だ。下界の暑さを逃れて山の庵に籠る。標高一千メートルの此処は、真夏でも一日中二十℃台だ。庵の下には、草の間にバライチゴの実が宝玉のように煌めいている。赤い実に乗っているヒスイのようなものは、カメムシの幼虫か。 翌朝、バライチゴの実を摘んでパンにはさみ、いただいた。スイーツ的な甘さはないが、ほのかな甘味と酸味の素朴な味わい。この二十一世紀の野人同様、紀元前二十一世紀の縄文...

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梅雨のさ中の山の庵

雨曇る梅雨のさ中の山の庵(いお)雄鹿が野人出迎えるカモシカ母子もこんばんは下界は蒸して寝苦しい山は涼しく快眠だ窓を開ければ自然風扇風機エアコンいらぬオーアオーアオと聞こえるアオバトの声樹上より庵(いおり)の庭に生えた草そろそろ草を刈らなけりゃだが草刈機など野蛮この時期に咲く花残し刈込鋏軽く刈る六月半ば星団の如くに咲いたコアジサイ下旬になると色褪せて真白に咲いたバライチゴ花はたちまち実と成って茂みに光る...

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中春~ザラスシュトラの天啓の朝

五月四日夜明け長良川に降り 昇る朝日を拝んだ東に鳥たちも飛びつ歌いつつ 闇に打ち勝つ光を讃う今から二千六百~三千年前の マジヨーイザルマヤ祭(中春、五月四日)の明け方のこと三十歳のあなたは祭に供えるハオマ(薬草)を濾しに 降りていったダーティヤー川(アフガニスタンのハリー川)に四筋になって流れる川は 渡ってゆくほどに深くなった(写真は出雲の斐伊川、2019/1/31)水を汲み岸に戻ったあなたは 光輝く男神を見た背...

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ノウルーズ(春分)

ノウルーズペルシア暦の元日に七つのس(スィーン)で始まるものを供えて讃えようすべての善の創造主アフラ・マズダーと預言者ザラスシュトラ・スピターマを貧者を導く牧者をスィーブ(سیب)はリンゴ美しさスィール(سیر)はニンニク健康ソマーク(سماق)はスマック朝日セルケ(سرکه)はビネガー円熟セッケ(سکه)はコイン富表わすサブゼ(سبزه)は麦の芽成長ソンボル(سنبل)はヒヤシンス春七つのس(スィーン)お供えし新たな春を迎えよう新たなる日...

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ハマスパスマエーダヤ~春への闘い

 春分の前の五日間(三月十六日~二十日)は、ペルシア暦の一年の最後の五日、ゾロアスター教の六つの季節祭の六番目「ハマスパスマエーダヤ」。すべての善の創造主アフラ・マズダーは、被造物を天空・水・大地・植物・動物・人間の順に造ったという。ハマスパスマエーダヤは、人類の創造を祝う祭日だ。 ゾロアスター教の文献「ザードスプラムの選集」によれば、アフラ・マズダーは被造物をまず形なき霊的なもの(メーノーグ、幽世(...

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旅立ち 3

Ⅰ私はツルハシで地面を掘っていた土の中に柱状節理のような何かが現われていた掘り進めてゆくうちにそれは石でできたあるいは陶土で作られた鳥の翼のようなものと判明したまだ片方の翼の下部しか見えていないが明らかにそれはゾロアスター教のシンボルフラワシを象ったものだったフラワシとは守護霊であり魂だ亡き人のフラワシはノウルーズ(春分)前に故郷に来るという私の魂はまだ埋もれている石化していて羽ばたけない心の大地に...

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雪山籠り~立春

令和五年(2023)二月立春 半月ぶりに来た山の庵(いお)七~八十センチの雪かいて ようやく辿りつく庵(いおり)の戸お昼すぎだが室内零℃ 窓の外は深々(しんしん)と降る粉雪抜いておいた水を開通すれど 水はまったく上がってこない水道管はヒーター巻いてるので 破損のおそれはないけれど地面の下で凍ってるのか この時期毎年こんなもの持ってきた四リットルの水 一泊ならこれで問題ない手や顔はウエットティッシュで洗い 食事...

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雪山籠り~年末

残りわずかだ令和四年も 半月ぶりに来た山の庵(いお)五・六十センチの雪かいて ようやく入った庵(いおり)の中へ室内零℃だ気持ちよい 時折ドドーッと落ちる屋根の雪シンクが凍って詰まっていたが お湯注ぐとやがて開通した翌朝愛用のかんじき履いて まっさらな雪踏み庵の裏へ雪上横切るウサギの足跡 新たにできる野人の足跡誰の足跡も付いてない 未踏の雪踏むことの喜び野人の足跡もすぐ消え去るがよい 真似したくないし真...

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この山の庵

この庵(いお)は 山の野人の避難小屋夏でもまるで秋のよう 白山白くなる頃にゃ冷蔵庫いらずコタツ出し みかん食べつつラジオ聞く冬は気温が低すぎて 水出ぬこともよくあるがペットボトルの水使い それも尽きれば雪融かせばよいこの庵は 野人の白山遥拝所五~十月は樹が茂り 白山の姿見えねども色づいた葉が枯れ散ると 見える冠雪した白山そして四月の終わりから 五月初めにやっと咲く白き山桜の花を 透かして拝む白山権現...

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Haxanjunrei

松尾如秋

Author:松尾如秋
自由と孤独を愛するアウトサイダーと、森羅万象を統べているものとの一対一の対話
白山と、白山に育まれているすべてのものへの讃歌
2006~奥美濃の藪山を登り始める
2009~白山三禅定道を毎年登拝
2016~19白山美濃馬場の古の山伏の行場「白山鳩居峯」のうち五宿を毎月巡拝、以後随時巡拝